卓球を始めてしばらく経ち、「そろそろ道具にこだわりたい」と思ったとき、必ずと言っていいほど名前が挙がるのがVICTAS(旧TSP)のスワットです。私自身、これまで数多くのラケットを握ってきましたが、結局この一本に戻ってきてしまう、そんな不思議な魅力がスワットにはあります。今回は、巷に溢れるスペック表の解説ではなく、実際に練習や試合で使い倒して感じた「生の声」をベースに、その真価を徹底的に掘り下げます。
なぜ「スワット」はこれほどまでに愛されるのか?
スワットを語る上で外せないのが、木材7枚合板でありながら「木材の打球感」を極限まで引き出している点です。特殊素材(カーボンなど)を搭載したラケットが全盛の今、あえてスワットを選ぶ理由は、その圧倒的な「扱いやすさ」と「手に伝わる情報の多さ」にあります。
多くの7枚合板は「硬くて弾む」というイメージがありますが、スワットは別物です。燻製処理を施した木材を使用しているため、球を掴む感覚が非常に強く、自分の意思がダイレクトにボールに伝わる感覚を味わえます。
【実体験】実際にコートで打ってみて分かった3つの本音
1. 「7枚合板=硬い」という固定観念が崩れる打球感
初めてスワットでドライブを打ったとき、まず驚いたのはその柔らかさです。インパクトの瞬間にラケット全体がボールを包み込むような感覚があり、回転をかける感覚が非常に掴みやすい。カーボンラケットにありがちな「勝手に飛んでいってしまう」という不安感がなく、自分の力加減で飛距離を1cm単位で調整できるような操作性があります。
2. ブロックとカウンターの安定感がエグい
試合中、相手の強打に押されそうになった場面でスワットの強みが光ります。5枚合板だと当たり負けしてしまうようなボールでも、7枚合板らしい適度な剛性のおかげで、スッと相手のコートに収まってくれます。特にバックハンドのブロックでは、手に嫌な振動が残らず、狙ったコースに正確に押し返せる安心感がありました。
3. スピード不足を感じさせない「伸び」
「木材だけだとスピードが出ないのでは?」という懸念もありましたが、いざフルスイングしてみると、放たれたボールはバウンド後にグンと伸びていきます。初速の速さよりも、着弾後の威力で勝負できるラケットだと実感しました。
相性抜群!スワットに合わせたいラバーたち
スワットは非常に素直なラケットなので、合わせるラバーによって表情をガラリと変えます。私の経験上、特におすすめしたい組み合わせは以下の通りです。
- 安定と威力の両立: ”V>15VICTASの看板ラバーとの相性は抜群です。ラケットの掴む感覚と、ラバーの硬いスポンジが合わさり、回転量の多い強烈なドライブが可能になります。
- ステップアップなら: ヴェンタス レギュラー初心者から中級者へ上がる段階なら、この組み合わせが最強の教科書になります。打てば打つほど卓球が上手くなる、そんな感覚を養えます。
- 変化を求めるなら: スピンピップス表ソフトとの相性も驚くほど良いです。台上の細かい技術がやりやすく、スマッシュの初速も十分に確保できます。
結論:スワットはあなたの卓球を「正直」にする
スワットを使っていて感じるのは、自分の技術の「現在地」がよく分かるということです。上手く打てたときは最高のボールが行き、ミスをしたときは「なぜミスをしたか」が手に取るように分かります。
もしあなたが、派手な宣伝文句に疲れて「本当に信頼できる一本」を探しているなら、迷わずスワットを手に取ってみてください。このラケットと共に練習に励む時間は、確実にあなたの実力を底上げしてくれるはずです。
もっと弾みを求めるならスワット パワー、より繊細さを求めるならスワット 5PWという選択肢もありますが、まずはこの無印のスワットで、木材合板の完成形を体感してほしい。そう心から思える名作です。


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