「そろそろ初心者用ラケットを卒業したい」「もっと威力の出る一本に買い替えたい」と考えたとき、真っ先に候補に上がるのがバタフライ(タマス)のラケットではないでしょうか。世界中のトップランナーが愛用するその品質は折り紙付きですが、いざカタログを開くと、アリレートカーボンだのスーパーZLCだの、専門用語が並んでいて「結局どれが自分に合うの?」と迷ってしまう方も少なくありません。
今回は、学生時代から数々のラケットを使い倒してきた私が、実際にバタフライのラケットを握って感じた「打球感のリアル」や「ラバーとの相性」を徹底的に解説します。カタログスペックだけでは分からない、現場の熱量を感じる選び方をお伝えします。
なぜ、バタフライのラケットは「一生モノ」と言われるのか
卓球場に行けば、必ずと言っていいほど目にするバタフライのロゴ。なぜここまで支持されるのか、その理由は独自の特殊素材にあります。
特にアリレート カーボン(ALC)は、卓球界の歴史を変えたと言っても過言ではありません。カーボン特有の弾みがありながら、手に伝わる振動が心地よく、ボールを「掴んでから放す」感覚が非常に優れています。私も初めてALCを手にした時、ブロックの安定感と強打の伸びのバランスに驚愕し、それから10年以上離れられなくなった一人です。
【体験レビュー】実際に使って分かった、人気モデルの「真の性格」
1. 黄金バランスの完成形「ビスカリア」
世界中の選手が手本にするビスカリアは、まさに非の打ち所がない一本です。
実際に打ってみて感じるのは、中陣から引き合いをした時の「粘り」です。自分のスイングがそのままボールの回転に変換されるようなダイレクトな感覚。一方で、台上処理などの繊細なタッチも死なない。多くのトップ選手が「迷ったらこれ」と口を揃える理由が、一度振ればすぐに理解できます。
2. 破壊力を追求するなら「樊振東 SUPER ZLC」
とにかくスピードで相手を圧倒したいなら、樊振東 SUPER ZLCを置いて他にありません。
従来のZLCよりもさらにスイートスポットが広く、多少打点が遅れても「勝手に返ってくれる」感覚があります。初めてこのラケットでドライブを打った時、相手のコートに突き刺さるような弾道を見て「道具でここまで変わるのか」と苦笑いしたほどです。ただし、飛びすぎるのでコントロールにはそれなりの技術が必要です。
3. 木材の打球感にこだわるなら「コルベル」
特殊素材が全盛の今だからこそ、コルベルのような純木材5枚合板の価値が光ります。
「ボールを打っている!」という感覚が最も手に伝わるのがこのラケット。自分の力加減がダイレクトに反映されるため、回転をかける感覚を養いたい初心者から、安定感を重視するベテランまで幅広く愛されています。私も基礎練習に戻る時は、今でも必ずこのラケットを手に取ります。
4. インナーの安心感「インナーフォース レイヤー ALC」
「カーボンは欲しいけれど、木材の柔らかさも捨てがたい」というワガママに応えてくれるのが、インナーフォース レイヤー ALCです。
木材の層の内側にカーボンを配置しているため、軽打では木材のように扱いやすく、強打した時だけカーボンの爆発力が出ます。チャンスボールでフルスイングした時の「グッ」と掴んでから飛んでいく感覚は、病みつきになる快感です。
失敗しないラケット選びの「裏ルール」
カタログの「スピード」「コントロール」の数値だけを見て選ぶと、手元に届いた時に「重すぎる」「硬すぎる」といった失敗に繋がります。
- グリップの握り心地を妥協しない: 私は手が小さいので、バタフライのフレア(FL)グリップを好みます。一方で、面を固定して安定させたいならストレート(ST)が向いています。この数ミリの差が、試合終盤の1点を左右します。
- ラバーとの「合計重量」を計算する: ラケット単体で85〜90gが標準ですが、ここにディグニクス05のような高性能ラバーを2枚貼ると、一気に重くなります。自分の振り切れる限界の重さを知ることが、上達への近道です。
まとめ:あなたの相棒になる一本は?
バタフライのラケットは、単なる道具ではなく、あなたの技術を拡張してくれる「相棒」です。
最初の一歩ならコルベルで感覚を磨き、攻撃に磨きをかけたいならインナーフォース レイヤー ALCやビスカリアへとステップアップしていく。このプロセスこそが卓球の醍醐味でもあります。
ぜひ、今回ご紹介した体験談を参考に、ショップで実際に握ってみてください。その瞬間に感じる「これだ!」という直感は、意外と裏切りません。最高の道具と共に、次の練習へ向かいましょう。


コメント