「特殊素材の弾みは欲しいけれど、あの硬い打球感がどうしても馴染めない……」
そんな悩みを抱えるプレイヤーの間で、いま静かな、しかし確実な革命が起きています。その中心にあるのが、ナノレベルまで解きほぐされた植物繊維「セルロースナノファイバー(CNF)」を搭載したラケットです。
私自身、長年インナーカーボンや純木材のラケットを渡り歩いてきましたが、レボルディア CNFを手にしてから、その打球感の概念を根底から覆されました。今回は、巷に溢れるスペック表の数字ではなく、実際にコートで数千球打ち込んで感じた「生の手応え」をベースに、CNFラケットの真実を語り尽くします。
最初に感じたのは、カーボンにはない「ボールを掴む」安心感
CNFラケットを初めて使った瞬間の衝撃は、弾みの強さではなく「球持ち」の良さでした。
一般的なカーボンラケット(ALCやZLCなど)は、当たった瞬間にボールが弾け飛ぶ感覚があり、微細なタッチの調整が難しい側面があります。しかし、CNFは違います。インパクトの瞬間、まるで高級な純木材ラケットのようにボールをググッと一瞬受け止めてくれる感覚があるのです。
特にその恩恵を感じたのは、相手の強烈なドライブをブロックする時です。
「あ、オーバーしたかな?」と思ったボールが、台の端でギュンと沈んで収まる。この「安心感」こそが、CNFという素材が持つ最大の武器だと確信しました。
攻撃面での体験:回転量とスピードの「矛盾」が消えた
卓球において、スピードを求めれば回転が犠牲になり、回転を重視すればスピードが落ちる。これは永遠のテーマです。
しかし、レボルディア CNFのような高性能モデルは、このトレードオフを驚くほど高次元で解消してくれます。
- ドライブの伸び: 下回転打ちの際、木材の感覚でしっかり擦り上げると、飛んでいくボールはカーボン並みのスピード。なのに、相手のコートでバウンドした後に重く沈み込む、強烈な回転がかかっています。
- 中陣からの引き合い: 離れた位置からの打ち合いでも、素材の反発力がしっかりサポートしてくれるため、振り遅れてもボールがネットを越えてくれます。
個人的な体験として最も驚いたのは、カウンターの成功率です。ボールを掴む時間が長いため、相手の回転を上書きして叩き込む際の「コントロールのゆとり」が格段に増えました。
良いことばかりじゃない?3ヶ月使って気づいた「注意点」
もちろん、どんなラケットにも相性があります。実際に使い込む中で感じた、人を選ぶポイントも正直にお伝えします。
- 打球音の好みが分かれる: カーボンの「キンッ」という高い音でもなく、木材の「ポコン」という音でもない、少し独特な、詰まったような打球音がします。
- 価格の壁: 記事執筆時点でレボルディア CNFは3万円を超える価格設定です。初心者の方が最初に手にするには勇気がいりますし、その性能を100%引き出すには、ある程度のスイングスピードも求められます。
- 重量感: 個体差はありますが、私が使用している個体はやや重めでした。合わせるラバー(ディグニクス05など)によっては、総重量が重くなりすぎて振り抜きに影響が出る可能性があります。
CNFラケットは、どんな人におすすめか
これまでの体験を踏まえると、CNFラケットは以下のようなプレイヤーにとって「最高の相棒」になるはずです。
- 「木材の感覚が一番好き、でも得点力が足りない」と悩む技巧派
- 粘着ラバーを愛用しており、素材の力で飛距離を補いたい人
- カーボンの直線的な弾道が苦手で、もっと放物線を描きたい人
逆に、とにかく最速のスピードで打ち抜きたいという超攻撃型なら、ビスカリアのような王道カーボンの方がしっくりくるかもしれません。
結論:道具に「感性」を求めるなら、CNF一択
CNFラケットは、単にスペックが高いだけの道具ではありません。プレイヤーの指先の感覚を殺さず、かつ現代卓球に必要なパワーを上乗せしてくれる「感性の拡張機」のような存在です。
もしあなたが、今のラケットにどこか「自分の技術と道具が分離している感覚」を抱いているなら、ぜひ一度CNFの世界を覗いてみてください。一球打てば、その「優しく、かつ鋭い」感触の虜になるはずです。
次は、あなたのコートでその驚きを体験してみてください。


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