「あの人の守備、まるで壁みたいだ」——そんな風に感嘆される「ブロックマン」に、あなたもなってみたくありませんか?相手の強烈なスマッシュやドライブを、最小限の動きで、しかも涼しい顔で返し続ける。この快感は、自ら強打を打ち込む攻撃側以上のものがあります。
しかし、いざ実践してみると「ボールの勢いに負けてオーバーしてしまう」「ラケットに当たっても全然安定しない」といった壁にぶつかりがちです。私自身、かつては強打を恐れて手が震え、チャンスボールを量産する「自称ブロッカー」でした。
この記事では、私が試行錯誤の末に辿り着いた、体験に基づくブロックの極意を余すことなくお伝えします。
そもそも「ブロック」とは?基本の考え方
ブロックとは、単に飛んできたボールにラケットを当てるだけの「受け」の技術ではありません。本質は、相手のボールの威力を利用し、コースと勢いをコントロールして返球することにあります。
初心者の頃の私は、相手の球が速いとついつい焦って、自分からも「打ち返そう」と力を入れてしまっていました。これこそがミスの最大の原因です。自分でパワーを足してしまうと、反発力が増しすぎて制御不能になります。まずは「ラケットはただの壁。角度だけ作ればいい」というマインドセットを持つことが、ブロックマンへの第一歩です。
ブロックを安定させる3つの鉄則
長年の練習と試合経験から導き出した、絶対に外せない鉄則が以下の3つです。
1. 相手の回転に合わせた「角度調整」
ブロックの成否は、当たる瞬間の「面の角度」で8割決まります。ドライブに対しては面を被せ、カットマンのような切り返しには少し面を立てる。私はいつも、相手のラケットがボールを擦る瞬間の角度を凝視しています。その角度を「逆再生」するように自分の面を作る感覚です。
2. 打点は「頂点前」で捉える
ボールがバウンドして一番高くなる前、つまり「上がり際」を叩くのが鉄則です。頂点を過ぎてからだと、ボールの威力を吸収するのが難しくなります。一歩前に踏み込む勇気を持って、早い打点で捉えることで、相手の時間を奪うことができます。
3. 極限の「脱力」
これが一番難しいのですが、インパクトの瞬間に手首を固めすぎないことが重要です。私の体験から言うと、生卵を割らないように優しく包み込むような握り心地がベストです。ラケットを「固い壁」ではなく「厚手のスポンジ」にするイメージです。これにより、衝撃を絶妙にいなすことができます。
タイプ別ブロックテクニック
安定して返せるようになったら、次は相手を翻弄するテクニックに挑戦しましょう。
- 伸ばすブロック(ナックルブロック):当てる瞬間に少しだけラケットを前に押し出します。相手は「失速する」と思って踏み込んできますが、意外と球が伸びるため、タイミングを外すことができます。
- サイドスピンブロック:面を横にスライドさせながら当てます。右利きの相手のフォアサイドへ逃げるように曲げると、相手は大きく体勢を崩してくれます。これを決めた時の爽快感は格別です。
成功の鍵を握る「用具選び」
技術もさることながら、ブロックを武器にするなら用具へのこだわりも欠かせません。私のおすすめは、あえて反発を抑えたコントロール重視のセッティングです。
例えば、安定性を重視したカットマン用ラケットや、衝撃吸収に優れた粘着ソフトラバーなどを組み合わせることで、強打に対する安心感が劇的に変わります。特に低反発スポンジを搭載したモデルは、ブロック時の「ボールが食いつく感覚」が非常に分かりやすいです。
「ブロックマン」になるための具体的練習メニュー
私が毎日欠かさず行っていたのが、多球練習での「角度固定」です。
- 練習相手に全力でドライブを打ってもらう。
- 自分はラケットを動かさず、角度だけで同じコースに返球する。
- 慣れてきたら、当たる瞬間にわずかに力を抜く「吸収」の練習。
この練習を繰り返すうちに、体が勝手に「最適な角度」を覚えるようになります。試合の緊張した場面で助けてくれるのは、この反復で身につけた「指先の感覚」だけです。
まとめ
ブロックは一見地味な技術に見えますが、極めればこれほど頼もしい武器はありません。相手が必死に打った渾身の一撃を、涼しい顔でエッジに沈める。その瞬間に相手が絶望する表情を見ることこそ、ブロックマンの醍醐味です。
まずは今日の練習から、ラケットを「壁」にするイメージで取り組んでみてください。鉄壁の守備を手に入れた時、あなたの勝率は確実に跳ね上がります。


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