テニスの試合をテレビで見ていると、選手のラケットのガット(ストリング)に大きく描かれたブランドロゴが目に飛び込んできますよね。ヨネックスの「YY」やウィルソンの「W」など、あれがあるだけでラケットがぐっと引き締まってプロ仕様に見えるから不思議です。
「あれって最初から印刷されているの?」「自分で描いたらガットが痛むんじゃないか?」と、私も初心者の頃は不思議でなりませんでした。実はあのマーク、正体は「ステンシルマーク」と呼ばれるもので、専用のインクを使えば誰でも自分のラケットに描くことができるんです。今回は、私が実際に何度も試行錯誤して辿り着いた、失敗しないマークの入れ方と、実際にやってみて分かったリアルな体験談をたっぷりお届けします。
そもそもラケットマーク(ステンシル)の役割って?
あのマークの主な役割は、メーカーのブランドプロモーションです。プロ選手はメーカーと契約しているため、どのブランドのラケットを使っているか一目でわかるようにインクでロゴを入れています。
しかし、私たち一般プレーヤーにとってのメリットは、何より「モチベーションの向上」に尽きます。自分の愛用しているブランドのロゴがガットに刻まれているだけで、コートに立った時の気分が全く違います。また、サークルや部活動で同じラケットを使っている人がいても、マークがあれば自分のものだとすぐに判別できるという実用的な利点もあります。
ただし、公式試合に出場する場合は注意が必要です。ロゴの大きさや数に規定がある場合があり、あまりに奇抜な自作デザインだとルール違反を指摘される可能性もゼロではありません。
準備するもの:代用は厳禁!専用道具を揃えよう
私が初めて挑戦した時、横着をして「油性マジックでいいだろう」と塗ってみたのですが、これは大失敗でした。ガットの表面でインクが弾かれ、打つたびにボールが真っ黒に汚れてしまったのです。必ず以下の専用アイテムを揃えてください。
- ステンシルシート(型紙)ヨネックス ステンシルマークやウィルソン ステンシルマークなど、各メーカーから専用の型紙が販売されています。プラスチック製で繰り返し使えるものが多いです。
- ステンシルインク必ずステンシルインクを使用してください。速乾性でガットに定着しやすく、打球感を損なわないように設計されています。定番はレッド、ブラック、ホワイトあたりですね。
- 養生用具新聞紙、そしてマスキングテープは必須です。インクがフレームに付くと非常に落としにくいので、型紙の周りをしっかりガードします。
【実践】綺麗に仕上げるためのプロのコツ
何度も塗り直してきた経験から、綺麗に仕上げるステップをまとめました。
ステップ1:脱脂と位置決め
ガットに皮脂や砂がついているとインクが乗りません。まずは乾いた布で軽く拭きましょう。次に型紙を置きますが、メーカーロゴは「中央よりやや下」に配置するのが最も美しく見える黄金比です。
ステップ2:絶対に「こすらない」
ここが最大のポイントです。マジックのように横に動かして塗ると、ガットの隙間にインクが入り込み、仕上がりがガタガタになります。インクの先端をガットに対して垂直に立て、**「ポンポンと叩き込む」**ように色を乗せていってください。
ステップ3:乾燥時間は「我慢」
表面が乾いたように見えても、ガットが重なっている部分はなかなか乾きません。私は最低でも1時間は放置します。焦ってすぐにバッグにしまうと、ラケットケースの内側が悲惨なことになります。
実際にやってみて感じた「本音」のメリット・デメリット
ステンシルマークを日常的に入れるようになって感じたことを正直にまとめます。
良かったこと:
- とにかくかっこいい。新しいラケットを買った時のようなワクワク感が復活します。
- 仲間から「お、本格的だね」と声をかけられ、会話のきっかけになります。
苦労したこと:
- ボールへの色移り: 塗りたての状態でニューボールを打つと、フェルトにうっすらインクがつきます。これが嫌な人は、練習用ボールで数球打ってから試合に出るのがおすすめです。
- メンテナンスの頻度: 激しくスピンをかけるプレーヤーだと、1回の練習でロゴの真ん中が削れて剥げてきます。常に綺麗に保つには、月1回程度の「塗り直し」という愛情が必要です。
まとめ
ラケットマークは、自分の道具への愛着を深めてくれる最高のカスタマイズです。数百円のインクとシートがあれば、あなたのラケットは一瞬で「プロモデル」のような風格を纏います。
もしあなたが「自分のテニスライフに少し変化が欲しい」と感じているなら、ぜひ次の週末にでも試してみてください。コートで自分のラケットを取り出す瞬間が、今よりもっと楽しみになるはずです。


コメント