卓球のカットマンにとって、ラケット選びは自分の「守備範囲」と「攻撃の鋭さ」を決定づける死活問題です。私自身、長年カットマンとして試行錯誤してきましたが、最終的に行き着いたのが、伝説のカットマン・松下浩二氏がプロデュースしたVICTASの松下浩二シリーズでした。
世の中には多くのカット用ラケットがありますが、なぜこのシリーズがこれほどまでに支持されるのか。実際に全てのラインナップを振り抜き、試合で使い倒してきた経験から、そのリアルな使用感と選び方を徹底解説します。
松下浩二シリーズが「名作」と呼ばれる理由
初めて松下浩二を手にした時、驚いたのはその「手に伝わる情報の多さ」です。一般的な守備用ラケットは、弾みを抑えるために打球感がボヤけがちですが、このシリーズは違います。ボールがラケットに当たり、木材がしなり、そして飛び出していくプロセスが、指先を通して脳にダイレクトに伝わってくる感覚です。
この絶妙なフィーリングこそが、カットの回転量をミリ単位で調節し、相手の強打を正確にネット際に沈めるための武器になります。
実際に使ってわかった!4モデルのリアルな打球感
1. 松下浩二(ノーマルモデル)
シリーズの原点であり、最もバランスに優れた一本です。
- 体験談: カットの安定感は抜群で、相手のドライブが重ければ重いほど、その威力を吸収して低く鋭いカットで返せます。木材5枚合板の「吸い付くような打球感」は、一度味わうと病みつきになります。
- こんな方に: 守備を固めて、粘り勝ちしたいすべてのカットマンへ。
2. 松下浩二 オフェンシブ
守備用とは思えない反発力を備えたモデルです。
- 体験談: 表面に少し硬めの木材が使われており、カットの弾道が直線的になります。驚いたのは反撃のしやすさ。カットからの反転攻勢で、相手の意表を突くスマッシュやドライブを叩き込む際、しっかりとした「威力」が出てくれます。
- こんな方に: 守るだけでなく、積極的に自分から打ち抜きたい攻撃型カットマンへ。
3. 松下浩二 ディフェンシブ
シリーズ中、最も弾みを抑えた「盾」のようなラケットです。
- 体験談: とにかく止まります。相手の渾身のフルスイングを、まるで魔法のようにポトッと台の奥へ沈められた時は感動しました。ただし、自分から回転をかけに行く技術がないと、ボールが浅くなりやすい繊細な一面もあります。
- こんな方に: どんな強打も拾いまくり、相手を絶望させたい守備職人へ。
4. 松下浩二 スペシャル
特殊素材(フリースカーボン)を搭載した現代的なモデルです。
- 体験談: 木材の良さを残しつつ、スイートスポットが非常に広いです。多少打点が遅れても、カーボンが助けてくれる感覚があります。プラスチックボールになってからの「球の軽さ」を補ってくれる、力強い打球が可能です。
- こんな方に: 現代卓球のスピード感に対応し、安定と威力を両立したい欲張りな方へ。
失敗しないための選び方とラバーの相性
私が実際に使ってみて感じた、最高の組み合わせはVS > 401のような粘着系ラバーとのセットです。
松下浩二のしなりと、粘着ラバーの回転力が合わさることで、ブチ切れたカットとナックルカットの差が明確になり、相手のミスを面白いように誘えます。
もしあなたが「どのモデルにするか」迷っているなら、まずはノーマルの松下浩二から入ることを強くおすすめします。このラケットで自分の基準を作り、そこから「もっと弾みが欲しいならオフェンシブ」「もっと抑えたいならディフェンシブ」へと移行するのが、自分にぴったりの一本に出会う最短ルートです。
まとめ:あなたの卓球を進化させる一本
松下浩二シリーズは、単なる道具ではありません。カットマンの苦悩を知り尽くしたレジェンドが、私たちのために用意してくれた「正解」の一つです。
指先に伝わる心地よい振動と、相手のドライブを無力化する快感。ぜひ、あなたのプレイスタイルに合った松下浩二を相棒にして、コートを支配する喜びを味わってください。


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