「ラケットの重さなんて、たかが数十グラムの差でしょ?」と軽く考えていませんか。実はテニスにおいて、この数グラムの差が、翌朝の筋肉痛の度合いや、コートの隅へ突き刺さるショットの精度を劇的に変えてしまうのです。
今回は、私自身が「重すぎるラケット」で手首を痛めた苦い経験と、逆に「軽すぎて打ち負けた」失敗談を交えながら、後悔しないラケットの重さ選びを徹底解説します。
【結論】ラケットの「重さ」がプレーに与える4つの影響
まず、重さが変わると何が変わるのかを整理しましょう。スペック表の数字だけでは見えない、コート上での「リアルな感覚」は以下の通りです。
- 打球の威力: 重いラケットは、それ自体に慣性エネルギーがあるため、相手の速い球に「打ち負けず」、重い弾道のショットが打てます。
- 操作性: 軽いラケットは、ボレーなどの素早いネットプレーで真価を発揮します。逆に重いと、ラケットをセットするのが一瞬遅れます。
- 安定性: 重い方がインパクト時に面がブレにくく、コントロールが安定します。
- 疲労度: ここが盲点です。振り切れない重さを選ぶと、後半にスイングスピードが落ち、最悪の場合、腱鞘炎などの怪我に繋がります。
【体験談】重さを変えて分かった「失敗」と「成功」
私がテニスを始めたばかりの頃、プロが使っているモデルに憧れて、315gもあるプロスタッフ 97を購入したことがあります。
ショップで数回振った時は「これくらいならいける」と感じたのですが、実際の試合は別物でした。1セット目の後半には、ラケットが鉛のように重く感じられ、スイングがどんどん遅れていきます。結局、無理に手首で操作しようとして、全治1ヶ月のケガを負いました。
その後、思い切って285gのピュアドライブ チームに持ち替えたところ、驚くほど楽に振り抜けるようになりました。結果としてスイングスピードが上がり、重いラケットを使っていた時よりも鋭いスピンがかかるようになったのです。
この経験から学んだのは、**「1試合(2時間)を通して、全力で振り切れる重さ」**が自分にとっての正解だということです。
競技別・レベル別のおすすめ重量目安
一般的に推奨される重さの目安を紹介します。これらを基準に、自分の体力と相談してみてください。
一般的な推奨重量(テニスの場合)
- 一般男性(初〜中級): 290g〜300g。まずはこの範囲から探すのが無難です。
- 一般女性・ジュニア: 270g〜285g。操作性を重視したEゾーン 100Lなどが扱いやすいでしょう。
- パワーに自信のある方: 300g以上。体格が良く、自分からしっかりスイングしていきたい人向けです。
重さ選びで失敗しないための3つのチェックポイント
数字だけで判断するのは危険です。以下の3点を意識して選んでください。
1. 「バランスポイント(重心)」を必ず見る
同じ300gでも、ヘッドが重い(トップヘビー)と体感は重くなり、手元が重い(トップライト)と軽く感じます。ボレーを多用するならトップライト、ストロークで打ち抜きたいならトップヘビーが向いています。
2. 「スイングウェイト」の魔法
静止している時の重さよりも、振った時に感じる「遠心力(スイングウェイト)」が重要です。試打ができる環境なら、重さの数値よりも「振り心地の良さ」を直感で信じてください。
3. グリップサイズとの意外な関係
意外かもしれませんが、グリップが細すぎると無駄な握力が必要になり、ラケットを必要以上に「重く」感じてしまいます。適切なサイズのオーバーグリップテープを巻いて、フィット感を高めるだけで操作性は改善します。
まとめ:迷ったら「少し軽め」を選んで調整しよう
「重すぎるラケット」を軽く改造することはできませんが、「軽いラケット」を重くすることは可能です。
もし2つの重さで迷ったら、少し軽めのモデルを選んでみてください。物足りなければ、後からリードテープ(鉛テープ)をフレームに貼ることで、自分好みの重さとバランスに微調整できます。
あなたのプレースタイルを支える最高のパートナーは、スペック表の数字ではなく、コートの上で「最後まで一緒に戦い抜ける重さ」の中にあります。まずはショップで、直感に合う1本を手に取ってみてください。


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