「テニスを始めたいけれど、ラケットの種類が多すぎて何を選べばいいか全くわからない」「スクールのコーチに勧められるがまま買ったけれど、実は自分に合っていない気がする……」。そんな悩みは、テニスプレーヤーなら誰もが一度は通る道です。
スペック数値上の正解が、必ずしもあなたにとっての正解とは限りません。今回は、テニス経験者が実際に経験した「ラケット選びの失敗談」を交えながら、一生モノの相棒に出会うための真実の選び方を解説します。
1. なぜ「おすすめ1位」を買っても失敗するのか?【体験談から学ぶ】
ネットの人気ランキングやプロの使用モデルを盲信して購入し、数ヶ月で買い直すことになったケースは後を絶ちません。
- 失敗例①:憧れのプロモデルを買って「テニス肘」に「憧れの選手が使っているから」という理由で、Wilson プロスタッフのような重くてしなりが強いモデルを選んだAさん。しかし、筋力が追いつかず振り遅れが頻発。衝撃を肘で吸収し続けた結果、テニス肘を患い、半年間の戦線離脱を余儀なくされました。
- 失敗例②:「黄金スペック」なのにボールが飛ばない?「初心者から中級者まで使える定番」と言われるBabolat ピュアドライブを購入したBさん。反発力が高いはずなのに、実際に打ってみるとボールが浅くなり、相手のチャンスボールに。原因は「自分から振る力」が足りず、ラケットの反発性能を十分に引き出せていなかったことでした。
- 失敗例③:試打では最高だったのに、試合で負け続けた理由試打会でYONEX EZONEを打ち、その飛びの良さに感動したCさん。しかし、実際の試合では緊張でスイングが縮こまり、思いのほかボールがアウト。練習時の「100%の力」ではなく、試合中の「50%の守り」の時にどう飛ぶか、という視点が欠けていたのです。
2. 自分の「現在地」を知る!レベル・タイプ別の選び方
ラケット選びで最も大切なのは、見栄を張らずに「今の自分のスイング」を客観的に評価することです。
【初心者】「飛ばし」をラケットに丸投げする
初心者のうちは、正しいフォームを作ることに集中すべきです。ボールを飛ばす作業はラケットに任せましょう。
- フェイス面積: 100〜105平方インチ(スイートスポットが広いもの)
- フレーム厚: 26mm以上の「厚ラケ」。軽い力でボールが前に飛ぶ Dunlop LX800 のようなモデルが理想的です。
【中級者】「黄金スペック」を基準に自分をカスタマイズ
スクールの中級クラス相当であれば、いわゆる「黄金スペック(300g / 100インチ / バランス320mm)」を一度基準にします。
- もっとスピンをかけたいなら Babolat ピュアアエロ。
- もう少しコントロール(しなり)が欲しいなら HEAD スピード。このように、基準点からプラスマイナスで調整するのが近道です。
【上級者】「振り抜き」と「情報の正確さ」で選ぶ
自分のスイングが固まっている上級者は、ミスをラケットのせいにしないための「情報の正確さ」を重視します。Wilson ブレード のような、ボールがどこに当たったかが手のひらに正確に伝わる薄型フレームが好まれます。
3. 【盲点】スペック表で見落としがちな3つのチェック項目
重さや面積以外にも、快適さを左右する重要なポイントがあります。
- グリップサイズ:迷ったら「細め」を選ぶべき理由日本の成人男性なら「2」、女性なら「1」が標準ですが、迷ったら細い方を選んでください。オーバーグリップを巻けば太く調整できますが、元から太いものを削ることはできません。
- バランスポイント:同じ300gでも「重さの感じ方」は180度違う重心がヘッド寄り(トップヘビー)なら遠心力で威力が出ますが、操作性は落ちます。ネットプレーを重視するなら、重心が手元に近い(トップライト)モデルを選びましょう。
- ストリングパターン:実は「回転」を左右する最大の要因ガットの網目(16×19など)が粗いほど、ボールに食いつきスピンがかかりやすくなります。逆に細かい(18×20)と、面が安定し、フラット系の強打をコントロールしやすくなります。
4. 損をしないための「試打」の極意【成功者の共通点】
ショップやスクールで試打をする際、ただ「気持ちよく打つ」だけでは不十分です。
- 「フルスイング」ではなく「守りのショット」を試す余裕がある時に良いボールが打てるのは当たり前です。走らされた時、ボレーを足元に打たれた時、そのラケットが助けてくれるかをチェックしてください。
- ガットの条件を合わせる打球感の5割はガットで決まります。できれば、自分が普段使っているガットが張ってある試打ラケットを探すか、店員にガットの種類を確認しましょう。
- コーチには「今の悩み」を具体的に伝える「何かいいやつ」ではなく、「バックハンドで深く返したい」「サーブのスピードを上げたい」と伝えることで、専門家はあなたの欠点を補う1本を提示してくれます。
5. 【プレースタイル別】運命の1本を見極めるフローチャート
最後に、あなたのプレースタイルに合わせた鉄板モデルを紹介します。
- ベースラインからスピンで圧倒したいBabolat ピュアアエロ シリーズ。圧倒的なスピン性能が、アウトしそうなボールをコート内に沈めてくれます。
- 攻撃も守備もこなすオールラウンダーYONEX EZONE 100。柔らかい打球感とパワーのバランスが絶妙で、どんなショットも平均点以上にこなせます。
- フラットドライブでコースを突きたいWilson ブレード 98。しなりが良く、狙った場所にボールを運ぶ感覚を最も味わえるラケットの一つです。
ラケット選びは、単なる買い物ではなく「自分のテニスを見つめ直す作業」です。スペックの数字に縛られすぎず、自分の手が、腕が、そして心が高いと感じる1本を選んでください。コートに立つのが楽しみになる、そんな最高の相棒が見つかることを願っています。
次の方策として、プレースタイル別の具体的なおすすめラケット(製品名)の比較表を作成しましょうか?


コメント