「ショップに持っていくのが面倒」「工賃がもったいない」――テニスやバドミントンを続けていると、誰もが一度は「ガットを自分で張れたらな」と考えますよね。私もその一人でした。最初は「素人にできるわけがない」と思っていましたが、勇気を出してホームストリンギングの世界に飛び込んでみた結果、今では自分の好みの打球感をミリ単位で調整できる快感にどっぷり浸かっています。
今回は、自力でのガット張り(ホームストリンギング)を検討しているあなたへ、私の失敗談を含めたリアルな体験談と、スムーズに始めるためのステップをお伝えします。
1. 自分でガットを張る最大の魅力と「現実」
まず、自力で張る一番のメリットは圧倒的な「自由」です。夜中に「明日試合なのにガットが伸びきっている!」と気づいても、その場でサッと張り替えられる安心感。そして、1回2,000円前後の工賃が浮く経済的メリットは計り知れません。
ただし、現実は甘くありません。初めて挑戦したとき、私は1本のラケットを張り終えるのに3時間以上かかりました。背中はバキバキになり、指先はガットとの摩擦でヒリヒリ。さらに、慣れないうちはフレームに無理な負荷をかけて「ラケットを折ってしまうかも」という恐怖とも戦うことになります。
2. 最初に揃えるべき三種の神器
「何を買えばいいかわからない」という状態が一番挫折しやすいポイントです。私が実際に使ってみて「これは必須だ」と感じた道具を紹介します。
ストリングマシン(ガット張り機)
これがなければ始まりません。私は最初、場所を取らない分銅式のストリングマシンを購入しました。電動式に比べれば時間はかかりますが、重力の力を利用するためテンションが正確で、初心者でも構造が理解しやすいのが特徴です。予算に余裕があるなら、クランプの精度が高いモデルを選ぶのが、後々のストレスを減らすコツです。
スターティングクランプ
これ、実はマシンに付属していないことが多いのですが、絶対に必要です。張り始めのガットを固定したり、長さが足りなくなった時の「継ぎ足し」に使ったりと、八面六臂の活躍を見せます。私はスターティングクランプをケチって安いものを使っていた時期がありましたが、滑ってガットを傷つけてしまった経験があります。ここだけは信頼できるメーカー品を選ぶべきです。
メンテナンスツール一式
古いガットを切るためのニッパーや、ガットの通り道を整える目打ち(アウル)も用意しましょう。特にニッパーは、断面を斜めに鋭く切れるものだと、グロメット(穴)にガットを通す作業が劇的に楽になります。
3. 【閲覧注意】私の苦い失敗体験談
これから始める方には同じ轍を踏んでほしくないので、私の恥ずかしい失敗を共有します。
- 「ガットの長さが足りない!」事件:ロールガットから切り出す際、ケチって短めにカットした結果、最後の1本がマシンまで届かないという地獄を見ました。あの絶望感は二度と味わいたくありません。初心者は「ラケットの縦の長さ×18本分」くらい、余裕を持ってカットすることをお勧めします。
- 「編み込みミス」という悲劇:横糸を上下交互に通していく際、一箇所だけ間違えて飛ばしてしまったことがあります。張り終えてから気づいた時の脱力感といったら…。確認のためにLEDヘッドライトで手元を明るく照らしながら作業するようになってから、このミスは激減しました。
4. 挫折せずに上達するための3つのコツ
- まずは「捨てる予定のラケット」で練習する:いきなりエースラケットで挑戦するのはリスクが高すぎます。中古ショップで安く手に入れた練習用ラケットで、構造を理解することから始めましょう。
- YouTube動画をスロー再生で完コピする:解説本を読むより、熟練の職人がどう指を動かしているかを見るのが一番の近道です。
- 「ポンド数」にこだわりすぎない:自分で張ると、お店の仕上がりとは必ず差が出ます。最初は数値よりも「最後まで通し間違いなく張り切ること」を目標にしましょう。
5. 結論:ホームストリンギングは最高の趣味になる
確かに初期投資としてテニスガット ロールなどを揃えるとお金はかかります。しかし、自分で張ったラケットでコートに立ち、思い通りの打球が飛んでいった時の感動は、お店任せでは絶対に味わえません。
「節約」から始まったガット張りが、いつのまにか「最高の打球感を追求する職人仕事」に変わっていく。そんな没頭できる時間を、あなたも体験してみませんか?


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