「なんだか最近、ボールが飛ばないし腕も疲れるな……」
テニスを続けていると、ふとそんな違和感を覚える瞬間があります。フォームの乱れを疑う前に、まず確認してほしいのがラケットの「ガット(ストリング)」です。
「まだ切れていないから大丈夫」と、1年も2年も同じガットを使い続けていませんか?実はそれ、賞味期限切れの食材で料理を作っているようなもの。本来のパフォーマンスを引き出せないばかりか、最悪の場合、テニス肘などの怪我を招く原因にもなります。
今回は、年間10回以上ガットを張り替えるテニス愛好家の視点から、失敗しないガット張替えのタイミングや場所選び、そして打感の違いを劇的に変えるコツを徹底解説します。
1. ガットの寿命は「3ヶ月」が限界。切れていなくても替えるべき理由
テニススクールのコーチやショップ店員さんが口を揃えて「3ヶ月で張り替えましょう」と言うのは、決してセールストークではありません。
弾力性が失われる「デッド」な状態
ガットは張った瞬間から、目に見えないスピードで伸び続けています。これを「テンションロス」と呼びます。
特にルキシロン アルパワーのようなポリエステルガットは、1ヶ月も経てば打感が「板」のように硬くなり、ボールを飛ばす力が著しく低下します。
私の失敗体験:ガットをケチって手首を痛めた話
以前、私は「切れるまで使おう」と半年以上放置したことがありました。結果、飛ばないボールを無理に飛ばそうとして力みが生じ、手首を痛めてしまいました。新しく張り替えた直後、軽く振るだけでボールが伸びていく感覚に驚き、「もっと早く張り替えればよかった」と後悔したのを覚えています。
2. 張り替えが必要な5つのサイン
見た目で「寿命」を判断するポイントは以下の通りです。
- ノッチ(溝)の深さ: ガットが交差している部分が削れて深く溝ができている。
- スナップバックの消失: ボールを打った後、ガットがズレたまま戻らない。これはスピンがかかりにくくなっている証拠です。
- 打球音の変化: 以前は「パンッ」と乾いた音だったのが、「ボコッ」という鈍い音になった。
- 毛羽立ち: テクニファイバー X-ONE BIPHASEなどのナイロンマルチガットに多い症状。繊維がほつれてきたら、間もなく切れるサインです。
- 振動の増加: 打った瞬間に手に響く嫌な振動が増えた。
3. どこで張り替える?場所別のメリット・デメリット
いざ張り替えようと思った時、どこに頼むのがベストでしょうか。
テニスショップ・スポーツ量販店
最も一般的な選択肢です。
- メリット: 最新のガットを手に取って選べる。専門知識のある店員に相談できる。
- デメリット: 土日は混雑し、受け取りまで数日かかることも。
テニスクール
通っているなら最も手軽です。
- メリット: レッスン時に預けて次回受け取れる。自分のプレーを知っているコーチに相談できる。
- 注意点: 張り替え工賃がショップより数百円高く設定されている場合があります。
自分で張る(ホームストリンガー)
「究極のこだわり派」には、ガット張り機を購入して自宅で張る道もあります。
- 体験談: 最初は1本張るのに2時間以上かかりましたが、自分で張ると「テンションの微妙な違い」を試せるのが楽しく、結果的にテニスへの理解が深まりました。
4. 初心者が失敗しない「注文のコツ」
ショップでの注文時、以下の3点を伝えればスムーズです。
- 種類: 「楽に飛ばしたい」ならナイロン、「ガンガン振っていきたい」ならポリエステル。
- テンション(強さ): 特にこだわりがなければ「48ポンド」や「50ポンド」といった標準的な数値から始めましょう。
- 悩み: 「肘が痛い」「コントロールを良くしたい」と伝えれば、プロが最適なガット(例:ヨネックス ポリツアープロなど)を提案してくれます。
5. まとめ:新しいガットで別次元のテニスを
ガットの張替えは、ラケットを買い替えるよりも手軽で、かつ最も劇的に打感を変えられる「最高のチューンナップ」です。
もしあなたが3ヶ月以上同じガットを使っているなら、今すぐショップへ持ち込んでみてください。張りたてのガットがもたらす爽快な打感と、思い通りにコントロールできる喜びが、あなたのテニスを一段上のレベルへ引き上げてくれるはずです。


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