テニスプレーヤーなら一度は憧れる「赤い跳ね馬」、ヨネックスのVCORE 98。スピン性能に特化したこのモデルが、最新テクノロジーを搭載してどのように進化したのか。数ヶ月間、ハードコートとオムニコートで使い倒した私のリアルな体験をもとに、その正体を解き明かします。
最初に感じた「食いつき」と「振り抜きの鋭さ」
バッグからVCORE 98を取り出し、最初の数球を打った瞬間に感じたのは、フレームの圧倒的なしなりと「ボールを掴む」感覚でした。一般的な98インチのラケットは、コントロールを重視するあまり打球感が硬くなりがちですが、このモデルは違います。
特に新採用のシリコンオイル浸透グロメットの効果か、ストリングが大きく動いて戻る「スナップバック」が手に取るようにわかります。これにより、ベースライン際で「あ、アウトかな?」と思ったボールが、急激にシュート回転やドライブがかかってコート内に収まる。この安心感は、攻撃的なプレーヤーにとって最大の武器になります。
プレースタイル別の体験フィードバック
ストローク:エッグボールが自然に打てる
私自身、フラットドライブ系のショットが多いのですが、VCORE 98を使うと自然に軌道が上がります。ネットの上、ラケット2本分高いところを通しても、サービスライン付近で急降下する弾道には驚かされました。スイングスピードを上げれば上げるほど、フレームの空気抵抗の少なさが際立ち、振り抜きの良さが加速します。
サーブ:跳ねる、曲がる、逃げていく
このラケットで最も恩恵を感じたのがサーブです。トップヘビーすぎないバランス設計のおかげで、回内動作がスムーズに行えます。スピンサーブはより高く跳ね、スライスサーブはワイドに大きく逃げていく。相手から「いつもよりボールが重い」と言われることが増えたのは、明らかにこのラケットのスピン性能のおかげでしょう。
ボレーとタッチ:98インチの操作性が光る
100インチモデルと比較すると、やはり操作性はVCORE 98に軍配が上がります。ネット前での素早いラケットワークが求められるダブルスでも、面がブレることなくカチッと決まります。オフセンターで捉えた時の衝撃はそれなりにありますが、芯を食った時の心地よい打球感は病みつきになります。
ユーザーのリアルな声:メリットとデメリット
実際に周囲のプレーヤーやネット上の声をまとめると、以下のような傾向が見えてきました。
- ポジティブな評価: 「とにかくスピンがかかる」「ヨネックス特有のアイソメトリック形状でスイートスポットが広く感じる」「デザインの赤がコートで映える」。
- ネガティブな評価: 「しっかり振れないとボールが浅くなる」「前作より飛びが良くなった分、飛びすぎを抑える調整が必要」。
確かに、楽に飛ばしてくれるラケットではありません。しかし、自分の力でスイングを完結できる中・上級者にとっては、これほどリニアに反応してくれる相棒は他にいないはずです。
VCORE 98に合わせたいストリング
このラケットの性能を引き出すなら、同じくヨネックスのポリツアーレブがおすすめです。八角形断面の構造がさらにスピンを増幅させてくれます。もし、もう少しマイルドな打球感が好みなら、ポリツアープロを48ポンド前後で張ることで、ホールド感を最大限に楽しめます。
結論:このラケットは「攻めたい」あなたのための1本
VCORE 98は、単なるスピン系ラケットではありません。「正確なコントロール」を維持したまま「強烈な回転」を加えたい欲張りなプレーヤーに向けた、精密機械のような道具です。
守備で粘るテニスから、一歩踏み込んでエースを奪いに行くテニスへ。あなたのプレースタイルを次のステージへ引き上げてくれるはずです。まずは一度、この「赤い旋風」を体感してみてください。


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