「最近、ガットが切れるのが早くなった気がする」「打球感がなんだかボヤけている」……もしあなたがそう感じているなら、原因はガットではなく「グロメット」にあるかもしれません。テニスやバドミントンの愛好家でも意外と見落としがちなこの小さなパーツですが、実はラケットの性能を維持し、本体を守るための生命線なのです。
今回は、私がグロメットのメンテナンスを怠ったために高価なラケットを台無しにしてしまった苦い体験談を交えながら、その役割と交換のタイミングについて深掘りしていきます。
そもそも「ラケットグロメット」とは何のためにあるのか?
グロメットとは、ラケットのフレームに開けられた穴(ストリングホール)に装着されているプラスチック製のパーツです。地味な存在ですが、主に3つの重要な役割を担っています。
- ガットの保護:フレーム(カーボン等)の鋭いエッジでガットが切れるのを防ぎます。
- フレームの守護:ガットの強い張力が一点に集中しないよう分散させ、フレームの陥没や割れを防ぎます。
- 打球感のコントロール:ストリングの可動域を調整し、パワーやコントロール性能を支えています。
【失敗談】「たかがプラスチック」と侮って数万円をドブに捨てた話
私が中級者向けのヨネックス EZONEを愛用していた頃の話です。週に3回はハードに打ち込んでいましたが、メンテナンスといえばガットの張り替えのみ。グロメットが少し削れて平らになっていることには気づいていましたが、「まだ使えるだろう」と放置していました。
ある日、スマッシュを打った瞬間に「バキッ」という嫌な音がしました。ガットが切れたのかと思いきや、なんとグロメットが突き破られ、ガットが直接フレームに食い込んで亀裂が入っていたのです。
修理は不可能。お気に入りのラケットはたった数百円のパーツ代をケチったばかりに、ゴミ箱行きとなりました。この時、ショップの店員さんに言われた「グロメットは消耗品。タイヤと同じですよ」という言葉が今でも胸に刺さっています。
経験者が教える「グロメット交換」3つのサイン
私の二の舞にならないために、以下のチェックポイントを定期的に確認してください。
- グロメットの「傘」がなくなっている:フレームの外側に出ているプラスチックの縁(ふち)が削れて薄くなっていたり、割れていたりしたら即交換です。
- ガットがフレームに沈み込んでいる:本来あるべきグロメットの厚みがなくなり、ガットが直接カーボンに触れそうになっている状態は非常に危険です。
- 打球音が濁る・振動が増える:グロメットが劣化して硬化すると、衝撃吸収性が失われ、手首への負担が増えたり、不快な振動が伝わるようになります。
メンテナンスで差がつく!長く使い続けるためのコツ
グロメットの寿命は、環境や使用頻度にもよりますが、一般的にはガット張り替え2〜3回に1回のチェック、あるいは1年に1回の全交換が推奨されます。
特にハードヒッターの方は、12時方向と6時方向のグロメットが真っ先に潰れます。全交換が面倒な場合は、傷んだ部分だけを補強するチューブなどの応急処置もありますが、基本的にはラケット用グロメットセットをモデルごとに購入し、プロのストリンガーに依頼するのが最も確実です。
まとめ:あなたの相棒(ラケット)を長く愛するために
グロメットは、ラケットという高価な精密機器を守るための「防弾チョッキ」のようなものです。ボロボロのチョッキでは、大切なフレームを守り切ることはできません。
次にガットを張り替える際は、ぜひ一度指先でグロメットの表面をなぞってみてください。もしザラついていたり、形が歪んでいたりしたら、それが交換の合図です。テニスラケット メンテナンス用品を常備しておく必要はありませんが、ショップに在庫があるか確認しておくくらいの意識を持つだけで、あなたのラケットの寿命は劇的に延びるはずです。
小さなパーツへのこだわりが、コート上での最高のパフォーマンスを生み出す第一歩になります。


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