「ただの使いすぎだろう」そう思って放置していた肘の違和感が、いつの間にかペットボトルの蓋を開けることすら苦痛な激痛に変わる。これがテニス腱鞘炎、通称「テニス肘(外側上顆炎)」の恐ろしさです。
私自身、テニスのバックハンドで「ピキッ」と走った衝撃を無視し続けた結果、半年近く大好きなコートから遠ざかることになりました。この記事では、そんな私の手痛い失敗談と、そこから学んだ最短ルートの改善法、そして再発を防ぐための具体的なステップをまとめました。
なぜ肘の外側が痛むのか?テニス肘の正体
テニス肘は、肘の外側にある「短橈側手根伸筋」という筋肉の付け根が炎症を起こしている状態です。テニスプレイヤーに多いためこの名がありますが、実際には重い荷物を運ぶ仕事や、キーボード入力を長時間続けるデスクワーカーにも頻発します。
私の場合は、特に「重いフライパンを振る」「ドアノブを回す」といった何気ない動作で、肘の外側の骨の出っ張りあたりにズキッとした痛みが走るようになりました。これはまさに典型的なサインです。
【体験談】私がハマった「治らない」3つの落とし穴
多くの人が私と同じ轍を踏まないよう、あえて失敗した経験を共有します。
- 「痛みが引いたら即再開」を繰り返した数日休んで痛みが和らぐと、「もう大丈夫だろう」と練習に戻ってしまう。しかし、炎症の根っこは消えておらず、またすぐに激痛が再発。これを3回繰り返したことで、症状は慢性化してしまいました。
- ストレッチのやりすぎ「早く治したい」一心で、まだ激痛がある時期に無理やり手首を伸ばすストレッチを行いました。実はこれ、炎症をさらに広げる逆効果。急性期は「伸ばす」のではなく「休ませる」のが鉄則です。
- 道具に頼りすぎ、フォームを無視したテニス肘用サポーターを巻けば痛くないからと、無理なフォームで打ち続けました。サポーターはあくまで負担を軽減するもので、根本的な解決ではないことを痛感しました。
完治に向けて取り組んだ「3つのアプローチ」
半年間の試行錯誤を経て、ようやく効果を実感できた方法がこちらです。
1. 徹底した「休職」ならぬ「休肘」
最初の2週間、テニスはもちろん、日常生活でも重いものを持つときは必ず左手(利き手と逆)を使うように徹底しました。PC操作でも肘の角度に気を使い、エルゴノミクスマウスを導入して手首への負担を最小限に抑えました。
2. 体外衝撃波治療とセルフケア
整形外科で「体外衝撃波治療」という、患部に衝撃波を当てて組織の再生を促す治療を受けました。自由診療で少し高価でしたが、停滞していた回復がここから一気に加速しました。自宅では痛みが引いた段階で、筋膜リリースローラーを使い、前腕だけでなく肩甲骨周りの筋肉もほぐすようにしました。
3. 道具とフォームの見直し
復帰にあたっては、ラケットのガットを柔らかいナイロン製に変え、テンションを5ポンドほど落としました。また、衝撃吸収に優れた振動吸収材を装着。これにより、インパクト時の「ビリビリ感」が劇的に減りました。
まとめ:焦らず、自分の体と対話する
テニス腱鞘炎は、一度こじらせると非常に厄介です。しかし、焦らずに「なぜ痛めたのか」という根本原因に向き合えば、必ず光は見えてきます。
もし今、あなたが痛みを感じているなら、まずはラケットを置き、その腕を休ませてあげてください。そして、再発防止のために前腕ストレッチ器具などを活用しながら、ゆっくりと柔軟性を取り戻していきましょう。
あなたのテニスライフ、あるいは快適な日常生活が一日も早く戻ることを心から願っています。


コメント