テニスプレーヤーなら一度は憧れる、赤いフレームの旋回。ヨネックスのVCOREは、ただのスピン系ラケットではありません。実際にコートで振り抜いた瞬間、空気を切り裂くような「シュッ」という独特の音とともに、相手の足元で急激に沈み、バウンド後に高く跳ね上がる弾道。この「跳弾スピン」こそが、多くのユーザーを虜にする理由です。
今回は、最新のVCOREシリーズを全モデル打ち倒してきた筆者が、カタログスペックだけでは分からない「生の使用感」を徹底的に深掘りします。
なぜVCOREは勝手にスピンがかかるのか?
最新のVCOREを握って最初に驚くのは、その圧倒的な「振り抜きの良さ」です。フレームのトップ部分がより薄く、シャープに設計されており、スイングスピードが自然と上がります。
さらに特筆すべきは「シリコーンオイルインフラム」の恩恵です。打球時にストリングが大きく動き、瞬時に戻る「スナップバック」が手に取るように分かります。ボールをグチャッと潰して、スピンの回転を上乗せして放り出すような、独特の「粘り」と「食いつき」が体感できるのです。
【体験レビュー】モデル別・本音のインプレッション
競技者の牙:VCORE 95
正直、甘いラケットではありません。しかし、芯を食った時の打球感はシリーズ随一のクリアさです。
「95インチだから飛ばないのでは?」という不安をよそに、しっかり振り切れば驚くほど低い軌道から急降下してライン際で収まります。ボレーのタッチ感も繊細で、手のひらでボールを転がしているような感覚。自分のスイングに絶対の自信があるなら、これ以上の武器はありません。
黄金のバランス:VCORE 98
私個人として最も信頼しているのがこの「98」です。100インチよりも操作性が高く、95インチよりも圧倒的に寛容。
厚い当たりで叩いた時、ボールが一度フレームに深く沈み込み、そこから猛烈な回転を伴って飛び出していく感覚が病みつきになります。相手をコート外へ追い出すアングルショットが、狙った通りに決まる爽快感。競技志向の学生や、パワーのある一般中上級者に最も推奨したい一本です。
究極のスピンマシン:VCORE 100
「とにかく楽に、高く跳ねるボールを打ちたい」なら迷わずこれです。
スイートスポットが広く、少し打点が遅れてもラケットが勝手に仕事をしてくれます。特筆すべきは守備力。追い込まれた時のスライスやロブが、あと数十センチ深く入ってくれるおかげで、何度ピンチを救われたか分かりません。エッグボールの質を一段階上げたいストローカーにとって、これほど心強い相棒はいないでしょう。
EZONEとの決定的な違いは?
よく比較されるEZONE(イーゾーン)ですが、性格は真逆です。
EZONEは「パチン」と弾く直線的なパワー。対してVCOREは「ムギュッ」と掴んで放り投げる曲線的なスピン。
フラットドライブで打ち抜きたい日はEZONEが気持ち良いですが、試合で競り合った時、ネットミスを減らし、安定してコートに収め続けてくれるのは間違いなくVCOREの粘り強さです。
結論:あなたが選ぶべきVCOREは?
今回の試打体験を通じて改めて感じたのは、VCOREは「プレーヤーの意志を回転に変換してくれる装置」だということです。
ガットはぜひ、同じヨネックスのポリツアーレブを張ってみてください。このラケットが持つスピン性能を120%引き出し、あなたのテニスを劇的に変えてくれるはずです。赤い旋風を味方につけて、コートでその「跳弾」を体感してみてください。


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