「ラケットを振っていると手が疲れる」「ボレーの時にラケットが面ブレする」……。もしあなたがそんな悩みを感じているなら、それは技術のせいではなく、単にグリップの「太さ」が合っていないだけかもしれません。
実は、ラケットのスペック選びで重量やバランスと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのがグリップサイズです。この記事では、数多くのラケットを試してきた経験と、多くのプレーヤーのフィラメントを見てきた視点から、後悔しないグリップの選び方を徹底解説します。
1. グリップの太さがプレーに与える「想像以上の影響」
グリップの太さを変えることは、車のハンドル径を変えるようなものです。わずか数ミリの差が、コート上では全く異なる感覚を生み出します。
細めのグリップ(G1・G2など)の感覚
細いグリップの最大のメリットは「操作性」です。手首の自由度が上がるため、リストを効かせた鋭いサーブや、ネット際での繊細なタッチが驚くほど楽になります。
私自身の体験では、バドミントンに近い感覚でラケットを扱えるため、ダブルスの前衛でクイックな動きを求められる際に非常に重宝しました。しかし、相手の強打をブロックする際、握力が足りないとラケットが手の中でクルッと回ってしまう「面ブレ」が起きやすいという弱点もあります。
太めのグリップ(G3・G4など)の感覚
一方で太いグリップは「安定感」の塊です。手のひら全体で面を支えている感覚が強まり、ストロークでボールをしばきに行く時の安心感は格別です。
握り込む力が分散されるため、実は「テニス肘」などの怪我に悩んでいる方にもおすすめです。私も一度、グリップを太くしただけで、それまで悩まされていた手首の疲労感が嘘のように消えた経験があります。ただ、手首を固定しやすくなる反面、スピンをかけるための「しなり」が使いにくく感じることもあります。
2. 【実践】自分にぴったりのサイズを見極める「指一本の法則」
ネットの情報だけでは判断しにくいグリップサイズですが、最も確実なセルフチェック法があります。
ラケットを普通に握った際、**「薬指の先と手のひらの間に、反対の手の人差し指がちょうど1本入る隙間」**があるかどうかを確認してください。
- 指が入らない・重なる: 細すぎます。
- 指がスカスカで余裕がある: 太すぎます。
もし迷った場合は、迷わず**「細め」**を選んでください。なぜなら、グリップは後から太くすることは簡単ですが、細く削ることはほぼ不可能だからです。
3. 理想の握り心地を作るカスタマイズ術
「今のラケット、どうしてもグリップが細く感じる」という場合は、買い替える前にカスタマイズを試しましょう。プロの現場でも、選手たちはミリ単位で調整しています。
オーバーグリップテープで微調整
最も手軽なのが、ヨネックス ウェットスーパーグリップのようなオーバーグリップテープを巻くことです。これを2枚重ねて巻くだけで、グリップサイズを約0.5段階上げることができます。
また、吸汗性を重視するならウィルソン プロオーバーグリップなども定番の選択肢です。
リプレイスメントグリップ(元グリップ)の交換
根本から感覚を変えたいなら、元から巻いてあるプリンス リプレイスメントグリップを厚手のもの、あるいはレザー製に交換するのも一つの手です。レザー製にすると角がはっきり立ち、面の向きを指先で感知しやすくなるという「通」好みの変化も楽しめます。
4. まとめ:握った瞬間の「違和感」を大切に
ラケットのグリップは、あなたと道具を繋ぐ唯一の接点です。スペック表の数字以上に、あなたの「手がどう感じているか」という直感は正しいものです。
まずは、今の自分のグリップを握り直してみてください。指一本分の隙間はありますか? 打球時にラケットが暴れていませんか?
もし違和感があるなら、まずはグリップテープを新調して厚みを調整することから始めてみてください。その数ミリのこだわりが、あなたのテニス人生を大きく変えるかもしれません。
次にラケットを新調する際は、ぜひショップで異なるサイズを握り比べ、自分だけの「シンデレラフィット」を見つけてください。


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