「ラケットを買ったときについてきたガットを、そのまま何年も使い続けていませんか?」
テニスやバドミントンを始めたばかりの頃、私はガットなんてどれも同じだと思っていました。しかし、ある時ショップの店員さんに勧められてガットを張り替えた瞬間、打球感のあまりの違いに衝撃を受けたのを今でも鮮明に覚えています。
ラケットガットは、プレイヤーとボールが接触する唯一の接点です。いわば車のタイヤのようなもので、どんなに高性能な車(ラケット)を持っていても、タイヤがボロボロでは本来の性能を1ミリも引き出せません。
この記事では、私が数々の失敗を経て学んだガットの基礎知識と、自分のプレースタイルを劇的に変える選び方のコツを、リアルな体験談を交えて解説します。
ラケットガットとは?「打感」を支配する第2の主役
ガット(ストリング)は、ラケットのフレームに網目状に張られた紐のことです。かつては羊などの家畜の腸(Gut)を使っていたため今でも「ガット」と呼ばれますが、現在はナイロンやポリエステルといった化学繊維が主流です。
初心者の頃の私は、「ガットは切れるまで使うもの」と信じ込んでいました。しかし、これこそが上達を妨げる最大の罠です。ガットは張った瞬間から劣化が始まり、たとえ使っていなくても弾力は失われていきます。
【種類別】素材による驚くべき打球感の違い
ガット選びで最も重要なのが「素材」です。代表的な3種類の特徴を、私の使用感とともに紹介します。
1. ナイロンガット:すべての基準となる優等生
最も一般的で、肘への負担が少ないのが特徴です。
- 体験談: 最初に使ったのがゴーセン(GOSEN) ミクロスーパーでした。柔らかい打球感でボールがしっかり飛んでくれるため、筋力に自信がない時期でも楽にプレーできました。
2. ポリエステルガット:競技者が好む「制御」の武器
耐久性が高く、自分からガシガシ振っていきたい人向けです。
- 失敗談: 初心者なのにカッコつけてルキシロン(LUXILON) アルパワーを張ったことがあります。結果、ガットが硬すぎてボールが全く飛ばず、無理に飛ばそうとして手首を痛めてしまいました。
3. ナチュラルガット:至高のホールド感
牛の腸を使用した最高級品です。
- 体験談: バボラ(Babolat) タッチトニックを一度使うと、その吸い付くような打球感に驚きます。値段は高いですが、怪我の防止やタッチの繊細さを求めるなら右に出るものはありません。
失敗しないための「選び方」3つの重要指標
ガットを選ぶ際、素材以外にチェックすべきは「太さ(ゲージ)」と「張りの強さ(テンション)」です。
ゲージ(太さ)で決まる弾きと耐久性
- 細い(1.20mm前後): 弾きが良く、軽い力で飛びます。ただし切れやすいです。
- 太い(1.30mm前後): 耐久性が高く、打ち応えがあります。
私は現在、操作性とスピードのバランスを考えてヨネックス(YONEX) ポリツアープロの1.25mmを愛用しています。
テンション(強さ)の落とし穴
多くの人が「強く張ったほうが飛ぶ」と勘違いしがちですが、実は逆です。
- 低テンション(緩め): ガットがたわむので、トランポリンのようにボールを飛ばしてくれます。
- 高テンション(硬め): 飛びは抑えられますが、面が安定してコントロールしやすくなります。
「今日はなんだかボールが飛ばないな」と感じる日は、体調のせいではなく、ガットのテンションが落ちて緩くなりすぎているか、逆に硬すぎるガットを使っている可能性が高いです。
ガットの替え時はいつ?「切れるまで待つ」のは卒業
「ガットを3ヶ月以上張り替えていない」という方は、今すぐショップへ行くことをおすすめします。
私が以前、半年間張り替えずに放置したテクニファイバー(Tecnifibre) エックスワン バイフェイズを使い続けていたとき、突然ショットがホームラン(アウト)ばかりになりました。ガットの復元力がなくなり、ボールを掴む感覚が消えていたのです。
チェックポイント:
- ガットの表面に深い溝(ノッチ)ができている
- 打球音が「パコッ」と鈍い音に変わった
- 張ってから3ヶ月が経過した
これらに当てはまるなら、それは替え時です。
まとめ
ラケットガットは、あなたのプレーを助けてくれる相棒です。
まずは基本のヨネックス(YONEX) エアロンスーパー850のようなナイロンガットから始め、自分の「もっとこうしたい(飛ばしたい、スピンをかけたい)」という欲求に合わせて調整していきましょう。
ガットを新しくした直後の、あの澄んだ打球音。それだけで、次の練習が待ち遠しくなるはずです。


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