「ガットが切れていないのに張り替えるのはもったいない」。テニスを始めたばかりの頃の私は、本気でそう信じていました。しかし、ある日コーチに無理やり張り替えを勧められ、しぶしぶ応じたその直後、自分の無知を恥じることになったのです。
「ラケットのガット張り替え」は、単なるメンテナンスではありません。あなたのプレーの質、そして何よりテニスの楽しさを左右する最大の鍵です。今回は、私が「切れるまで使う派」を卒業して気づいた、張り替えの真実と劇的な変化を、実体験ベースで赤裸々にお伝えします。
1. ガットの「賞味期限」は3ヶ月? 放置して絶望した私の話
半年前、私はお気に入りのヨネックス ポリツアープロを張ったまま、週2回の練習に励んでいました。見た目はどこも切れていないし、表面の摩耗も少ない。「まだいける」と確信していました。
しかし、なぜか最近ショットが浅くなる。フルスイングしているのにボールに力が伝わらず、無理に飛ばそうとして手首を痛める始末。そこで意を決してショップへ向かいました。
緩んだガットは「死んだゴム」と同じ
店員さんにラケットを渡すと、開口一番「これ、テンションが死んでますね」と一蹴されました。
ガットは張った瞬間から、目に見えないスピードで伸び続けます。これを「テンションロス」と呼びますが、3ヶ月も経てば新品時の反発力は失われ、ただの「硬い糸」と化します。指でガットを動かしたとき、元の位置に「キシキシ」と戻らなくなったら、それはガットが悲鳴を上げているサインです。
2. 張り替え後に実感した「3つの劇的な変化」
新しいバボラ エクセルに張り替え、コートに立った瞬間、世界が変わりました。
① 「よいしょ!」が「パコーン!」へ
以前はボールを飛ばすために「よいしょ!」と全身で踏ん張っていましたが、張り替え後はラケットを振るだけでボールが面白いように深くまで飛んでいきます。ガット本来の復元力が、私の非力なスイングを助けてくれたのです。
② 狙った場所に吸い込まれる感覚
古いガットのときは、当たった瞬間に「ボヨーン」という不快な振動が残り、どこへ飛ぶか予測不能でした。新品は打球感がクリア。手のひらでボールを転がしているような感覚で、サイドライン際を強気に攻められるようになりました。
③ 翌日の疲れが半分になった
驚いたのは、練習後の体の疲労感です。反発力が戻ったことで無理な力みが消え、腕への衝撃も激減しました。テクニファイバー エックスワン バイフェイズのようなソフトなガットに変えた時は、まるで雲の上でボールを打っているような柔らかさに感動したのを覚えています。
3. どこで張り替える? 失敗から学んだショップ選び
最初は「安ければいい」と、近所の大型量販店に預けました。しかし、戻ってきたラケットは指定したポンド数よりも明らかに緩く、結び目も少し雑な印象。
そこから私は、テニス専門のプロショップに通うようになりました。
プロのストリンガー(張る人)は、私のプレースタイルを聞いた上で、「もう少し横糸を緩くしてスピンをかけやすくしましょうか?」といった提案までしてくれます。即日仕上げをお願いした際は、ラケットを預けてテニスシューズを眺めている間に、魔法のように新品同様の仕上がりで戻ってきました。
4. 失敗談:試合前日の張り替えは「毒」になる
一度、気合を入れすぎて試合前日の夜に張り替えたことがあります。
これが大失敗。新品のガットは反発が強すぎて、いつもの感覚で打つとすべてアウト。結局、試合中にパニックになり、散々な結果に終わりました。
ガットには「馴染む期間」が必要です。張り替えてから最低2〜3日は練習で打ち込み、自分の感覚とガットの反発を同期させるのが鉄則だと痛感しました。
5. まとめ:上達への近道は「腕」より「ガット」
「まだ上手くないから、ガットなんて何でもいい」
そう思っている方にこそ、伝えたい。道具の状態が悪いと、どれだけ練習しても正しい感覚が身につきません。
もしあなたが、
- 最近、ボールが飛ばないと感じる
- ミスショットの原因が自分でも分からない
- 練習後に肘や肩が重いと感じているなら、今すぐお近くのショップへ駆け込んでください。
ゴーセン ミクロスーパーのような定番ガットでも構いません。新しい糸が刻む「パコーン!」という快音を聞いたとき、あなたのテニスライフは間違いなく一段上のステージへ進むはずです。


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