「あ、痛い……」
サーブを打とうとトスを上げ、ラケットを振り抜こうとした瞬間、肩の奥に突き刺すような鋭い痛みが走りました。大好きなテニスが、苦痛の時間に変わってしまった瞬間です。
この記事では、私自身の苦い経験と、そこから這い上がるために調べ尽くした「テニス特有の肩の痛み」の正体、そして再びコートでフルスイングできるようになった具体的なプロセスを共有します。
1. 私の肩を襲った違和感の正体:ただの筋肉痛ではなかった
最初は「少し肩が張っているかな?」という程度でした。しかし、無理をして練習を続けるうちに、次第に腕を上げるだけで顔をしかめるほどの痛みに変わっていったのです。
テニス愛好家の間で「肩の痛み」として語られるものの多くは、以下のいずれかに該当します。
- インピンジメント症候群: 肩を上げる際に、腱板(肩のインナーマッスル)が骨に挟まって炎症を起こす状態です。
- 腱板損傷: 繰り返しの動作によって、インナーマッスルに微細な傷が入ります。
- 上腕二頭筋長頭腱炎: 特にサーブのインパクト時に肩の前側に痛みを感じる場合、この炎症が疑われます。
私の場合は、医師から「インピンジメント症候群」と診断されました。肩の使いすぎに加え、加齢や柔軟性の低下が引き金になっていたのです。
2. 【実体験】暗黒の休止期間と、やってはいけない「NG行動」
痛みを抱えながらも「アドレナリンが出れば打てる」と自分に言い聞かせ、痛み止めを飲んで試合に出続けたことがありました。しかし、これは最悪の選択でした。
- NG:痛みをこらえての練習続行痛みをかばうことでフォームが崩れ、肘や腰まで痛める負の連鎖に陥りました。
- NG:自己判断の無理なストレッチ炎症が起きている時に無理に肩を回すと、かえって症状を悪化させます。
結局、夜中に肩の痛みで目が覚める(夜間痛)まで悪化し、3ヶ月間の完全休止を余儀なくされました。
3. 再起へのロードマップ:私が取り組んだ3つの改善策
コートに戻るために、私は徹底的に自分の体と向き合いました。効果を実感したのは、以下のステップです。
ステップ①:アイシングと保護
プレー直後や熱感があるときは、すぐに冷やすことが鉄則です。私はアイシングバッグを活用して、練習後15分間は必ずケアを徹底しました。また、日常生活でも肩サポーターを装着し、無意識に肩を捻る動作を防ぎました。
ステップ②:インナーマッスルの再教育
アウターマッスル(大きな筋肉)ばかりが強く、インナーマッスルが弱っていると、肩の関節は不安定になります。私はトレーニングチューブを使い、負荷の低い「外旋・内旋」の運動を毎日10分続けました。地味ですが、これが一番の近道でした。
ステップ③:フォームの徹底的な見直し
最大の原因は「手打ち」のサーブでした。下半身のパワーを肩に伝える感覚を掴むため、まずはラケットを持たずにテニス練習用メディシンボールなどを使って、体幹主導の投げ出し動作を体に叩き込みました。
4. テニスを一生楽しむために:現在のメンテナンス習慣
今では、以前よりも鋭いサーブが打てるようになりました。それは、痛みを知ったことで「予防」の重要性を学んだからです。
- 練習前の動的ストレッチ: 肩甲骨周りをしっかり動かし、関節の可動域を確保します。
- 道具へのこだわり: 腕への衝撃を減らすため、あえて振動吸収性の高いテニスラケットへの買い替えも検討しました。
肩の痛みは、体からの「休め」というサインであり、「もっと効率的な打ち方があるよ」というアドバイスでもあります。
もし今、あなたが肩の痛みに悩んでいるなら、焦らないでください。適切なケアと正しい知識があれば、必ずまた全力でテニスを楽しめる日が来ます。まずは今日、練習を休む勇気を持つことから始めてみませんか。


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