バドミントンにおいて、ラケット選びと同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのがガット(ストリング)選びです。ヨネックスのガットは世界シェアNO.1だけあって種類が膨大ですが、スペック表の数値だけを見て選ぶと「思ったより飛ばない」「すぐに切れてしまった」という失敗に繋がりかねません。
今回は、数多くのヨネックス製ガットを実際にコートで打ち込んできた経験をもとに、プレースタイル別の選び方と、リアルな使用感をお届けします。
なぜヨネックスのガット選びで「打球感」が最優先なのか
ガット選びの際、カタログの「反発力」や「耐久性」のグラフを鵜呑みにしすぎるのは禁物です。実際に打ってみると、インパクト時の「手に伝わる振動」や「シャトルの食いつき」が、あなたのスイングのリズムに合うかどうかがパフォーマンスを左右するからです。
私が以前、とにかく弾きを求めてBG66アルティマックスを張った時、そのスピード感には感動しましたが、冬場のハードな練習では1週間持たずに切れてしまい、ショックを受けたことがあります。自分のプレースタイルと、どれくらいの頻度で張り替えを許容できるか、そのバランスを体験談から紐解いていきましょう。
【タイプ別】後悔しないヨネックスガットのおすすめ
1. スピードと高い打球音で攻めたいなら
「パン!」という高い金属音と共に、一瞬でシャトルを弾き出したいなら、最新のフォージドファイバーを採用したシリーズが筆頭候補です。
- エクスボルト 63実際に使ってみて驚いたのは、その「細さ」からは想像できないキレです。ドライブの応酬で、相手より一瞬早く球を返せる感覚があります。ただ、スマッシュのパワーで押し切るタイプよりは、速いタッチでコースを突くプレーヤーに向いています。
- エクスボルト 6563よりも少し「芯」を感じる打ち応えです。私は現在これをメインに使っていますが、エクスボルト 63よりも若干耐久性が高く、ハードヒットした時の安心感が増しています。
2. 重いスマッシュでエースを取りたいなら
シャトルを一度ガットで捕らえ、そこから一気に押し出すような感覚を求めるなら、少し太めのゲージやコーティングに特徴があるモデルが最適です。
- BG80パワーベテラン層やハードヒッターに愛用者が多い名作です。ベクトランという素材の影響か、打球感が非常に「硬い」のが特徴です。芯を食った時のスマッシュの伸びは、他のガットでは味わえません。「ガツン」と手に来る衝撃を快感に感じるなら、これ一択でしょう。
- BG66フォースBG66アルティマックスの弾きに、少し「粘り」を加えたような感覚です。インパクトの瞬間にシャトルが少し沈み込む感覚があるので、コントロールもしやすいのがメリットです。
3. コスパと耐久性を何より重視するなら
「ガットがすぐ切れるのは困る、でも打球感も捨てたくない」というワガママな要望に応えてくれるのが、長年愛されるベストセラーです。
- 強チタンもはや説明不要のロングセラー。私も中学生時代はお世話になりました。コーティングの効果で表面が滑りやすく、耐久性はピカイチです。打球感は少し大味ですが、どんなラケットにも合う万能さがあります。
- ナノジー95カーボンナノファイバー複合で、耐久性と反発のバランスが良いです。冬場にガットがパチパチ切れてしまう時期、このガットに助けられた経験があります。打球音は少し低めですが、粘り強いレシーブがしやすくなります。
失敗しないテンション(張力)の合わせ方
ガットの種類が決まったら、次は「何ポンドで張るか」です。よくある失敗が、上級者への憧れから「28ポンド」などの高テンションで張ってしまうこと。
私も一度、背伸びをして高テンションでBG80を張ったことがありますが、スイートスポットが極端に狭くなり、少し芯を外しただけで手首に強烈な振動が来ました。結果としてシャトルが飛ばず、フォームを崩す原因になりました。
- 初心者の目安: 18〜22ポンド
- 中級者の目安: 23〜26ポンド
- 上級者の目安: 27ポンド〜
自分の力でしっかりシャトルを奥まで飛ばせる範囲で、徐々に上げていくのが一番の近道です。
寿命の見極め:切れる前に張り替えるべき?
ガットは切れるまで使う人が多いですが、実は「賞味期限」があります。
張り替えてから1ヶ月も経つと、テンションが落ちて(緩んで)、打球感が「ボヤっ」としてきます。表面が毛羽立ってきたら、それは「もうすぐ切れるサイン」です。大事な試合の直前に切れて焦るよりも、毛羽立ちが見えた段階でエアロバイトなどのハイブリッドガットを試してみるなど、新しい感覚を取り入れるタイミングにするのが賢明です。
まとめ:あなたの理想の打球感を見つけよう
ヨネックスのガットは、それぞれに明確な個性があります。
- キレと音を重視するなら エクスボルト シリーズ。
- 一撃の重さを求めるなら BG80パワー。
- 迷ったらまずは王道の BG66アルティマックス か、耐久性の 強チタン。
まずは1種類、自分が「これだ」と思うものを決めて使い込んでみてください。そこを基準に「もう少し弾きが欲しい」「もう少し柔らかい方がいい」と調整していくことで、必ずあなたにとっての神ガットが見つかるはずです。


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