「もっと鋭いシュートボールを打ちたい」「でも上位モデルの7シリーズは硬すぎて扱いきれない」……そんな悩みを抱える中衛・後衛プレーヤーにとって、ボルトレイジ 5Sはまさに「ちょうどいい」を極めた一本だ。
今回は、数多くのラケットを使い込んできた筆者が、実際にコートで数ヶ月間ボルトレイジ 5Sを振り抜いたリアルな体験談をベースに、その真価を余すことなくお伝えする。
1. 握った瞬間に感じる「振り抜きの軽快さ」
初めてボルトレイジ 5Sを手にしたとき、まず驚いたのはその重心バランスの良さだ。後衛用(Sモデル)でありながら、ヘッドが重すぎて振り遅れるような感覚が一切ない。
実際に練習でストロークを打ってみると、テイクバックからフォロースルーまでが非常にスムーズだ。中学生や高校生の部活プレーヤー、あるいは仕事帰りに週1回プレーする社会人にとって、この「楽に振り切れる」という要素は、試合終盤の疲れた時間帯に大きな武器となる。
2. 実打レビュー:唸るような弾きとスピード感
ボルトレイジ 5Sの最大の特徴は、なんといっても「弾き」の速さだ。前作にあたるネクシーガ 50Sや、柔らかさを重視したジオブレイク 50Sと比較しても、ボールがラケット面に触れてから飛び出すまでのレスポンスが段違いに速い。
実際に打って感じた3つのポイント
- 弾き飛ばす爽快感:インパクトの瞬間、ボールが「パーン!」と高音を立てて弾け飛ぶ。ボレーヤーの横を突き抜けるパスを打った時の快感は、このシリーズならではのものだ。
- 「面安定性」の高さ:中級モデルにありがちな「打ち負け」が少ない。相手の速いサーブに対しても、面を合わせるだけでしっかりと深い位置まで押し返せる剛性を感じた。
- スイートスポットの広さ:少し芯を外したかな?と思った当たりでも、フレームのパワーが補ってくれる感覚がある。完璧なフォームでなくても「それなりのボール」にしてくれる懐の深さがある。
3. 唯一の懸念点:弾きすぎるがゆえの「飛びすぎ」
もちろん、良いことばかりではない。体験して分かったのは、このラケットは「自分でボールをコントロールする意識」がより重要になるという点だ。
何も考えずにフルスイングすると、その弾きの良さが災いしてベースラインを割ってしまう場面が何度かあった。これを解決するためには、後述するガット選びや、しっかりと回転をかけるスイングが求められる。
4. 迷ったらこれ!おすすめのストリング設定
ボルトレイジ 5Sの性能を120%引き出すために、筆者が試行錯誤してたどり着いたセッティングを紹介する。
- スピード&弾きを極めるなら:S-トレースを28ポンドで。とにかく速い球を打ちたい人向け。
- コントロールを安定させるなら:サイバーナチュラル シャープを26ポンドで。食いつきをプラスすることで、飛びすぎを抑え、狙い通りのコースへ打ち分けやすくなる。
筆者の個人的なベストは、サイバーナチュラル シャープを少し緩めの25ポンドで張ることだ。これにより、ラケット本来の弾きに「一瞬の球持ち」が加わり、シュートボールの精度が劇的に向上した。
5. まとめ:ボルトレイジ 5Sは「攻めたい中位プレーヤー」の相棒
ボルトレイジ 5Sは、決して上級者だけのものではない。むしろ、これからもっと上を目指したい中級者にこそ、この「弾きの魔法」を体感してほしい。
粘り強くつなぐテニスから、一撃で仕留める攻撃的なテニスへ。このラケットを握れば、あなたのストロークは間違いなく一段階上のスピードを手にするはずだ。
まずは一度、コートでその爽快な打球音を響かせてみてほしい。きっと、次の試合が待ち遠しくなるはずだ。


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