「300gのラケットは少し重いけれど、280gクラスだと打ち負けてしまう……」そんな絶妙な悩みを抱えるプレーヤーにとって、290gという重量はまさに「聖域」とも呼べるスペックです。テニス歴15年の私が、実際に300gから290gへスイッチして見えてきた景色、そして後悔しない選び方をリアルな体験談と共にお伝えします。
なぜ「290g」のラケットが選ばれるのか?
一般的に「黄金スペック」と呼ばれるのは300gのモデルですが、試合の後半、特に3セットマッチの終盤になると、その「わずか10g」が鉛のように重く感じることがあります。
290gのラケットが選ばれる最大の理由は、**「操作性と打ち負けない強度の両立」**にあります。特にジュニアから大人への移行期の学生や、ネットプレーでの素早い反応を求めるダブルスプレーヤー、そして腕の疲労を抑えたい女性中上級者にとって、この10gの軽量化は魔法のような変化をもたらします。
【体験談】290gのラケットを使ってみてわかった「本音」
私自身、長年バボラ ピュアドライブの300gモデルを愛用してきましたが、年齢と共にサーブの振り抜きが鈍くなるのを感じ、思い切って290g(チームモデル)に落としました。
正直な感想を言えば、**「もっと早く変えればよかった」**の一言に尽きます。まず、ボレーの反応速度が劇的に上がりました。正面に来た強打に対して、パッと面を作るスピードが一段階速くなる感覚です。また、サーブのヘッドスピードが上がるため、結果的に300gを使っていた時よりも球威が増し、肩への負担も軽減されました。
ただし、注意点もあります。相手が凄まじいハードヒッターの場合、290gだと面の安定性がわずかに欠け、手元に微振動が伝わりやすい感覚がありました。これはストリングの種類やテンションで調整可能ですが、パワーだけで押し切るスタイルの方には少し物足りないかもしれません。
290gラケット選びの3つのチェックポイント
失敗しないために、スペック表の重量以外に以下の3点に注目してください。
- バランスポイント(重心): 325mm〜330mm程度の「ややトップヘビー」を選ぶのがコツです。重心が少し先にあることで、軽くても遠心力が働き、打ち負けないパワーを生み出せます。
- フレーム厚: パワーを補いたいなら24mm以上の厚みがあるモデル、コントロールを重視し自分の力で振りたいなら22mm前後の薄いモデルが適しています。
- ストリング設定: 軽量化によって打球感が硬く感じることがあるため、最初は普段より1〜2ポンド下げて張るか、柔らかいマルチフィラメントのガットを試すのがおすすめです。
【2026年最新】290g前後のおすすめテニスラケット5選
数多くの試打を経て、今選ぶべき290g前後の名機を厳選しました。
- バボラ ピュアドライブ チーム290gクラスの王道。圧倒的なパワーアシストがあり、初心者から上級者まで満足できる「飛ばす力」を持っています。
- ヨネックス EZONE 100L打球感の柔らかさがピカイチ。285g設定ですが、独自の形状により打ち負けにくく、肘や手首に不安がある方にも最適です。
- ウィルソン ULTRA 100L「ボレーが最強」と謳われる通り、面の安定感が抜群です。ネットプレー主体のダブルスプレーヤーに強く推奨します。
- ヘッド BOOM MP L270gと290gの中間層を狙った独創的なモデル。しなりを感じつつも爆発的なパワーが出せる、現代的なラケットです。
- ダンロップ FX500 LSスピン性能に拘るならこれ。振り抜きが良く、軌道の高いエグいスピンボールを安定して打ち込みたいプレーヤー向けです。
10gの差を埋める「カスタマイズ」の可能性
もし290gのラケットを買って「少し軽すぎる」と感じても、絶望する必要はありません。リードテープ(鉛のテープ)をフレームの3時と9時の位置に数グラム貼るだけで、安定感は劇的に向上します。この「後から調整できる余白」があるのも、290gというスペックの隠れたメリットと言えるでしょう。
まとめ:290gは「賢い選択」
「重いラケットを使っている方がかっこいい」という見栄を捨て、自分のスイングスピードを最大限に引き出せる重量を選ぶこと。それがテニスの上達、そして何より怪我を防いで長く楽しむための秘訣です。290gのラケットは、あなたのテニスをより自由で、より攻撃的なものに変えてくれるはずです。


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