ソフトテニスの後衛にとって、ラケット選びは「戦術そのもの」と言っても過言ではありません。一撃で相手を抜き去るパワー、広角に打ち分けるコントロール、そして粘り強いラリー。それらすべてを高次元で叶えてくれるのが、ミズノのDIOS(ディオス)シリーズです。
実際に複数のモデルをコートで振り抜き、泥臭いラリー戦を勝ち抜いてきた筆者の体験をベースに、各モデルの真の性格を紐解いていきます。
ミズノ DIOS シリーズが後衛に愛される理由
まず、DIOSを握って最初に感じるのは「面安定性の高さ」です。後衛特化型として設計されているため、ベースライン付近でのフルスイングでも面がブレにくく、自分の意図したコースへボールを押し込む感覚が非常に強いのが特徴です。
前衛向けのSCUD(スカッド)が「操作性と弾き」を重視しているのに対し、DIOSは「食いつきと爆発力」に重きを置いた、まさに後ろで支配するための武器と言えるでしょう。
【体験レビュー】モデル別・打球感と本音の評価
ここからは、実際にDIOSを使い込んだ際の体験をもとに、各グレードの違いを解説します。
1. DIOS Pro-R / DIOS Pro-X
「最高峰」の名の通り、これらは完全に上級者・競技者向けのモンスターマシンです。
実際にDIOS Pro-Rで打ってみると、まずその「硬さ」に驚きます。適当なスイングではボールが飛ばず、棒球になりがちです。しかし、しっかりと体を使い切ったフルスイングができた瞬間、凄まじい低弾道の爆速球が相手コートを突き抜けます。
「自分の力でボールを叩き潰したい」というハードヒッターにはこれ以上の相棒はいませんが、筋力に自信がない場合は腕への負担も大きいため、覚悟が必要です。
2. DIOS 10-R / DIOS 10-C
個人的に最も「バランスが良い」と感じるのが10シリーズです。
DIOS 10-Rは適度なしなりがあり、Proモデルほど硬すぎず、それでいて打ち負けない強さを持っています。ラリー中、苦しい体勢から深く返したい時、ラケットがグッとボールを掴んで運んでくれる感覚があります。高校部活の主力選手や、一般プレイヤーが最も恩恵を受けられる「勝てるラケット」の筆頭です。
3. DIOS 50-R / DIOS 50-C
「楽に、飛ばす」ことを体現しているのが50シリーズです。
DIOS 50-Cを握った際、スイートスポットの広さに感動しました。多少芯を外しても、ラケットの反発力がカバーしてくれます。中学生の買い替えや、女性プレイヤー、あるいは「力まずにコースを突きたい」というテクニシャンに向いています。打球感も非常にマイルドで、肘や肩に優しいのも大きなメリットです。
失敗しない選び方のコツ:末尾の「R」と「C」に注目
DIOSを選ぶ際、最も重要なのが末尾のアルファベットです。
- R(Reg): 弾きとスピードを重視した設計。とにかく速いボールを打ちたい、攻撃的な後衛向け。
- C(Comfort): 球持ちとコントロールを重視。コースを丁寧に突き、ミスを減らして粘り倒したい後衛向け。
筆者の体験では、速いテンポの試合が多いなら「R」、ロブを織り交ぜた緩急のあるテニスをしたいなら「C」を選ぶと、プレイスタイルにバチッとハマります。
さらにパフォーマンスを引き出すガットの組み合わせ
DIOSのポテンシャルを最大限に引き出すなら、ガット選びも妥協できません。
- 一撃の威力を高めたいなら: ミズノのモノファイバースピード。乾いた打球音と共に、DIOS特有の鋭い弾きが加速します。
- コントロールを極めたいなら: マルチファイバードライブ。食いつきがさらに増し、シュートボールの精度が一段階上がります。
結論:DIOSは後衛のプライドを具現化する
DIOSシリーズは、単なる道具ではなく、後衛としての意志をボールに伝えるための精密機械です。
圧倒的なパワーでねじ伏せたいのか、精密なコントロールで翻弄したいのか。自分の理想とする「後衛像」に合わせてモデルを選べば、コートでの景色は一変します。
迷っているなら、まずは自分のスイングスピードを考慮しつつ、10シリーズから試してみることを強くおすすめします。その一振りが、あなたのテニスを次のステージへ引き上げてくれるはずです。


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