現代のテニスコートやバドミントンコートを見渡せば、そこにあるのはカーボンや特殊素材の粋を集めた超軽量ラケットばかりです。しかし、ふとした瞬間に、あの手に残るずっしりとした重みと、木特有の柔らかい打球感を懐かしむプレーヤーは少なくありません。ヨネックスがまだ「米山製作所」として木製品を扱っていた時代、彼らが魂を込めて作り上げたyonex wooden racket(ヨネックス木製ラケット)は、単なる道具を超えた「工芸品」としての輝きを放っていました。
木製ラケットから始まったヨネックスの歴史は、そのままスポーツテクノロジーの進化の歴史でもあります。かつての名機を手に取ると、まず驚くのはその重量感です。現代のラケットが羽のように軽く感じられる一方で、yonex wooden racketは一振りするごとに「腕の延長」であることを強く主張してきます。
私が実際にヴィンテージのyonex wooden racketをコートで振ってみた際、最初に感じたのは「芯を喰った時」の圧倒的な快感でした。カーボンラケットのような弾き返す感覚ではなく、ボールやシャトルを一度フレーム全体でググッと受け止め、木材の「しなり」を利用して押し出すような感覚。この「球持ちの良さ」こそが、かつての名手たちがミリ単位のコントロールを実現していた秘密なのだと肌で理解できました。
特にyonex wooden racketの中でも伝説的な存在であるyonex carbonex 8や、往年のウッドモデルを愛用した際、現代のラケットでは味わえない「音」に魅了されます。乾いた「パチン」という響きではなく、深く、重厚な「ドン」という手応え。それはプレーヤーのパワーをダイレクトに衝撃として伝える、極めてアナログで誠実なフィードバックです。
もちろん、現代のスピード感溢れるゲームにおいて、木製ラケットをメイン武器にするのは容易ではありません。スイートスポットは驚くほど狭く、少しでも芯を外せば強烈な振動が手首を襲います。しかし、そのシビアさこそが、現代の私たちが忘れかけている「正確に捉える」という技術の尊さを教えてくれるのです。
また、yonex wooden racketを語る上で欠かせないのが、職人の手仕事を感じさせるデザインです。美しい木目の重なり、繊細な塗装、そして現代のロゴとは異なるクラシックな「YY」マーク。それらは、使い込むほどに傷が「味」となり、プレーヤーと共に年を重ねていく相棒のような存在感を放ちます。
もしあなたが、最新のテクノロジーに少し疲れを感じているのなら、中古市場やコレクターの手元に眠るyonex wooden racketを探してみてください。一度その「しなり」と「重み」を体感すれば、ヨネックスというブランドが守り続けてきた「打球感へのこだわり」の原点に触れることができるはずです。かつての木製ラケットが持っていた温もりは、形を変えて現在のyonex carbonex crownといったモデルにも、そのDNAとして確かに受け継がれています。


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