卓球を続けていると、誰もが一度は「もっと威力が欲しい、でもコントロールを失うのは怖い」というジレンマに陥るものです。カーボン入りのラケットにすればスピードは出るけれど、台に収まる気がしない。かといって木材ラケットでは、現代卓球のスピード感に力負けしてしまう。そんな贅沢な悩みに終止符を打ってくれる存在として、今多くのプレイヤーが注目しているのがVICTASのリブラです。
今回は、実際にリブラを数ヶ月間使い込み、さまざまなラバーとの相性を試した経験をもとに、そのリアルな使用感と性能を徹底的に掘り下げていきます。
リブラの基本スペック:独自の「中層」構造が鍵
まず、リブラを語る上で外せないのが、その独特な構造です。木材5枚にゼクシオン®カーボンを2枚加えた構成ですが、面白いのがその配置。アウター(外側)でもインナー(芯側)でもない、中層に特殊素材を配置した「DYNA-SHELL」設計を採用しています。
手に持ってみると、VICTASらしい洗練されたデザインと、握り込みやすいグリップが印象的。カタログ値以上の「扱いやすそうなオーラ」を感じさせてくれます。
【実打体験】打ってみて驚いた「掴み」と「飛び」の同居
実際にコートに立ち、リブラでボールを打ってみると、最初に感じるのは「木材のような心地よい打球感」です。
1. 軽打でのフィーリング
ショートやブロックなど、力を抜いて打つ場面では、特殊素材特有の「パチッ」という硬い感覚が抑えられています。ボールを一度グッと掴んでから放す感覚があるため、台上のストップやツッツキが浮きにくく、自分の指先でボールを操っているような感覚を強く持てました。
2. 強打時の豹変ぶり
ところが、一歩下がってドライブを打ち込むと、リブラは真の姿を見せます。スイングスピードを上げると、中層に隠されたカーボンがしっかりと仕事を始め、ボールを強烈に弾き出してくれるのです。アウターカーボンのような直線的な弾道ではなく、高い弧線を描きながら相手のコート深くで沈むドライブ。この「放物線の描きやすさ」こそが、私がリブラを使っていて最も感動したポイントです。
3. スイートスポットの広さに救われる
試合中、常にラケットの芯で捉えられるわけではありません。少し差し込まれて打点がズレた時、通常のラケットならネットミスやオーバーミスになるところを、リブラは粘り強くコートに返してくれます。このミスに対する寛容さが、後半の競り合いでの自信に繋がりました。
競合ラケットと比較して見えた「リブラの立ち位置」
普段、丹羽孝希ZCやZX-GEAR OUTを使っている仲間にも試打してもらいました。
丹羽孝希ZCと比較すると、リブラの方が明らかに球持ちが長く、自分で回転をかける感覚が強いです。超攻撃的な前陣スタイルならZCに軍配が上がるかもしれませんが、オールラウンドに戦いたいならリブラの方が圧倒的に扱いやすいという結論に至りました。
また、ZX-GEAR OUTほどの爆発的な飛距離はありませんが、その分、台上の繊細なコントロールや、相手の強打をいなすブロックの安定感ではリブラが数段上回っていると感じます。
相性抜群のラバー構成を考える
リブラの性能を最大限に引き出すなら、やはり同じVICTASのラバーとの組み合わせが鉄板です。
- 威力重視なら: 両面にV15 Extraを貼るのが王道。ラケットの掴みが、V15の硬いスポンジの扱いづらさを適度に緩和してくれます。
- 最新の回転性能を求めるなら: V22 Double ExtraやV20 Double Extraとの相性も抜群。ラケットが描く高い弧線に、ラバーのスピン性能が加わり、エグい軌道のボールが連発できます。
- 振り抜きやすさ重視なら: 重量が気になる方は、V11 Extraをバック面に貼ることで、操作性を高めるのがおすすめです。
まとめ:リブラはどんな選手に贈るべきか
リブラは、「特殊素材の威力は欲しいが、木材のコントロールも捨てがたい」という、全プレイヤーが抱える矛盾した願いを形にしたようなラケットです。
特に、前中陣で自分から積極的にドライブをかけていく選手や、今のラケットでネットミスが多くて悩んでいる選手には、ぜひ一度手にとってほしい一本。最新の「DYNA-SHELL」がもたらす、高い弧線と圧倒的な安定感は、あなたのプレイスタイルをきっと一段上のステージへ引き上げてくれるはずです。


コメント