「もっと楽にボールを飛ばしたい」「最近、肘や肩への負担が気になる」――。テニスコートでそんな悩みを感じたことはありませんか?その解決の鍵を握るのが、ラケット選びの指標となる「パワーレベル」です。
スペック表に並ぶ数字だけでは見えてこない、実際に打った時の「飛び」の感覚。今回は、私が長年のプレー経験の中で感じた「パワーレベルの正体」と、失敗しないラケット選びのコツを、リアルな体験談を交えてお届けします。
そもそもラケットの「パワーレベル」って何?
パワーレベルとは、一言で言えば「ラケットがどれだけボールを飛ばしてくれるか」という能力値です。メーカーによって独自の数値で表記されることもありますが、主に「フレームの厚み」「フェース面積」「素材の硬さ」の組み合わせで決まります。
初心者の頃、私は「とにかくカッコいいから」という理由で、プロが使うような薄くてしなりが強い、いわゆる「パワーレベルが低い」ラケットを選んでしまいました。結果はどうだったか。芯を外すと全く飛ばず、無理に飛ばそうとして腕を振り回したせいで、一ヶ月後にはテニス肘に悩まされることになりました。
逆に、パワーレベルが高いラケット(厚ラケ)に変えた途端、ボレーがネットを越えるようになり、守備範囲がグッと広がったのです。この「自分の筋力とラケットのパワーの調和」こそが、上達への近道だと痛感しました。
パワーレベルを左右するスペックの読み解き方
カタログを見る際、特に注目すべきは以下のポイントです。
- フレーム厚: 26mm以上のものはパワーが強く、22mm以下のものは自分の力で飛ばす必要があります。
- フェース面積: 100平方インチを基準に、大きくなるほどスイートスポットが広がり、パワーが増します。
- ストリングパターン: 目が粗い(16×19など)方が、ガットのたわみが大きくパワーが出やすい傾向にあります。
【体験談】パワー選びで失敗しないための「さじ加減」
パワーレベルが高いラケットは魔法の杖ではありません。以前、パワー自慢の友人が超軽量・高反発のプリンス エンブレム 110を手にした時のこと。彼は「当てるだけで飛ぶ!」と最初は喜んでいましたが、試合になると「飛びすぎて思い切り振れない」という壁にぶち当たりました。
パワーレベルを選ぶ際の黄金律は、**「フルスイングした時に、ベースラインの手前でボールが収まる最大値」**を見つけることです。
- スイングがゆっくりな方・体力に自信がない方: パワーレベル1000以上のモデル(例:バボラ ピュアドライブ)
- しっかり振り抜きたい初中級者: バランスの取れたパワーレベル(例:ヨネックス EZONE 100)
- パワーがあり余っている競技者: コントロール重視の低パワーモデル(例:ウィルソン プロスタッフ)
ラケットを変えずにパワーを調整する「裏技」
「今のラケットは気に入っているけど、もう少しだけパワーが欲しい」という時は、ガット(ストリング)を見直してみてください。
私の経験上、ポリエステル製のガットからナイロン製のテクニファイバー X-ONE バイフェイズに変更するだけで、ラケットのパワーレベルが一段階上がったような感覚が得られます。また、テンションを3〜5ポンド下げるのも有効です。道具を買い替える前に、まずはこの「微調整」を試す価値は十分にあります。
まとめ:あなたの相棒を見つけるために
ラケットのパワーレベルは、あなたのテニスを楽にしてくれる「追い風」のようなものです。強い追い風が欲しいのか、それとも自分の足でしっかり走りたいのか。
スペック上の数字に惑わされず、まずは試打をしてみてください。その際、「追い込まれた時の守備のボール」がどれだけ深く返るかに注目すると、本当に自分を助けてくれるパワーレベルが見えてくるはずです。
最高の相棒を手に入れて、次の週末のテニスをより一層楽しみましょう!


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