テニス界で「最も売れるラケット」の筆頭候補、ヨネックスのEZONEがついに2025年、第8世代へとアップデートされました。前作の2022年モデルが完成されすぎていただけに、「これ以上どこを変えるの?」と半信半疑だった私ですが、実際にコートで打ち込んだ瞬間、その進化の方向に驚かされました。
今回は、フルモデルチェンジした新作EZONEを手に、ハードコートで3時間じっくりと試打した生の声をお届けします。
1. 驚愕の新素材「MINOLON(ミノロン)」がもたらす感触
今回の新作で最大のトピックは、ミノムシの糸の構造を応用したという新素材「MINOLON」の採用です。正直、スペック表を見たときは「また新しいマーケティング用語かな?」なんて思ってしまいましたが、いざボールを捉えてみると、その意図がはっきりと伝わりました。
一言で言えば、「マイルドなのに、クリア」。
前作EZONE 2022はパキッとした弾きの良さが魅力でしたが、オフセンターで打った時の微振動が気になる場面もありました。しかし今作は、インパクトの瞬間にフレームがグッと一瞬ボールを掴むような感覚があります。それでいて、離した後はEZONEらしい爆発的なスピードが出る。この「ホールド感と弾きの共存」こそが、今作の正体です。
2. 実打インプレ:モデルごとの「体験」の違い
EZONE 100 ―― 黄金スペックの完成形
まずは最も多くのプレーヤーが手にするであろう100平方インチモデル。
ボレーを打った時の安心感が別次元です。「あ、ちょっと差し込まれた」と思った場面でも、アイソメトリックの進化のおかげか、フレームのどこに当たっても面がブレずに押し返してくれます。
特筆すべきはスピン性能。前作よりも少し軌道が上がりやすく、ベースライン際で急降下して収まってくれるため、強気に振り抜ける安心感が増しました。
EZONE 98 ―― 競技者が求める「吸い付き」
コントロール重視の98平方インチは、今作の「マイルドさ」が最も良い方向に作用しています。
フラットドライブで打ち抜いた時の「パチン!」という乾いた音とともに、手に伝わる感覚が非常に情報量豊かです。前作が「硬い盾」だとしたら、今作は「しなやかな鞭」。ハードヒットした時の腕への衝撃が驚くほど少なく、連戦でも疲れにくいラケットに進化したと感じます。
3. 前作(2022年モデル)から買い換える価値はあるか?
結論から言うと、「今のラケットに少しでも『硬さ』や『振動』を感じているなら、迷わず買い」です。
私自身、肘に軽い違和感を抱えながらテニスをすることがあるのですが、EZONE 2025は非常にクリーンな打球感で、不快な衝撃がカットされています。一方で、2022年モデルの「金属的な弾き」が大好きだという方には、少し柔らかすぎると感じるかもしれません。
しかし、試合で勝ちたい、ミスを減らしたいという実戦志向のプレーヤーにとって、この「スイートエリアの広さ」と「扱いやすさ」は、何物にも代えがたい武器になります。
4. おすすめのセッティング
今回の試打ではポリツアープロ 125を48ポンドで張りました。
フレーム自体にホールド感があるため、ガットは少し弾きを重視したポリツアーレブや、スピード感を高めるポリツアーストライクを組み合わせるのが、新作の良さを最大限に引き出す最適解だと確信しました。
まとめ:進化した「ブルーの力」を体感せよ
ヨネックスが「シリーズ史上最大のスウィートエリア」と謳うのは、決して誇張ではありませんでした。
EZONE 2025は、これまでのパワーを維持しつつ、プレーヤーに「心の余裕」を与えてくれるラケットです。一度コートでこの「掴んで飛ばす」感覚を味わってしまうと、もう古いモデルには戻れないかもしれません。
迷っているなら、ぜひ一度スクールやショップでレンタルして、ご自身の腕でこの進化を確かめてみてください。


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