「テニスを始めたばかりの練習試合、サーブを打つ前に『ラブ・オール!』と叫ぶのは、なんだか照れくさかったのを覚えています」
テニスというスポーツは、ルールだけでなく「言葉」も独特です。特に初心者を戸惑わせるのが、0点のことを「ラブ」と呼ぶ習慣。なぜ「ゼロ」や「レイ」ではなく、愛を意味するような言葉を使うのでしょうか。
この記事では、テニス歴10年の筆者が、その意外な由来と、実際のコートで恥をかかないためのスコア申告のコツを、実体験を交えてお届けします。
卵が「ラブ」に化けた?驚きの由来
テニスのスコアで0を「ラブ」と呼ぶ理由には諸説ありますが、最も有力とされているのがフランス語の「卵(L’œuf / ルフ)」という言葉です。
かつてテニスがフランスの貴族の間で親しまれていた頃、0という数字の形が「卵」に似ていることから、スコアを「ルフ」と呼んでいました。これがイギリスに伝わった際、英語圏の人々の耳には「Love(ラブ)」と聞こえ、そのまま定着したという説です。
他にも「得点がなくても、愛(名誉)のためにプレーする」という精神論的な説もありますが、個人的には「卵に似ているから」という直感的な理由の方が、当時の人々のユーモアを感じられて好きです。
【体験談】コートで「ラブ」を叫ぶ時の緊張感
私が初めて試合に出た時、一番緊張したのはラケットを振ることではなく、スコアをコールすることでした。セルフジャッジの試合では、サーバーが大きな声でスコアを言わなければなりません。
「フィフティーン・ラブ……」
最初はボソボソと言ってしまい、相手から「え?何ですか?」と聞き返されることもしばしば。しかし、テニスウェアのポケットに予備のボールを詰め込み、背筋を伸ばして「ラブ!」とはっきり発音するようになると、不思議とプレーにもリズムが出てきました。
テニスにおいて「ラブ」は単なる数字ではなく、ゲームの始まりを告げる合言葉のようなものです。0-0の状態で「ラブ・オール!」と宣言する瞬間は、何度経験しても背筋が伸びる思いがします。
スコアの数え方をおさらい:15・30・40の謎
ラブ以外にも、テニスのスコアは特殊です。
- 0点:ラブ
- 1点:フィフティーン(15)
- 2点:サーティー(30)
- 3点:フォーティー(40)
なぜ15刻みなのに、3点目が45ではなく40なのか。これには、時計の文字盤を4等分(15分、30分、45分)してスコアを数えていた名残だという説があります。45が40に短縮されたのは、単に「言いやすかったから」という説が一般的です。
試合中にスコアがわからなくなってパニックになったこともありますが、そんな時は素直に相手に確認しましょう。スマートウォッチのテニスアプリでスコアを管理するのも手ですが、やはり自分の声で「ラブ」とコールするのがテニスの醍醐味です。
これからテニスを始めるあなたへ
もしあなたがこれからテニスを始めるなら、まずは「ラブ」という言葉を愛してみてください。0点であることは決して恥ずかしいことではなく、これから得点を積み重ねていくスタートラインに立っている証拠です。
テニスラケットを握り、コートに立ったその瞬間から、あなたもこの歴史ある「ラブ」の文化の一部になります。
最初は照れくさいかもしれませんが、ぜひ大きな声で「ラブ・オール!」と叫んでみてください。その一言が、あなたのテニスライフをより豊かで楽しいものに変えてくれるはずです。


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