「テニスラケットなんてどれも同じでしょ?」かつての私はそう思っていました。しかし、実際にコートに立ち、何本ものラケットを使い潰してきた今、断言できます。ラケット選びは、テニスというスポーツの楽しさを10倍にするか、あるいは怪我でコートを去るかを決める最大の分岐点です。
ネットにあるスペック表の数字を眺めるだけでは分からない、五感で選ぶための「本当の選び方」を、私の苦い失敗談と成功体験を交えてお伝えします。
1. スペック表よりも大切な「自分との対話」
初めてラケットを買うとき、多くの人が陥るのが「プロが使っているから」という理由での購入です。私もbabolat pure driveを「パワーが出る最強のラケット」という評判だけで購入し、その反発力の強さにボールがバックアウトし続け、途方に暮れた経験があります。
ラケット選びでまず決めるべきは、あなたがコートで「何をしたいか」です。
- 「とにかく楽にボールを飛ばしたい」:厚ラケ(フレームが厚いもの)が味方になります。
- 「思い切り振り抜いてコートに収めたい」:薄ラケ(フレームが薄いもの)がコントロールを助けます。
- 「ネットプレーで華麗に決めたい」:操作性の良い軽量かつトップライトな設計が必要です。
2. 失敗から学んだ「重量」の正解
よく「初心者は300g前後(黄金スペック)を選べば間違いない」と言われます。しかし、これは半分正解で半分間違いです。
私は以前、筋力に自信があったためwilson pro staffの重いモデルを手にしました。使い始めの15分は、その重量が生み出す凄まじい破壊力のショットに酔いしれました。しかし、試合の後半、腕が上がらなくなり、振り遅れた結果として手首を痛めてしまったのです。
体験からのアドバイス: 試打をするときは、フレッシュな状態ではなく「少し疲れてきた30分後」にその重さを振り切れるかどうかで判断してください。2026年現在のトレンドでは、yonex ezoneのような、285g〜290g程度で高い安定性を発揮するモデルが、一般プレーヤーにとっての「真の黄金スペック」になりつつあります。
3. 「打感」こそがテニスの快感
ラケットには「硬い(反発系)」と「柔らかい(しなり系)」があります。
- 硬いラケットの体験: ボールを面でパチンと弾く感覚です。head instinctのようなモデルは、ボレーの際に当てるだけで深く返ってくれるため、非力な私には魔法の杖のように感じました。
- 柔らかいラケットの体験: ボールが一瞬ラケットに吸い付き、そこから自分の意思で押し出す感覚です。head prestigeのようなモデルでジャストミートした時の「グニュッ」とした感触は、一度味わうと病みつきになります。
どちらが良いかではなく、どちらの感触が「気持ちいい」と感じるかが、練習を長く続けるモチベーションに直結します。
4. 賢い「試打」のチェックリスト
ショップやテニススクールで試打をする際は、以下の3点を意識してみてください。
- オフセンターでの衝撃: ラケットの真ん中を外したときに、手に「ビーン」と嫌な振動がこないか。yonex vcoreのように振動吸収テクノロジーが進んでいるものは、体への負担が劇的に少ないです。
- サービスの振り抜き: ストロークは良くても、サービスで頭の上でラケットを回した時に「重い」と感じないかチェックしてください。
- ガットとの相性: もし可能なら、そのラケットにどんなガットが張ってあるか確認しましょう。ナイロンガットなら柔らかく、ポリガットなら硬く感じます。ラケット自体の性能を勘違いしないための重要ポイントです。
5. まとめ:最高の1本は「長く振っていられる」ラケット
テニスラケット選びに「正解」はありませんが、「後悔しない選び方」はあります。それは、スペックという数字に縛られず、自分の腕が「これなら最後まで戦える」と教えてくれる1本を選ぶことです。
もしあなたが今、新しい相棒を探しているなら、まずはtennis racket bagを新調するくらいの軽い気持ちで、多くのラケットに触れてみてください。驚くほど自分のプレーにフィットする瞬間が、必ず訪れるはずです。
次は、あなたのプレイスタイルに合わせた具体的なガットの選び方についてもご紹介しましょうか?


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