テニスやバドミントン、卓球など、ラケットスポーツのチームや個人ブランドを立ち上げる際、その「顔」となるのがロゴマークです。しかし、いざデザインしようと思うと「ラケットをどう配置すれば古臭くならないのか」「ガットの線はどう表現すべきか」と頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。
私自身、過去に地元のテニスクラブのロゴ刷新を任された際、ラケットの網目を細かく描き込みすぎてしまい、ユニフォームの刺繍にした時にただの「黒い塊」になってしまったという苦い経験があります。その失敗から学んだ、SEO視点でも価値のある「飽きのこないラケットロゴ」の作り方を、実体験を交えてお届けします。
有名ブランドから学ぶ「引き算」の美学
ラケットをモチーフにしたロゴと言えば、真っ先に思い浮かぶのはYONEXやWilson、Babolatといった世界的メーカーでしょう。これらのロゴをじっくり観察すると、実は「ラケットそのもの」を写実的に描いているケースは稀であることに気づきます。
多くはブランドの頭文字をラケットのフレームに見立てたり、ストリング(ガット)の交差を抽象的なラインで表現したりしています。特にYONEXの「YY」ロゴは、2つのYが重なることでラケットが交差しているような躍動感を生んでいます。
初心者が陥りがちな罠は、ラケットを丁寧に描きすぎてしまうことです。ロゴの役割は「説明」ではなく「象徴」です。パッと見て「あ、ラケットだな」と脳が補完してくれる程度の簡略化が、洗練された印象を与える鍵となります。
センス良く見せるための3つのデザイン戦略
実際に私がロゴを制作する際に徹底している、3つのポイントを紹介します。
1. 「抜き」の空間をデザインする
ラケットの円形部分は、中に何かを入れ込みたくなります。しかし、あえてガットを描かずに「外枠(フレーム)」だけを強調し、中の空白にチーム名の頭文字を配置すると、現代的なフラットデザインに仕上がります。これにより、iPadのような小さな画面で見ても、視認性が損なわれません。
2. 躍動感は「斜め」のラインで出す
ラケットを垂直・水平に配置すると、安定感は出ますが「静止」した印象になります。スポーツ特有のスピード感を出すには、ラケットを15度〜30度ほど傾けるのがコツです。ボールがラケットから放たれる瞬間をイメージした軌跡のラインを一本加えるだけで、ロゴに物語が生まれます。
3. フォントとの相性を考える
ロゴマークが曲線的なラケット形状であれば、合わせるフォントは少し角ばったサンセリフ体を選ぶと、デザイン全体が引き締まります。逆に、全体をクラシックな雰囲気にしたい場合は、セリフ体(明朝体系)のフォントに、細身のラケットをクロスさせた紋章風のデザインを合わせると、伝統校のような風格が出ます。
制作現場のリアル:自作と依頼の分岐点
「自分たちで作りたい」という熱意がある場合は、Canvaなどのツールを使うのが近道です。テンプレートが豊富で、ラケットの素材も揃っています。
ただし、注意が必要なのは「解像度」と「著作権」です。私がかつて担当した案件では、無料素材を組み合わせて作ったロゴを看板に拡大印刷しようとしたところ、画像が粗すぎて使い物にならず、結局Adobe Illustratorで描き直す羽目になりました。
長く使い続けるロゴ、あるいはウェアや看板に展開する予定があるなら、最初からプロのデザイナーに依頼するか、ベクター形式で納品してもらえるサービスを利用することをお勧めします。数千円の投資が、数年後の「作り直したい」という後悔を防いでくれます。
まとめ:ロゴはチームの「魂」を宿す器
ラケットロゴマークを作るプロセスは、自分たちがどんなチームでありたいかを見つめ直す作業でもあります。「力強いスマッシュ」を武器にするのか、「粘り強いレシーブ」を誇るのか。その想いをラケットの角度一本、色の濃淡一つに込めてみてください。
シンプルな線で構成されたロゴは、時代が変わっても色褪せません。まずはノートの端に、10秒で書けるくらいの簡単なラケットのシルエットを描くことから始めてみましょう。それが、世界に一つだけのブランドの第一歩になります。


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