「練習ではあんなに上手く打てるのに、なぜ試合になると体が動かなくなるんだろう」。そんな悔しさを、私は数えきれないほど味わってきました。テニスは「精神のスポーツ」と言われます。技術が同じレベルなら、最後に勝敗を分けるのは間違いなくメンタルの差です。
この記事では、私が実際に試行錯誤してたどり着いた、試合中に「ビビらない」ための具体的なメンタルトレーニングと実践テクニックをご紹介します。
1. なぜ「本番に弱い」のか?正体は脳の防衛本能だった
試合になると腕が縮こまり、足が動かなくなる「硬直状態」。これは、ミスを恐れるあまり脳が過剰なストレスを感じ、体が防衛反応を起こしている状態です。
私も以前は、ブレークポイントを迎えると心拍数が上がりすぎて、ラケットの重さが普段の倍に感じられるほどでした。そこで気づいたのは、「緊張を消そうとする」こと自体が逆効果だということです。緊張は消すものではなく、正しく制御して味方につけるものなのです。
2. 試合前夜から始める!心の準備ルーティン
メンタルトレーニングはコートに入る前から始まっています。私がもっとも効果を感じたのは「最悪のシナリオ」を受け入れる作業です。
- ビジュアライゼーションの質を変える:単に自分がエースを奪う姿を想像するのではなく、「ダブルフォールトをした直後」「相手のラッキーなネットインでポイントを失った時」に、自分がどう冷静に深呼吸をするかまで具体的にイメージします。
- 五感を整える:試合前日は、お気に入りの入浴剤を入れたお風呂でリラックスし、睡眠の質を高めるためにアイマスクを使用するのが私の定番です。
3. ポイント間に実行する「20秒の儀式」
試合中に心が乱れるのは、終わったポイントへの「後悔」か、まだ見ぬ結末への「不安」のどちらかです。これを断ち切るために、プロも実践する「ポイント間ルーティン」を取り入れましょう。
- 物理的にリセットする:ポイントが終わったら、一度相手に背を向けます。そして、ラケットのガットを整えながら視線を一点に集中させます。
- 呼吸で心拍数をコントロール:鼻から4秒吸って、口から8秒かけて吐き出します。この「吐く時間を長くする」動作が、副交感神経を優位にし、筋肉の緊張を解いてくれます。
- プレショットルーティン:サーブを打つ前に、必ず決まった回数(私は3回)ボールを突きます。この「いつもの動作」が、練習と同じ感覚を脳に呼び起こしてくれます。
4. メンタルを支える「道具」への信頼
精神的な安定は、自分が信頼できる道具を使っているという安心感からも生まれます。
私は試合中の汗でグリップが滑る不安を解消するために、テニス グリップテープは常に新品を巻くようにしています。また、足元の踏ん張りが効かないと心理的な焦りに繋がるため、テニスシューズのフィット感には人一倍こだわっています。こうした小さな「不安要素の排除」が、土壇場での自信を支えてくれます。
5. 私が体験した「負けパターン」からの脱却
ある大会の準決勝、私はリードしていながら「あと1ゲームで勝てる」と思った瞬間にミスを連発し、逆転負けを喫しました。
この時学んだのは、「スコアを見ない」ことの大切さです。次の1ポイントをどう取るか、そのプロセスだけに集中する。これを徹底するようになってから、格上の相手に対しても最後まで粘り強く戦えるようになりました。
6. まとめ:メンタルは「筋トレ」と同じで鍛えられる
テニスのメンタルトレーニングは、魔法のような即効薬ではありません。しかし、日々の練習から自分の感情の動きを観察し、ルーティンを繰り返すことで、確実に「崩れない自分」を作ることができます。
まずは次の練習試合で、ミスをした後に「ラケットのガットを整えて深呼吸する」ことから始めてみてください。その一歩が、あなたのテニスを劇的に変えるはずです。


コメント