テニスのダブルスにおいて「相性」は、時に個々の技術力以上のパワーを発揮します。どれだけシングルスが強い選手同士が組んでも、歯車が噛み合わなければ格下のペアに足元をすくわれるのがダブルスの怖さであり、面白さです。「なぜかあの人と組むと勝てない」「技術はあるはずなのにギクシャクする」……そんな悩みを抱えるプレイヤーのために、本物の「相性」の正体と、最強のペアへ進化するための秘訣を、数々の試合経験から得たリアルな視点で解説します。
ダブルスにおける「相性」の正体とは?
検索窓に「テニス ペア 相性」と打ち込む方の多くは、現在のペアリングに違和感を持っているか、もっと勝てるパートナーを探しているはずです。相性とは単なる「仲の良さ」ではありません。戦略的な「噛み合わせ」です。
プレイスタイルの補完関係
最も分かりやすい相性は、戦型の補完です。例えば、ベースラインから粘り強くつなぐ「シコラー」タイプと、隙あらばネットに詰める「ボレーヤー」タイプの組み合わせ。これは、一方がチャンスを作り、もう一方が仕留めるという明確な役割分担ができるため、非常に機能しやすいペアと言えます。
左利きと右利きの黄金コンビ
戦術的に最強と言われるのが、左利きと右利きのペアです。互いのフォアハンドをコート中央に配置できるため、センターへの攻撃に強く、相手にサーブの回転で揺さぶりをかけやすいという圧倒的なアドバンテージがあります。
現場で感じた「相性が悪い」ペアの共通点
ここからは、私が多くの試合を見て、あるいは自らコートに立って感じた「勝てないペア」のリアルな共通点を挙げます。
- 無言の時間が長すぎる:ポイント間に会話がないペアは、ミスが重なると一気に崩れます。
- 責任のなすりつけ合い:言葉に出さずとも「今のボレーは取れたはずだ」というオーラが出ると、相性は一瞬で死にます。
- 準備のテンポが違う:一方は早く構えたいのに、もう一方はタオルを拭いてゆっくりしたい。この数秒のズレが、試合全体の流れを悪くします。
最強のコンビになるための3つの秘訣
相性は「見つけるもの」ではなく、二人で「育てるもの」です。たとえ最初の一歩がギクシャクしていても、以下の3点を意識するだけで劇的に勝率は変わります。
1. 「3秒ルール」でポジティブな空気を作る
ポイントが終わったら、内容に関わらず3秒以内にパートナーと接触(グータッチや声掛け)をしましょう。たとえダブルフォールトをした後でもです。この小さな習慣が、孤独感を取り除き、ペアとしての連帯感を維持させます。
2. 徹底的な戦術の言語化
「センターに来たら任せる」「ワイドサーブの時はストレートをケアする」といった決め事を、試合前に一つでも多く共有してください。相性がいいと感じるペアは、この「暗黙の了解」を言語化によって作り上げています。
3. 道具による安心感の共有
ダブルスはスピード感が重要です。例えば、ボレーの反応を上げるためにテニスラケットのガットのテンションを話し合ったり、お揃いのテニスウェアで一体感を高めたりすることも、心理的な相性にポジティブな影響を与えます。また、日差しが強い日の試合では、互いにテニス サングラスの視認性を確認し合うなど、細かいケアが信頼に繋がります。
まとめ:最高のペアはコートの上で作られる
「相性が悪いから勝てない」と諦めるのは簡単です。しかし、ダブルスの醍醐味は、二人の個性が化学反応を起こし、1+1が3にも4にもなる瞬間にあります。
まずは次の練習で、パートナーの良いプレーを一つだけ具体的に褒めてみてください。その一言が、最強のペアリングへの第一歩になるはずです。もしビデオで自分たちの動きを客観的に見たいなら、GoProなどのアクションカメラで試合を撮影し、二人で反省会をするのも相性向上には非常に効果的ですよ。
最高のパートナーと共に、勝利の喜びを分かち合いましょう。


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