「最近、なんだかボールが飛ばない」「一生懸命振っているのに、打球が浅くなってしまう」……そんな悩みを抱えていませんか?実はそれ、ラケットのせいではなく「ストリング(ガット)」の寿命や選択ミスのせいかもしれません。
テニスにおいて、唯一ボールと接触するのはストリングです。ここをおろそかにするのは、フェラーリにママチャリのタイヤを履かせて走るようなもの。私自身、かつては「切れるまで使えばいい」と思っていましたが、適切なストリングに出会ってから、テニス人生が劇的に変わりました。今回は、私の失敗談や成功体験を交えながら、後悔しないストリング選びの極意をお伝えします。
ストリング選びでテニスの質は激変する!まずは3つの素材を知ろう
ストリングを変えることは、ラケットを買い替えるよりも手軽で、かつ効果的なカスタマイズです。大きく分けて3つの素材がありますが、それぞれの「打感」は驚くほど異なります。
ナイロン(モノ/マルチ)
初心者から中級者まで、最も幅広く愛されている素材です。
- 体験談: 私はテニスを始めた当初、格安のナイロンモノを張っていました。その後、少し奮発してテクニファイバー エックスワン バイフェイズのような高品質なマルチフィラメントに変えた時、その柔らかさに腰を抜かしました。腕への衝撃がスッと消え、軽い力でボールがポーンと飛んでいく感覚。肘の痛みに悩んでいた時期もありましたが、この変更だけで解決したのを覚えています。
ポリエステル
プロ選手やハードヒッターの定番です。
- 体験談: 競技志向に目覚めてルキシロン アルパワーを張ってみた時の衝撃は、ナイロンとは真逆でした。「硬い!でも、叩いてもコートに収まる!」という安心感です。以前はアウトを恐れて加減していたスイングを、全力で振り抜ける快感。ただし、一週間もすると打感が露骨に重くなり、賞味期限の短さも痛感しました。
ナチュラル
牛の腸(シープ)を使用した最高級品です。
- 体験談: 「一度使うと戻れない」という噂は本当でした。バボラ タッチトニックを試した際、冬場のカチカチに凍ったボールを打っても、まるで真綿で包み込むようなホールド感がありました。雨に弱いという弱点はありますが、打球音の美しさと性能の持続性は、他の追随を許しません。
【体験から学ぶ】テンション(張りの強さ)の正解と「失敗例」
ストリングの種類と同じくらい重要なのが、何ポンドで張るかという「テンション」です。
高く張る(50ポンド〜)
コントロールを重視したい人向けですが、罠もあります。
- 私の失敗談: 「プロが55ポンドで張っている」という情報を鵜呑みにして、自分のラケットもカチカチに張ったことがあります。結果は散々でした。ボールが全く飛ばず、無理に飛ばそうとして力み、一ヶ月で手首を痛めました。スイートスポットも狭くなり、ミスショットの振動がダイレクトに腕へ伝わる地獄のような日々でした。
低く張る(〜45ポンド)
最近のトレンドは「ローテンション」です。
- 体験談: 思い切って42ポンドまで落としてみたところ、ボレーの伸びが劇的に良くなりました。当てるだけで深く返るため、ダブルスでのネットプレーが楽になり、試合後半のスタミナ温存にも繋がりました。パワー不足を感じている人ほど、低テンションの恩恵は大きいはずです。
いつ替えるのがベスト?「切れるまで待つ」がNGな理由
「ガットが切れていないから、まだ使える」……もしそう思っているなら、今すぐその考えは捨てましょう。
ストリングには「賞味期限」があります。素材にもよりますが、一般的には3ヶ月が限界です。
- 比較体験: 3ヶ月放置したヨネックス ポリツアープロから、新品の同じガットに張り替えた直後、あまりの打球音の違いに笑ってしまいました。古いガットは「ポコッ」という湿った音でしたが、新品は「パチーン!」という乾いた快音。伸びてコシがなくなったガットは、スピン量も落ち、コントロールも定まりません。上達を妨げないためにも、季節の変わり目ごとに張り替えるのが理想です。
【悩み別】おすすめストリングの組み合わせパターン
最後に、あなたの今の悩みに合わせた解決策をご提案します。
悩み①:腕が痛くなりやすい、もっと楽に飛ばしたい
迷わずバボラ アディクションなどのナイロンマルチを選んでください。テンションは45〜48ポンド程度に設定。衝撃吸収性が高く、長時間のプレーでも疲れにくくなります。
悩み②:ガットがすぐ切れる、ガンガン打ち込みたい
耐久性重視ならバボラ RPMブラスト。独特の八角形構造がボールをしっかり噛み、強烈なスピンを約束してくれます。ただし、体への負担を考えて、定期的な張替えは必須です。
悩み③:ポリエステルにしたいけど硬さが不安
「ハイブリッド」という選択肢があります。縦にルキシロン 4G、横にウィルソン NXTを張るようなスタイルです。ポリのコントロール性とナイロンの柔らかさをいいとこ取りできる、非常に贅沢で合理的なセッティングです。
まとめ:自分だけの「黄金スペック」を見つける楽しみ
ストリング選びに「絶対の正解」はありません。しかし、自分の感覚に耳を傾け、少しずつ種類やテンションを変えていく過程こそが、テニスの醍醐味の一つでもあります。
まずは今張っているストリングの種類とポンド数を確認し、次の張替えで「3ポンド下げる」あるいは「違う素材を試す」といった小さな変化を加えてみてください。その一歩が、あなたのテニスを劇的に進化させるかもしれません。
次の休日は、新しいストリングでコートに向かってみませんか?


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