「やっと涼しくなる…」そんな期待を裏切るような、じりじりと焼ける残暑。かと思えば、日が暮れた途端にシャツを突き抜ける秋風。9月のテニスコートは、まさに季節の変わり目の「戦場」です。夏と同じ装備で挑んでバテバテになったり、逆に夜の練習で汗冷えして風邪をひいたりと、私自身、この時期は何度も失敗を繰り返してきました。
今回は、そんな私の苦い経験から学んだ、9月のテニスを最高に楽しむためのリアルな対策と、この時期ならではのワクワクする楽しみ方をお届けします。
1. 9月のテニスコート、実際の暑さと「盲点」
9月上旬から中旬にかけては、暦の上では秋でもコート上は完全に「夏」です。特にハードコートの場合、地面からの照り返しによって体感温度は余裕で40℃を超えてきます。
ある年の9月上旬、私は「もう秋だし大丈夫だろう」と油断して、夏の間愛用していたOS-1(オーエスワン)を持たずに練習へ向かいました。結果は惨敗。開始1時間で頭がぼーっとし、足が動かなくなりました。湿度がまだ高いため、汗が蒸発しにくく、体に熱がこもりやすいのです。9月こそ、経口補水液や塩分チャージタブレッツをバッグに忍ばせておくべきだと痛感した出来事でした。
一方、下旬になると表情がガラリと変わります。夕方のチャイムが鳴る頃、急に空気が冷え込みます。2時間たっぷり動いて汗だくになった後、そのままの格好で仲間と談笑していたら、翌朝には喉に違和感が…。9月のテニスには、着替えだけでなく「サッと羽織れるもの」が絶対に欠かせません。
2. 体験から導き出した「9月の必須アイテム」
試行錯誤の末、現在の私の9月用テニスバッグには以下の布陣が揃っています。
- 「夏+秋」のレイヤードスタイル:ベースは通気性の良い速乾ウェアですが、バッグには必ず軽量ウィンドブレーカーを入れています。アップ中や休憩中、そして練習後、この一枚があるかないかで体調管理の難易度が大きく変わります。
- 油断禁物の紫外線対策:「9月は日が短くなるから」と油断して日焼け止めをサボった結果、ふくらはぎにクッキリと「ソックス焼け」が残ってしまったことがあります。斜めに差し込む西日が意外と強く、低い位置から肌を焼いてくるのです。私は塗り直しが簡単な日焼け止めスプレーを愛用しています。
- アイケアの重要性:太陽の位置が低くなる9月の午後は、サーブのトスアップ時にちょうど太陽が目に入ります。眩しさでダブルフォールトを連発した経験から、オークリーのスポーツサングラスは手放せなくなりました。
3. 寝不足上等!9月は「観るテニス」も熱い
プレーするだけでなく、観戦において9月は特別な1ヶ月です。そう、全米オープン(US Open)です。
ニューヨークとの時差の関係で、日本での放送は深夜から早朝。数年前、どうしても見逃せなかった準決勝の日、私は深夜3時に起きてタブレット端末を抱え、静まり返ったリビングで一人熱狂しました。あのニューヨークの喧騒と、ナイトセッション特有の青白いライトに照らされたコート。テレビ越しでも伝わる熱気に、寝不足の頭が冴え渡ったのを覚えています。
また、9月は「東レ パン・パシフィック・オープン」など、国内で世界のトッププレーヤーを間近で見られるチャンスも多い時期です。有明の会場に足を運んだ際、スタジアムの影になる席と直射日光が当たる席で天国と地獄ほどの差があることを知りました。現地観戦に行くなら、折りたたみ式のクッションと、日差しを遮るテニスキャップは必須装備です。
4. 9月はテニスを始める「最高の入り口」
もし、これからテニススクールに通おうか迷っている人がいたら、私は迷わず「今すぐ始めてください」と伝えます。
私自身、テニスを再開したのはある年の9月でした。真夏の地獄のような暑さが去り、かといって冬の凍えるような寒さでもない。外で体を動かすことが純粋に「気持ちいい」と感じられるこの時期は、初心者にとって最も挫折しにくいタイミングです。少しずつ涼しくなっていく中で体力をつけ、そのまま秋のハイシーズンへ突入できるのは、9月スタート組だけの特権と言えるでしょう。
まとめ:準備さえ整えば、9月はテニス愛好家の楽園
9月のテニスは、確かに「気温差」という厄介な敵がいます。しかし、機能性インナーで汗冷えを防ぎ、適切な水分補給と紫外線対策を怠らなければ、これほどプレーしていて心地よい月はありません。
コートを吹き抜ける風が少しずつ涼しくなり、ボールを打つ音が高く響く秋の空。皆さんも、万全の準備をして9月のコートへ飛び出してみてください。
次回の練習には、ぜひ一枚多めの着替えと、ほんの少しの「油断しない心」を持っていくことをお勧めします。


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