「ネパールでテニス?」と、意外に思う方も多いかもしれません。エベレスト街道のトレッキングやヒンドゥー教の寺院巡りが有名なこの国ですが、実はカトマンズ盆地を中心に、驚くほど熱量の高いテニスシーンが存在します。実際にラケットをバッグに詰め込み、標高1,400mの地でボールを打ってきた私の体験をもとに、現地のリアルなテニス事情をお届けします。
標高1,400mの洗礼。ボールが「消える」感覚
カトマンズのコートに立って最初に驚くのは、ボールの飛び方です。空気が薄いため空気抵抗が少なく、日本と同じ感覚でフルスイングすると、ボールは面白いようにバックアウトしていきます。この感覚を掴むまでは一苦労ですが、慣れてくると「自分、プロ並みのハードヒッターになったかも?」という錯覚さえ覚える爽快感があります。
ただ、乾燥した高地ではガットのテンション維持が難しいため、ルキシロン 4Gのような耐久性とテンション維持に優れたポリエステルガットを少し強めに張っておくのが正解だと痛感しました。
現地のメインは「赤土」。アンツーカーの深い味わい
ネパールの主要なコートは、そのほとんどがクレーコート、それも本格的なレッドクレーです。ダサラ・ランガサラ・スタジアム近くのコートを訪れると、オレンジ色の土が風に舞い、現地のプレーヤーたちが泥だらけになりながらボールを追う姿が見られます。
設備は決して最新ではありません。更衣室の鍵が壊れていたり、シャワーから冷たい水しか出なかったりすることもしばしば。しかし、そんな不便さを補って余りあるのが、現地の人々の温かさです。一人でコートの端で素振りをしていれば、「Next game, you?」とすぐに声がかかります。
遠征に必須のアイテムと準備
ネパールでのテニスは、準備が成否を分けます。まず、日差しが尋常ではありません。高地の紫外線から目を守るためにオークリー サングラスは必須。また、現地のボールはフェルトがすぐに剥げてしまうため、自分でお気に入りのダンロップ フォートを数缶持ち込むと、現地の上級者たちとの交流もさらにスムーズになります。
旅行者がプレーするためのガイド
短期滞在の旅行者であれば、ホテル内のコートを利用するのが最もスムーズです。「ホテル ヤク&イエティ」などの老舗ホテルには、手入れの行き届いたコートがあります。一方、現地の活気を感じたいなら「カトマンズ・ディストリクト・テニス協会(KDTA)」のコートへ足を運んでみてください。朝6時から、現地のビジネスマンや若手選手たちが熱心に打ち合っています。
まとめ:ラケット一本で広がるネパールの素顔
観光地を巡るだけでは見えてこない、ネパールの「日常の情熱」がテニスコートにはあります。プレーが終わった後、コート脇の茶屋で現地のプレーヤーと飲むミルクティー(チヤ)の味は、どんな高級レストランのディナーよりも記憶に残るはずです。
もしあなたがテニス愛好家なら、次のネパール旅行には必ずラケットを忍ばせてください。ヒマラヤの風を感じながら打つ一本のストレートは、あなたのテニス人生において最も特別な一打になるでしょう。


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