「あ、また抜けた……」
テニスをしていれば、誰もが一度は経験するあの感覚。しっかり振り抜いたはずなのに、ボールがラケットの上をツルンと滑って、力なくベースラインを大きく越えていく。あるいは、渾身のショットがただの「棒球」になってアウトする。
この「ボールが抜ける」という現象は、特に脱・初心者を目指す中級プレイヤーにとって最大の壁と言っても過言ではありません。今回は、私が実際に「抜け」の地獄から抜け出した経験を交えながら、その正体と対策を徹底的に解説します。
1. テニスにおける「ボールが抜ける」の正体とは?
そもそも「抜ける」とはどういう状態を指すのでしょうか。
物理的に言えば、**「ボールに十分な順回転(トップスピン)がかからず、推進力だけが勝ってコートに沈まない状態」**です。
私の体験談をお話ししましょう。ある日の試合、緊張した場面でフォアハンドを打った際、自分では「しっかり当てた」つもりでした。しかし、ラケット面にボールが乗っている感触が全くなく、まるで濡れた石鹸を触ったかのようにボールが上空へ飛んでいきました。これが「抜ける」感覚の正体です。打球感に手応えがなく、コントロールを完全に失った空虚な感覚……。これは本当に精神的にきます。
2. なぜ「抜ける」のか? 3つの主な原因とリアルな失敗談
① 打点が後ろすぎる(振り遅れ)
これが最も多い原因です。打点が体の後ろになると、ラケット面が自然と上を向いてしまいます。私は以前、早いテンポのストロークに対応しようと焦り、常に打点が食い込まれていました。結果、面が開いた状態で当たり、ボールが文字通り「抜けて」バックアウトを連発していました。
② 手首の緩みと「こね」
インパクトの瞬間に手首がグラつくと、面の角度が一定になりません。特にチャンスボールで「叩こう」と意識しすぎると、無意識に手首で操作しようとして面が寝てしまい、スッポ抜けることが多かったです。
③ ギアのミスマッチ(ガットのヘタリ)
実は、技術以前の問題として「道具」が原因のこともあります。例えば、ルキシロン アルパワーのような高性能なポリエステルガットも、1ヶ月以上使い込めば「ヘタリ」が生じます。ガットの復元力(スナップバック)が失われると、ボールを噛む力が弱まり、スイングスピードを上げてもスピンがかからず「抜ける」ようになります。
3. 「抜け」を卒業し、コートに沈めるための具体的な練習法
私が実際に取り組んで効果があった改善ステップを紹介します。
ステップ1:打点を「前」に固定する意識
まずは打点を前に置くことだけを意識します。これだけで面が上を向くのを防げます。おすすめの練習アイテムはテニス練習機 テニスガイド2です。これを使うと、正しい打点の位置を体で覚えることができます。
ステップ2:厚い当たりからの振り抜き
「抜ける」のを怖がって撫でるようなスイング(擦りすぎ)になると、余計にボールは安定しません。ラケットの芯でボールを潰す「厚い当たり」を意識し、そこから斜め上に振り抜く。いわゆる「ワイパースイング」の習得です。
ステップ3:スピン性能の高いギアを試す
技術改善と並行して、道具の力を借りるのも手です。バボラ ピュアアエロのような、勝手にスピンがかかる設計のラケットや、バボラ RPMブラストといった引っ掛かりの強いガットに変更することで、安心感が劇的に変わります。
4. まとめ:抜けるのは「パワーが伝わっている」証拠
最後に伝えたいのは、「ボールが抜ける」のは決して悪いことばかりではない、ということです。それはあなたが、ボールを飛ばすための十分なスイングスピードを持っている証拠だからです。
大切なのは、そのパワーをどうやって「回転」に変換するか。打点を前にし、ガットの状態を常にヨネックス ポリツアープロなどの新しい状態に保つだけで、あのアウト連発が嘘のように、面白いほどコートに収まるようになります。
「抜ける」感覚を「噛む」感覚へ。今日からの練習で、ぜひ自分の打点と面の向きを見つめ直してみてください。


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