「最近、ショットが安定しない」「インパクトの瞬間にラケットが微妙にずれる気がする」……。もしあなたがそう感じているなら、ラケットを買い替える前に、まずはグリップテープを見直すべきかもしれません。
テニスにおいて、体とラケットが唯一接するポイントがグリップです。ここを妥協するのは、タイヤがツルツルのスポーツカーでサーキットを走るようなもの。今回は、数多くの失敗と成功を繰り返してきた筆者の体験をもとに、本当に信頼できるグリップテープの選び方と、最高のフィット感を手に入れるためのコツを徹底解説します。
【体験比較】ウェット vs ドライ、結局どっちが「買い」?
グリップテープ選びで最初にぶつかる壁が「ウェット」か「ドライ」かという選択です。これ、実は「好み」以上に「手の性質」と「季節」が大きく関わります。
ウェットタイプ:手に吸い付くような一体感
- 使用感: しっとりとしていて、握った瞬間に「あ、これ滑らないな」という安心感があります。
- 筆者の体験: 冬場の乾燥した時期、カサカサの手でラケットを振ると、遠心力でラケットが飛んでいきそうになる恐怖がありました。そんな時、ヨネックス ウェットスーパーグリップに変えたところ、指先に力を入れなくてもラケットが固定され、ボレーのタッチが劇的に向上しました。
- 向いている人: 手が乾燥気味の人、軽い力でラケットを保持したい人。
ドライタイプ:汗をかくほど真価を発揮する
- 使用感: 触り心地はサラサラ。ところが、汗を吸うと不思議な粘り気が出てきます。
- 筆者の体験: 真夏のハードな練習中、ウェットタイプだと汗でヌルヌルになり、グリップチェンジの際につるっと滑ってミスショットを連発しました。藁にもすがる思いでトーナグリップを巻いてみたところ、驚くほど汗を吸収し、最後まで強気で振り切ることができたのです。「夏はドライ一択」というベテランの言葉の意味を痛感した瞬間でした。
- 向いている人: 手汗が多い人、夏場の試合に出場する人。
【目的別】テニス歴10年の筆者が選ぶおすすめテープ
世の中には無数のテープがありますが、実際に使い倒して「これなら間違いない」と断言できる3本を紹介します。
1. 迷ったらこれ!不動の王道
テニスコートに行けば必ず誰かが使っている、超定番モデル。適度な厚みと絶妙な吸着力が魅力です。カラーバリエーションも豊富ですが、私の経験上、なぜか「白」が一番しっとり感が長持ちする気がします。
2. 汗っかきの救世主(プロ使用率No.1)
「青いテープ」でおなじみの名作。耐久性は正直高くありません。1試合でボロボロになることもありますが、その瞬間のグリップ力は他の追随を許しません。勝負どころで使いたい「決戦用」です。
3. コスパと耐久性のハイブリッド
「ドライが良いけど、すぐボロボロになるのは嫌だ」というワガママに応えてくれるのがこれ。表面が剥がれにくく、ドライ特有のサラサラ感が長続きします。練習頻度が高い学生さんや市民プレーヤーに最適です。
【失敗談から学ぶ】プロ級に綺麗に巻く3つのコツ
自分で巻くと「シワができる」「端っこが浮いてくる」……そんな悩みはありませんか? 私も最初は不器用すぎて、握るたびにシワが指に当たってマメを作っていました。
- 「引き」が命!少し伸ばしながら巻く緩んでいると打球の衝撃でズレます。特に巻き始めのエンドキャップ部分は、千切れない程度にグッと引っ張りながら密着させてください。
- 重ね合わせは「3mm」の美学重なりが多すぎるとグリップが太くなりすぎて感覚が狂います。逆に少なすぎると、激しい動きの中で隙間が空いて元グリップが見えてしまいます。常に3mm程度の重なりをキープするのが、握り心地を損なわない秘訣です。
- 左利きは必ず「逆方向」に巻くことこれ、意外と盲点です。右利き用の方向に巻いたラケットを左利きが使うと、スイングの回転方向に沿ってテープの重なりがめくれやすくなります。左利きの人は、自分から見て右回りに巻いていく「逆巻き」を徹底しましょう。
交換のタイミングをケチってはいけない
「まだ色がついてるから大丈夫」と、ツルツルのテープを使い続けていませんか?
私の苦い経験ですが、交換を渋ったせいでインパクト時にラケットが面ブレし、肘に余計な負担がかかってテニス肘を患ったことがあります。
- ウェット派: 表面のテカリが出て、指で触って滑るようになったら交換。
- ドライ派: 表面が毛羽立ってきたり、吸水力が落ちたと感じたら交換。
週2回のプレーなら、最低でも1ヶ月に1回は巻き替えるのが、パフォーマンスを維持し怪我を防ぐための「投資」になります。
グリップテープひとつで、あなたのテニスはもっと楽しく、もっと正確になります。まずは気になる1本を手に取って、その違いを体感してみてください。


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