「普段履いているスニーカーが26cmだから、テニスシューズも26cmでいいだろう」——。もしあなたがそう考えているなら、少しだけ待ってください。その安易な選択が、コート上での捻挫や、親指の爪が真っ黒になる「テニス趾」を招く原因になるかもしれません。
テニスは前後左右への激しいストップ&ゴーを繰り返すスポーツです。ミリ単位のサイズ選びのミスが、プレーの質を下げ、時には数ヶ月の戦線離脱を強いる怪我に繋がります。
この記事では、数々のシューズを履き潰してきた私の経験をもとに、失敗しないサイズの測り方と、主要メーカーのリアルなフィット感を徹底的に深掘りします。
なぜテニスシューズは「普段のサイズ」で選んではいけないのか
街歩き用のスニーカーとテニスシューズでは、設計思想が根本から異なります。ファッション靴は「歩きやすさや見た目」を重視しますが、テニスシューズは「激しい横動きへの耐性」と「急停止時の足の保護」が命です。
特に重要なのが**「捨て寸」**です。つま先に0.5cmから1.0cmの余裕がないと、踏み込んだ瞬間に指先がアッパーの内側に衝突し続けます。一方で、大きすぎれば靴の中で足が泳ぎ、靴擦れやマメの温床になります。自分の足の実寸を知り、そこに適切な「遊び」を加えること。これが黄金律です。
失敗しないための「三種の神器」計測術
ネットで注文するにせよ、ショップへ足を運ぶにせよ、以下の3点は絶対に外せません。
- テニス専用ソックスを履くテニス用の靴下は、クッション性を持たせるために驚くほど厚手です。普通のビジネスソックスでサイズを合わせると、いざコートに立った時にパツパツで足が痺れることになります。
- 計測は「足が一番大きくなる時間」に人間の足は午後になるとむくみ、サイズが大きくなります。試合後半のコンディションを想定するなら、計測や試し履きは夕方以降に行うのがベストです。
- 「かかと」を合わせてから紐を締める多くの人が「つま先」をトントンとして合わせますが、これはNG。かかとをしっかりとヒールカウンターに密着させ、その状態で紐を締め上げた時に、つま先に適度なスペースがあるかを確認してください。
メーカー別・サイズ感と履き心地のリアルな違い
メーカーによって、ラスト(足型)の癖は驚くほど違います。私が実際に履き比べて感じた特徴をまとめました。
アシックス(asics):精密なホールド感
日本人の足を最も知り尽くしているブランドです。アシックス テニスシューズの最大の特徴は、かかとから中足部にかけての圧倒的なフィット感。細身の「スリム」から「ワイド」まで展開が豊富なので、自分の足幅に合わせて選びやすいのが魅力です。迷ったらまずはここ、と言える安定感があります。
ヨネックス(YONEX):包み込むような優しさ
ヨネックス テニスシューズは、独自の「パワークッション」による衝撃吸収性が抜群です。全体的にややゆったりとした設計が多く、足入れした瞬間に「あ、楽だな」と感じるはず。幅広・甲高に悩むプレイヤーには特に救世主となるブランドです。
ミズノ(MIZUNO):日本人に寄り添うワイド設計
「どうしても海外ブランドだと横幅が痛い」という方は、ミズノ テニスシューズを試すべきです。3Eや4Eといったワイドモデルのラインナップが非常に充実しており、小指の外側が当たるストレスから解放してくれます。
アディダス(adidas)&ナイキ(NIKE):タイトでスポーティー
アディダス テニスシューズやナイキ テニスシューズは、欧米向けのラストを採用していることが多く、土踏まずから横幅にかけてかなりタイトな作りです。シュッとしたデザインは格好良いですが、幅広の方は普段より0.5cm上げないと厳しいかもしれません。
もし「サイズ選びに失敗したかも」と思ったら
「買ったばかりのシューズが少し緩い、あるいは微妙に当たる」という時、諦めて買い替える前に試してほしいのがインソールの交換です。
テニス用インソールを入れるだけで、フィット感は劇的に変わります。厚手のものに変えれば遊びが減り、アーチを支えるタイプなら足の形を適正に保って痛みを軽減してくれます。
テニスシューズは、あなたとコートを繋ぐ唯一の接点です。妥協せずに「最高の一足」を見つけることが、あなたのテニスライフをより長く、より楽しいものにしてくれるはずです。
次は、あなたのプレースタイルに合わせた「オールコート用」と「オムニ・クレー用」のソールの違いについて詳しく見ていきましょうか?


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