テニスの試合で「ここ一番のコントロールが定まらない」「アウトが怖くて振り切れない」と悩んだことはありませんか?実は、ラケットの面安定性や打球感を大きく左右するのが、縦糸と横糸の本数を示す「ストリングパターン」です。
一般的には「16×19」が標準、プロ仕様なら「18×20」というイメージが強いですが、今、感度の高いプレーヤーの間で熱い視線を浴びているのが、その中間をいく**「18×19」**という絶妙なスペックです。
今回は、数多くのラケットを使い込んできた筆者の実体験をもとに、18×19のリアルな使用感と、なぜこのパターンが「究極のバランス」と称されるのかを深掘りします。
テニスラケットの「18×19」パターンとは?
ストリングパターンにおける「18×19」は、縦糸が18本、横糸が19本で構成されています。
テニス界で最も普及している16×19(オープンパターン)よりも目が細かく、一方で超ハードスペックとされる18×20(クローズドパターン)よりも、横糸を1本減らすことでわずかに「たわみ」を持たせています。
いわば、「現代のスピードテニスに不可欠なスピン性能」と「伝統的な面安定性」を両立させるために生まれたハイブリッドな設定なのです。
【体験談】18×19を使ってみて感じた「打球感」のリアル
私自身、長年16×19のラケットを愛用してきましたが、18×19のHEAD Prestige MPを初めて手にした時の衝撃は今でも覚えています。
1. 「ボールを潰す」感覚がダイレクトに伝わる
16×19ではガットが大きく動いてボールを飛ばしてくれる感覚がありますが、18×19はもっと「面全体でボールを受け止める」感触が強いです。インパクトの瞬間にボールが一度グシャッと潰れ、自分の意思で押し出していく感覚。フラットドライブを打った時の「バチッ!」という乾いた音と手応えは、一度味わうと病みつきになります。
2. 「狙ったところにしか飛ばない」安心感
ダブルスの並行陣で、相手の足元に沈めたい時や、厳しいコースを突かれた際のカウンター。16×19だと稀に「意図せず飛びすぎてしまう」ことがありましたが、18×19に変えてからはそのミスが激減しました。自分のスイング強度がそのまま飛距離に反映されるため、ライン際を攻める勇気が持てるようになります。
3. スピンは「かける」ものではなく「かかる」もの
「目が細かいとスピンがかからないのでは?」という懸念もありましたが、実際は逆でした。目が細かい分、ボールとの接触面積が増えるのか、しっかり振り抜いた時にシュルシュルと鋭い回転がかかります。跳ね上がるようなエッグボールというよりは、コートの奥で急激に失速して落ちる、攻撃的な低弾道スピンが打ちやすい印象です。
18×19パターンのメリット・デメリット
実際にコートで使い倒して分かった、メリットとデメリットを整理します。
メリット
- 圧倒的なコントロール性能: 軌道のブレが少なく、ミリ単位の調整が効く感覚があります。
- ガットが長持ちする: 糸の密度が高いため、摩擦によるノッチ(溝)ができにくく、16×19に比べて明らかにガットの寿命が延びました。
- ボレーの面安定性: 相手の強打に対しても面が負けず、ブロックボレーが非常に安定します。
デメリット
- パワーアシストは控えめ: ラケットが勝手に飛ばしてくれる感覚は少ないため、足を使ってしっかり踏み込み、自力でパワーを出す必要があります。
- スイートスポットがややシビア: 芯を外した時の「飛ばなさ」は16×19よりも顕著です。中級者以上のしっかりとしたスイングが求められます。
16×19や18×20と比較した時の決定的な違い
よく比較される他スペックとの違いを、私の体感でチャート化すると以下のようになります。
- vs 16×19: 「もっとボールをしばきたい」「飛びすぎて困る」と感じているなら、18×19が最適解です。スピンの最大値は16×19に譲りますが、実戦での使い勝手は18×19に軍配が上がります。
- vs 18×20: 18×20は正直、一般プレーヤーには「板」のように感じることがあります。18×19は横糸が1本少ないだけで、驚くほど「食いつき」と「上がりやすさ」が出てきます。プロの精度が欲しいけれど、扱いきれる現実的なスペックが欲しい。そんな我儘に応えてくれるのが18×19です。
18×19パターンを採用している注目モデル
現在、この「18×19」という特殊なパターンを採用しているのは、メーカーが「こだわりの強いプレーヤー」に向けて開発した名機ばかりです。
- HEAD Prestige MP18×19といえばプレステージ。薄いフレームと密なパターンが生み出す究極の打球感は、もはや伝統工芸品の域です。
- HEAD Gravity Tourプレステージよりも面が大きく、スイートスポットが広いため、18×19のメリットを享受しつつ扱いやすさも確保されています。
- Tecnifibre TFight ISO 305メドベージェフ選手の使用モデル。現代的なパワーラケットに18×19を落とし込んだ、まさに「新世代のコントロールラケット」です。
まとめ:18×19は「自分の限界を超えたい」プレーヤーへの回答
18×19のラケットは、決して「楽をさせてくれる」道具ではありません。しかし、自分の技術を100%ボールに伝え、コートをチェス盤のように支配したいと願うプレーヤーにとって、これほど頼もしい相棒は他にありません。
「最近、自分のショットが安定しない」「もっと攻めたテニスがしたい」と感じているなら、ぜひ一度、この18×19の世界を覗いてみてください。その一振りが、あなたのテニスを次のステージへ引き上げてくれるはずです。


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