「もう3年もテニススクールに通っているのに、ずっと初級クラスのまま。後から入ってきた若者にどんどん抜かされていく……」。そんな焦燥感に、私自身も長く苦しんできました。毎週欠かさずレッスンを受け、テニス雑誌を読み漁っても、一向に上達の実感が湧かない。この「万年初級」の壁は、実は根性論や筋力不足ではなく、もっと別の場所に原因があります。
私が実際に「ずっと初級」を脱出した経験をもとに、技術よりも大切な「壁の越え方」を紐解きます。
なぜ練習しているのに「ずっと初級」なのか?私の失敗談
かつての私は、とにかく「綺麗なフォーム」で「速い球」を打つことばかり考えていました。スクールの球出し練習ではコーチに褒められるのに、いざゲーム形式になるとボロボロ。ミスをするたびに「今のは手首の角度が悪かった」「もっと膝を曲げなきゃ」と、自分のフォームばかりを気にしていました。
しかし、ある時コーチから言われた一言で目が覚めました。
「君はボールを打つ練習はしているけど、テニスをする準備ができていないね」
初級を抜けられない人の多くは、インパクトの瞬間(技術)に執着しすぎて、そこに至るまでのプロセス(準備)を疎かにしています。
「ずっと初級」を脱出するための5つのステップ
1. 「準備の速さ」がすべてを決める
初級者と中級者の決定的な差は、技術ではなく「判断の速さ」です。相手がボールを打った瞬間に、テニスシューズで一歩目を踏み出し、体を横に向ける。この「ユニットターン」を徹底するだけで、振り遅れは激減します。私は練習中、常に「相手のラケットに当たったらすぐ動く!」と心の中で叫ぶようにしてから、打点に余裕が生まれました。
2. 「確率のテニス」に切り替える
初級者はネットギリギリの鋭いショットに憧れますが、それは「ギャンブル」です。中級以上に上がる人は、ネットの上1メートルを平気で通します。ミスをしない。これだけで、相手は勝手に自滅してくれます。派手なエースを狙うのをやめ、テニスボールを相手のコートの真ん中に深く返すことだけに集中した結果、試合で勝てるようになりました。
3. 動画を撮って「理想と現実」の絶望を知る
自分のフォームを動画で見たことはありますか? 私は初めて自分の動画を見たとき、あまりの格好悪さに絶望しました。「プロのように打っているつもり」が、実際は足が止まり、窮屈そうにラケットを振っていたのです。今はスマートフォン 三脚があればどこでも自撮りができます。自分の動きを客観視することは、100時間の練習に匹敵する価値があります。
4. 道具に頼りすぎず、適正を知る
「もっと飛ぶラケットなら上手くなるかも」とテニスラケットを頻繁に買い替えるのは逆効果でした。むしろ、今の自分のレベルに合ったガットの種類やテンションをプロに相談する方が重要です。道具を変えるのではなく、道具と自分の対話(コントロール感)を深めることが、中級への近道です。
5. 「初級の居心地の良さ」を捨てる
正直に言うと、初級クラスは楽しいです。メンバーも固定され、和気あいあいと練習できる。しかし、上達したいならその「ぬるま湯」から出る勇気が必要です。少しレベルの高いオフ会に参加したり、格上の相手とテニス 練習器具を使って自主練したりと、自分に負荷をかける環境をあえて作りましょう。
まとめ:テニスは「気づき」一つで変わる
「ずっと初級」で停滞している時間は無駄ではありません。その悩みは、あなたが真剣にテニスと向き合っている証拠です。
フォームという「型」に縛られるのをやめ、ボールとの距離感や準備の速さといった「本質」に目を向けたとき、視界は一気に開けます。次にコートに立つときは、テニスバッグを肩にかけながら「今日は一歩目を速くする」という一点だけに集中してみてください。その小さな一歩が、あなたを中級の世界へと連れて行ってくれるはずです。


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