テニスラケットを新調したとき、あるいはガットを張り替えたとき、意外と後回しにされがちなのが「グリップテープ」です。しかし、ラケットとプレーヤーが接触する唯一の接点であるグリップは、ショットの精度を左右する最も重要なパーツと言っても過言ではありません。
「なんとなく安いやつを選んでいる」「手が滑るけどこんなものだと思っている」という方は、非常にもったいないことをしています。今回は、10種類以上のテープを使い倒してきた筆者の体験をもとに、後悔しないグリップテープの選び方を徹底解説します。
グリップテープ一つでショットの「迷い」が消える
私がテニスを始めたばかりの頃、手汗でラケットが面ブレすることに悩んでいました。コーチに勧められてグリップテープを自分に合うものに変えた瞬間、指先の感覚が研ぎ澄まされ、ボレーのタッチが劇的に改善したのを今でも覚えています。
グリップテープには大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれの「握り心地」のリアルな体験談を見ていきましょう。
1. ウェットタイプ(吸い付くもっちり感)
最も普及しているタイプで、表面に湿り気があり、手にピタッと吸い付くのが特徴です。
- 体験談: 冬場の乾燥した時期、カサカサの手でも軽い力でラケットを保持できます。握り込まなくても滑らない安心感があるため、無駄な力みが取れてスイングがスムーズになります。
- おすすめ: ヨネックス ウェットスーパーグリップ「迷ったらこれ」と言われる王道。しっとりした感触が長く続き、コストパフォーマンスも抜群です。
- 注意点: 夏場に大量の汗をかくと、表面がヌルヌルして逆に滑りやすく感じることがあります。
2. ドライタイプ(さらさら、汗を吸う爽快感)
表面が布のような質感で、汗を吸収することでグリップ力が増すタイプです。
- 体験談: 夏場の猛暑日、ウェットタイプでは太刀打ちできないほどの滝汗をかいた際、ドライタイプに変えて救われました。汗を吸うほどに手に馴染む感覚は、一度ハマると病みつきになります。
- おすすめ: キモニー ラストドライドライ派からの絶大な支持を誇るモデル。独特のザラつきが汗をしっかりホールドしてくれます。
- 注意点: 手が乾燥している時に使うと、逆に滑りやすく、摩擦で手の皮が剥けやすくなることもあるので注意が必要です。
3. 凹凸・穴あきタイプ(ひっかかり重視)
スポンジの芯が入っていたり、表面にパンチング加工が施されたタイプです。
- 体験談: 指の引っかかる位置が明確になるため、グリップチェンジのミスが減りました。特にボレーなど、瞬時にグリップを切り替える際に「今どこを握っているか」が直感的にわかります。
0.1mmの差が生む「打球感」の正体
グリップテープの厚さは、一般的に0.4mmから0.7mm程度。たった0.1mmの差ですが、これが打球感に大きな影響を与えます。
- 薄め(0.4mm〜0.5mm):ラケット本体の「角」をしっかり感じられます。「今は面がどこを向いているか」という情報をダイレクトに受け取りたいハードヒッター向け。手のひらに伝わる衝撃は強めですが、操作性は抜群です。
- 厚め(0.6mm〜0.7mm):クッション性が高く、長時間のプレーでも疲れにくいのがメリット。ボウブランド プログリップのような高品質で厚みのあるテープは、手に吸い付くような柔らかい打球感を生み出し、手首や肘への負担を軽減してくれます。
失敗しないための「プレースタイル別」診断
自分のタイプがわからない方は、以下の基準で選んでみてください。
- 「手が乾燥しやすく、握力が弱め」→ ウェットタイプがおすすめ。軽い力でホールドできます。
- 「夏場にラケットが手の中で回ってしまう」→ ドライタイプ一択。汗を味方にできます。
- 「繊細なタッチショットを極めたい」→ 薄手のウェットタイプ。角を感じてコントロールを重視しましょう。
- 「手首に不安がある、マメができやすい」→ 厚手または凸凹タイプ。クッション性で手を保護します。
最後に:交換時期は「技術の賞味期限」
「まだ剥がれていないから大丈夫」と、数ヶ月同じテープを使っていませんか?
私の経験上、週1回のプレーでも、グリップの「美味しい時期」は1ヶ月が限界です。表面がテカテカしてきたり、色がくすんできたら、それは滑り始めているサイン。滑るグリップを補おうとして無意識に強く握りすぎることで、ショットの柔軟性が失われ、上達を妨げてしまいます。
新品のテープに巻き替えた直後の、あの「手に吸い付く安心感」。それだけで、次のテニスがもっと楽しく、もっと正確になるはずです。
次は、自分でも綺麗に巻ける「グリップテープの巻き方のコツ」について詳しくお伝えしましょうか?


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