「男性なら300gが標準」という言葉を信じてラケットを買ったものの、試合の後半で腕が上がらなくなったり、ボレーで振り遅れたりした経験はありませんか?実は、テニスラケットの重さ選びは、単なる体格だけでなく、スイングの癖や「どれくらい疲れた状態で打ち続けるか」というリアルな状況に左右されます。
今回は、数々のラケットを使い倒してきた筆者の体験談を交えながら、成人男性が本当に選ぶべき重量について徹底解説します。
成人男性のラケット重量・目安表
まずは、一般的な基準を確認しましょう。自分がどの位置にいるかチェックしてみてください。
| レベル | 推奨重量 | 特徴・向いている人 |
| 初心者 | 285g ~ 295g | 筋力が未発達でも振り抜きやすい。フォームを固める時期に最適。 |
| 初中級〜中級 | 300g | いわゆる「黄金スペック」。バボラ ピュアドライブなどの人気モデルが集中する。 |
| 中上級〜上級 | 310g以上 | 重さを利用して球威を出したい人。相手の強打に面を安定させたい競技志向。 |
【体験談】重さを変えると何が変わる?
私が実際に285gから315gまで、さまざまな重さのラケットを試合で使って感じた「本音」をお伝えします。
軽いラケット(285g前後)を使った時
ヨネックス イーゾーン 100Lのような軽量モデルを手に取ると、まず「操作性の良さ」に感動します。
- ここが最高!: ボレーボレーの反応が爆速になります。また、スクールのレッスンで1時間半打ち続けても、最後までしっかり振り切れるのがメリットです。
- ここがツラい…: 相手に速いサーブを叩き込まれた時、ラケットが弾かれて面がブレる感覚があります。「当てて返す」だけでは、球が浅くなりやすいのが悩みどころでした。
重いラケット(310g以上)を使った時
ウィルソン プロスタッフ 97のような重量級モデルは、やはり「威力」が別格です。
- ここが最高!: 軽くスイングしただけで、ボールが相手のコート深くで伸びていきます。ブロックボレーも、面をセットするだけで「壁」になれる安心感があります。
- ここがツラい…: 1セットマッチの終盤、足が止まり始めた時に地獄を見ます。わずかな振り遅れが重なり、アウトが増えていく。翌朝には手首にズーンとした重みが残ることもありました。
失敗しないための「重さ」選びの3ステップ
後悔しないラケット選びのために、以下のステップを試してみてください。
Step 1:今のラケットを「重い」と感じる瞬間を分析する
もし、テニスを始めて30分で腕が疲れるなら、そのラケットは明らかにオーバーウェイトです。逆に、2時間の練習の最後だけ振り遅れるなら、グリップの太さやバランス(静止重量ではなく重心)を調整するだけで解決する場合もあります。
Step 2:スイングウェイトの罠に注意
カタログに「300g」と書いてあっても、重心がヘッド側にある「トップヘビー」なモデルは、振った時に310g以上に感じることがあります。手に持った感触だけでなく、必ず素振りをして「振り心地」を確認しましょう。
Step 3:試打は「疲れた状態」でやるのが正解
多くの人が、元気いっぱいの試打開始10分で「重いけど飛ぶからこれにしよう!」と決めてしまいます。しかし、本当の相性は試合の終盤に現れます。できれば、1時間練習した後の「少し疲れた状態」で試打をさせてもらうのが、最も失敗しない方法です。
プレースタイル別:プラス10gの判断基準
迷った時は、自分の理想とするスタイルに合わせて微調整してみましょう。
- ストロークで打ち勝ちたい: 現在の重量から +10g 検討。ラケット自体のパワーで押し込めます。
- ネットプレーで俊敏に動きたい: 現在の重量から -10g 検討。操作性が上がり、キャッチできる範囲が広がります。
- スピンをぐりぐりかけたい: 現状維持 がおすすめ。重すぎるとスイングスピードが落ち、結果的に回転量が減ってしまうからです。
まとめ:自分の「1番いい時」に合わせすぎない
テニスラケット選びにおいて、最も危険なのは「全盛期の筋力」や「プロへの憧れ」で選んでしまうことです。
基本は 300g をベースにしつつ、自分の体力や週の練習頻度に合わせて前後10gを調整してみてください。「ちょっと軽いかな?」と思うくらいのラケットをしっかり振り抜く方が、結果としてボールに勢いが出ますし、何より怪我なく長くテニスを楽しめます。
「重い=上級者」という見栄は、コートに置いていきましょう。最後の一球まで全力で振り切れる一本こそ、あなたにとって最強の相棒です。


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