「あと数グラム軽ければ振り切れるのに」「ボレーの時に面がぶれてしまう」……。そんな悩みを感じたことはありませんか?実は、それらは新しいラケットを買い替えなくても「チューンナップ」で解決できる可能性が高いのです。
かつての私も、お気に入りのテニスラケットがどうもしっくりこず、自分の技術不足だと諦めていました。しかし、専門ショップで数値を測り、ミリ単位・グラム単位の調整を施した結果、まるで体の一部になったかのような操作性を手に入れることができたのです。今回は、実体験に基づいたチューンナップの全貌をご紹介します。
1. ラケットチューンナップとは?なぜ必要なのか
多くのプレーヤーが驚く事実があります。それは、同じ製品のテニスラケットであっても、製造工程でどうしても数グラムの重さやバランスの「個体差」が生じてしまうということです。
私が初めてショップで2本の持ち込みラケットを計測してもらった際、驚くべきことにバランスポイントが3mmも違っていました。この微細な差が、試合後半の「振り遅れ」や「コントロールの乱れ」として現れていたのです。チューンナップは、こうした個体差を埋め、さらに自分のプレースタイルに合わせてスペックを最適化する「オーダーメイド」の作業です。
2. 主なチューンナップメニューと得られる効果
具体的にどのような調整ができるのか、私が実際に試して効果を感じたメニューを紹介します。
- 重量・バランス調整リードテープ(鉛テープ)をフレームの12時方向に貼るとパワーが上がり、3時・9時方向に貼ると面安定性が向上します。私は面ブレを防ぐために3時・9時方向へ各2g追加しましたが、これだけで相手の強打に押し負けなくなりました。
- グリップ成形手の大きさに合わせてリプレイスメントグリップの下に熱収縮チューブを巻いたり、逆に削ったりして太さを調整します。角を立たせる調整を施すと、ボレーの際のグリップチェンジが驚くほどスムーズになります。
- スイングウェイト(SW)の調整静止重量ではなく「振った時の重さ」を調整します。シリコンをテニスラケット グリップ内部に注入することで、手に伝わる不快な振動を抑えつつ、重厚な打球感を手に入れることができます。
3. 【実録】実際にチューンナップを依頼してみた流れ
私が都内の有名プロショップに依頼した際の手順は、まさに「精密診断」でした。
まず、現状の悩みをストリンガーに伝えます。「スピンをもっとかけたいが、今のままだとヘッドが回りにくい」といった抽象的な言葉でも、プロはしっかり受け止めてくれます。次に専用の計測器(RDC)で現在の数値を可視化。私のラケットは平均よりSWが低かったことが判明しました。
そこで、バボラ カスタムウェイトを使用してフレームのトップに加重し、あえて「先重」の設定に。作業時間は1時間ほどでしたが、その後のオンコートテストでの変貌ぶりには鳥肌が立ちました。
4. チューンナップ後の変化:プレーはどう変わったか?
最も変化を感じたのは「安心感」です。以前は「今日は調子が悪いな」と思っていたミスが、実は道具のバランスの悪さから来ていたと確信できたからです。
具体的には、守備範囲が広がりました。以前なら差し込まれていた深いボールに対しても、テニスラケットのヘッドが自然に走ってくれるため、スライスで粘り強く返球できるようになったのです。また、振動止めを付けなくても手に残る余韻が心地よく、打球の情報がダイレクトに伝わるようになりました。
5. 失敗しないための注意点とショップ選び
自分でリードテープをペタペタと貼るのも楽しいですが、やりすぎは禁物です。バランスが崩れすぎると、手首や肘に負担がかかり、怪我の原因にもなります。
まずは、信頼できるストリンガーのいるショップを見つけ、自分のラケットの「健康診断」をしてもらうことから始めましょう。特に同じモデルを2本以上持っている方は、それらのスペックを合わせる「マッチング」を強くおすすめします。
まとめ
ラケットは買った時が完成形ではありません。自分の体格、筋力、プレースタイルに合わせて「育てる」ものです。
今のラケットに少しでも違和感があるなら、買い替えを検討する前にぜひチューンナップを試してみてください。オーバーグリップテープを巻き替えるような気軽な気持ちで相談してみれば、あなたのテニス人生を変える一本に出会えるはずです。
次回の練習で、自分専用に仕上がった相棒を振り抜く快感を、ぜひ味わってください。
こちらの記事の詳細について、さらに知りたい特定の調整方法などはありますか?


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