「庭にテニスコートを作れたら最高だな」――テニス愛好家なら一度は抱く夢ですが、いざ具体的に考え始めると、真っ先にぶつかる壁が「面積」の問題です。単にコートのラインが引ければいいわけではありません。
今回は、テニスコート1面を作るのに本当に必要な広さと、実際にコートを所有・利用している現場のリアルな体験談を交えて、後悔しないための知識を凝縮してお伝えします。
1. テニスコートの正確な面積:公式サイズと「ゆとり」の真実
まず結論から言うと、テニスコート(ダブルス)のライン内の面積は 260.76平方メートル です。しかし、この数字だけを信じて土地を用意すると、テニスは1ミリもプレーできません。
規格別の必要面積
- コートの内寸(ダブルス): 10.97m × 23.77m(約79坪)
- 国際大会基準(周囲の余白含む): 18.29m × 36.58m(約200坪)
- 一般的なレクリエーション基準: 15m × 30m(約136坪)
実際にプレーをしてみると痛感しますが、テニスにおいて「ランバック(ベースライン後ろのスペース)」は命です。上級者の強烈なスピンボールを打ち返すには、ラインから最低でも5〜6mは後ろに下がれないと、フェンスにラケットをぶつけてしまう「恐怖のコート」になってしまいます。
2. 【実録】「狭すぎた」「失敗した」と後悔しないための体験談
私が過去に訪れたあるプライベートコートでは、土地の制約からバックヤードを3mしか取っていませんでした。結果として、ボレー対ストロークの練習はできても、本格的なラリーになると後ろのネットに体が当たり、まともにスイングができないという悲しい状況でした。
また、面積以外で盲点となるのが「天井の高さ」と「周囲の環境」です。
- 「空が狭い」という圧迫感: 屋内や半屋外で作る場合、天井高が7m以下だとロブが上げられません。
- 日照と影の問題: 隣家の大きな木や建物がコートに影を落とすと、夕方の時間帯にボールが消える「魔の時間帯」が生まれます。
3. サーフェス選びで変わる「面積以上」のコストと手間
コートの広さが決まったら、次に悩むのが床材(サーフェス)です。ここでも「面積」に対する維持コストが大きく変わります。
- クレーコート(土): 初期費用は抑えられますが、毎日の水まき、テニスコート用ブラシでの整備、そしてラインテープの打ち替えなど、面積が広い分だけメンテナンスに体力を奪われます。
- ハードコート: 整備は楽ですが、真夏の照り返しは想像絶絶です。130坪以上の広大なコンクリート面が熱を持つため、スポーツジャグやミスト扇風機などの本格的な暑さ対策が欠かせません。
- 人工芝(オムニコート): 日本で最も人気ですが、経年劣化で砂が偏ると滑りやすくなります。定期的にテニスシューズ オムニ・クレー用を買い替える頻度も、コートの状態に左右されます。
4. 騒音と光のトラブルを避けるために
自宅にコートを作る際、面積と同じくらい重要なのが「近隣への配慮」です。
「パコーン!」という打球音は、プレーヤーには心地よくても、興味のない人には騒音になり得ます。特に夜間照明を設置する場合、LED 投光器の向きが少しでも隣家の窓に向いていると、大きなトラブルに発展します。
防球ネットの高さも重要です。面積をケチってネットを低くすると、テニスボール 60球セットがあっという間に近所の庭へ消えていくことになります。
5. まとめ:理想のコートを実現するために
テニスコートの面積を考えるときは、**「ラインの数字」ではなく「プレーヤーの動線」**で考えてください。
- 最低でも15m × 30mの平坦な土地を確保する。
- バックヤードを優先し、サイドの余裕は多少削ってもプレーの質は保てる。
- 維持管理にはコート整備用品の収納スペースも必要だと計算に入れる。
もし、あなたがこれからコートを設計したり、レンタルコートを予約したりするなら、ぜひ「広さの質」に注目してみてください。ゆとりのある空間でのプレーは、あなたのテニスをより自由で、クリエイティブなものに変えてくれるはずです。


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