テニスを愛する皆さんなら、ラケット一本でその日のパフォーマンスが劇的に変わる感覚を一度は味わったことがあるはずです。今回、私が手にしたのは、発売前から話題を独占していたVCORE 98の2026年モデル。
かつての「赤い旋風」が、8代目にしてどのように進化したのか。オムニコートとハードコートで計20時間、みっちり使い倒した私なりの「生の声」をお届けします。
実際にコートで打ってみて感じた「3つの驚き」
まず驚いたのは、手元に伝わる情報の鮮明さです。これまでのVCOREシリーズは、スピンに特化するあまり、時として「食いつきすぎて弾きが物足りない」と感じる場面もありました。しかし、今回のVCORE 98は一線を画します。
一つ目は、インパクト時の「吸い付きと解放」のバランスです。ボレーやスライスの際、一瞬フレームがボールを掴んだかと思うと、次の瞬間には狙ったコースへ矢のように突き抜けていく。この「意志が伝わる感覚」は、従来のモデルよりも明らかに研ぎ澄まされています。
二つ目は、エグいほど落ちるスピン軌道。ベースライン付近で「あ、これはアウトだ」と思ったボールが、そこから急激に失速してコート内に沈み込みます。相手の足元に沈めるアプローチショットの安心感は、このVCORE 98ならではの武器と言えるでしょう。
三つ目は、振り抜きの軽やかさ。スイングスピードを上げようとしなくても、空気抵抗を感じさせない独自のフレーム形状が、自然とヘッドを走らせてくれます。
前作(2023年モデル)との徹底比較
前作である2023年モデルのVCORE 98も完成度の高い名品でしたが、2026年モデルへの乗り換えを検討している方へお伝えしたいのは、「剛性の質」の変化です。
前作は全体的にしなりを感じるマイルドな打感でしたが、今作はフレームの要所が強化されたような、ガッシリとした安定感があります。オフセンターで捉えてしまった時の不快な振動が抑えられており、リカバリーショットが以前よりも格段に深くなりました。
プレイスタイル別:こんな人におすすめ!
このVCORE 98を全力で推したいのは、自分から展開を作っていきたいアグレッシブ・ベースライナーです。
特に、厚い当たりでスピンをかけ、相手をコート外へ追い出したいプレイヤーにとっては、これ以上の相棒はいないかもしれません。逆に、完全にラケットのパワーだけで飛ばしたい初級者の方には、少し「じゃじゃ馬」に感じる可能性もあります。中級から上級にかけて、「自分のスイングでボールをコントロールしたい」という欲求が芽生え始めた方にこそ、このVCORE 98の真価を体感してほしいです。
まとめ:あなたのテニスを一段階上のステージへ
正直なところ、ラケットを変えただけで勝てるほどテニスは甘くありません。しかし、VCORE 98は、「ここで一歩踏み込んで打ち込みたい」という勇気をくれるラケットです。
2026年、新しいシーズンを共にする一本を探しているなら、このVCORE 98をバッグに忍ばせてみてください。きっと、これまで届かなかったあのライン際が、ぐっと近くに感じられるはずです。


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