バドミントンのダブルスにおいて、試合の趨勢を決めるのは「前衛のスピード」です。そんな前衛での圧倒的な支配力を求めるプレイヤーから絶大な信頼を得ているのが、ASTROX 88S PROです。
今回は、実際にコートで数ヶ月間このラケットを振り抜いた経験をもとに、スペック表だけでは見えてこない「リアルな打球感」と「使いこなしのコツ」を徹底解説します。
ネット前を制する「絶妙なホールド感」の正体
ASTROX 88S PROを握って最初に驚くのは、その取り回しの良さです。通常のラケットよりも全長を5mm短く設計しているため、身体の近くに飛んできた速い球に対しても、手首の返しだけで「パチン」と反応できます。
特筆すべきは、新設計のグロメット構造による「球持ち」の良さです。シャトルがストリング面に一瞬吸い付くような感覚があり、ただ弾くだけのラケットとは一線を画すコントロール性能を実感しました。ヘアピンを打つ際、指先の感覚がそのままシャトルに伝わるような繊細さは、YONEXの技術の結晶と言えるでしょう。
【実録】ドライブ・レシーブで感じた「3U」と「4U」の境界線
私はASTROX 88S PROの4Uサイズをメインで使用していますが、一時期3Uを試した際、その性格の違いに驚かされました。
- 4U(軽量モデル)の体験:とにかく「速いラリー」に強い。ダブルスの激しいドライブ合戦において、ラケットワークが遅れることがほぼなくなりました。レシーブでも、面を合わせるだけでシャトルが奥までしっかり伸びてくれます。
- 3U(重量モデル)の体験:前衛特化型とはいえ、3Uになるとスマッシュの重みが格段に増します。前衛で叩き落とすプッシュも、重戦車のような破壊力が加わります。ただし、連続して振り続けるには相応のリストの強さが必要です。
多くの社会人プレイヤーや女性プレイヤーであれば、4Uを選択することでこのラケットの最大の武器である「操作性」を最大限に享受できるはずです。
世代を超えた進化:第3世代はここが違う
旧モデル(第2世代)と比較して感じるのは、打球感の「マイルドさ」の向上です。ASTROX 88S PROの最新モデルには「2G-Namd Flex Force」という新素材が採用されており、強打した時にはしっかりしなり、復元が非常に速いのが特徴です。
「硬すぎて扱いにくい」という先代のイメージを払拭し、中級者層でも「これなら飛ばせる」と感じられる絶妙な剛性バランスに仕上がっています。それでいて、スイートエリアが拡大されているため、オフセンターで捉えた時のミスショットが激減したのも嬉しいポイントです。
ASTROX 88D PROとの決定的な使い分け
ペアを組むパートナーがASTROX 88D PROを使っている場合、その相性は抜群です。D(Dominate)が後衛から重い一撃を放ち、浮いた球をS(Skill)であるあなたが前衛で仕留める。
ASTROX 88S PROは、決して一発のスマッシュでエースを取るためのラケットではありません。相手のレシーブを翻弄し、チャンスを確実に沈める「仕事人」のための道具です。もしあなたが「もっとネット際で勝負したい」「ダブルスのスピード感についていきたい」と悩んでいるなら、このラケットがその壁を壊してくれるでしょう。
おすすめのセッティング
私の実体験として、ASTROX 88S PROにはBG80やエクスボルト 63のような、少し硬めで弾きの良いガットを組み合わせるのがベストだと感じました。
- コントロール重視なら: BG66アルティマックス
- スピードと耐久性なら: エクスボルト 65
テンションは、ラケット自体のホールド感を活かすために、普段より1ポンド落として張り上げるのも一つの手です。
結論:前衛の支配者になりたいあなたへ
ASTROX 88S PROは、単なる道具ではなく、ダブルスの戦術を広げてくれるパートナーです。手にした瞬間、あなたのプレースタイルはより攻撃的で、より緻密なものへと進化するでしょう。
次の試合、ネット前で相手を絶望させる準備はできていますか?


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