「しっかり振っているはずなのに、相手に簡単に追いつかれてしまう」
「自分のボールはバウンドした後に失速して、チャンスボールになっている気がする」
テニスを続けていると、一度はぶち当たる壁がこの「ボールの伸び」です。上手い人のショットは、コートに触れた瞬間にグンと加速し、手元で食い込んでくるような圧迫感がありますよね。
実は、ボールの伸びは筋力だけで生み出すものではありません。20年以上のテニスキャリアの中で私が体感した「伸びるショット」の正体と、それを実現するためのギアの選び方を詳しく解説します。
そもそも「ボールが伸びる」の正体とは?
物理的な話をすれば、ボールは空気抵抗があるため、放たれた瞬間から減速し続けます。つまり、実際に「加速」することはありません。
では、なぜ「伸びる」と感じるのか。それは、**「相手が予測した減速幅よりも、実際の減速が少ないから」**です。
バウンドした後にボールが急激に失速せず、勢いを維持したまま滑ってくる。この「想定外の速さ」こそが、対戦相手に「伸びてきた!」と恐怖を感じさせる正体なのです。
【体験談】上級者が語る「伸びるショット」を打つ時の感覚
私が初めて「あ、今のボールは伸びたな」と確信したのは、皮肉にも「力を抜いて打った時」でした。
「叩く」のではなく「乗せて運ぶ」
以前の私は、とにかくボールをぶっ叩こうとしていました。しかし、それではボールがつぶれすぎてしまい、バウンド後に失速する「死んだ球」になりがちでした。
伸びる球が打てるようになった時、手元には**「ガットの上で一瞬ボールが静止し、それを奥まで運び出す」**ような独特のホールド感がありました。
インパクト音の変化
音が変わるのも大きな特徴です。「パコン」という乾いた高い音ではなく、「ドシュッ」という重く、空気を切り裂くような低い音になります。この音が鳴ったときは、大抵の場合、相手が差し込まれてミスショットをしてくれます。
伸びるボールを打つための3つの技術的ポイント
1. 「擦るスピン」から「厚い当たりのスピン」へ
スピンをかけようとしてボールの表面を薄く擦ってしまうと、推進力が死んでしまいます。ラケット面を垂直に近い状態で当て、ボールを潰してからスピンをかける「厚い当たり」を意識しましょう。
2. 打点を30cm前に置く
「詰まった打点」ではボールに体重が乗りません。自分が思っているよりも30cm前で捉えることで、体の軸の回転エネルギーがダイレクトにボールに伝わります。
3. グリップの握り込みを「3割」にする
インパクトの瞬間にグリップを強く握りすぎると、ラケットのしなりが死んでしまいます。小指と薬指で軽く支える程度の脱力が、インパクト時の爆発的な復元力を生みます。
「伸び」を最大化する2026年最新おすすめギア
技術はもちろん大切ですが、現代のテニスにおいて道具の力(テクノロジー)を借りない手はありません。特に近年のラケットは、復元力が飛躍的に向上しています。
圧倒的な推進力を手に入れるなら
とにかくパワーで押し切りたい、自動的に伸びる球を打ちたいならバボラ ピュアドライブ 2025が筆頭候補です。フレームの剛性が高く、インパクト時のロスが最小限に抑えられるため、バウンド後の失速が驚くほど少ないのが特徴です。
軌道の高さと伸びを両立させるなら
スピン量で相手を圧倒しつつ、バウンド後に高く弾ませたい場合はヨネックス VCORE 100 2026年モデルが最適です。空気抵抗を抑えたフレーム設計により、スイングスピードが上がり、エグいほどの「跳ね」と「伸び」を体感できます。
自分の意思でボールをコントロールして伸ばすなら
ボールを「掴んで放す」感覚を大切にしたい中上級者にはウィルソン ULTRA V5をおすすめします。打球感が非常に柔らかく、自分のパワーを効率よくボールに伝える「厚い当たり」が作りやすい設計になっています。
ガット選びの盲点:テンションをあえて「下げる」
多くの人が「伸びる球=硬いガットを強く張る」と勘違いしています。しかし、私の経験上、ボールを伸ばしたいならテンションは低めが正解です。
私は以前52ポンドで張っていましたが、思い切って45ポンドまで下げたところ、ボールの食いつきが劇的に良くなりました。ガットが大きくたわむことで「トランポリン効果」が生まれ、バウンド後の伸びが目に見えて変わったのです。
使用するガットも、ルキシロン アルパワーのような反発性能に優れたポリを選ぶと、より効果を実感しやすいでしょう。
まとめ:今日からできる「伸びるボール」へのステップ
ボールの伸びは、決して才能ではありません。
- インパクトでボールを潰す感覚を養う。
- ギア(ラケット・ガット)を自分のスイングに合わせる。
- 何より「脱力」して振り抜く。
まずは、次の練習でテニスボールを打つ際、グリップの力を抜いて「バウンド後の白線を超える」ことを目標に打ってみてください。相手の驚く顔が見られたら、それがあなたのボールが「伸び始めた」証拠です。


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