テニスを始めたばかりの頃、私は「運動靴なら何でも同じだろう」とランニングシューズでコートに立ち、激しく後悔した経験があります。横に振られた瞬間に足首がグニャリと傾き、危うく大怪我をするところでした。テニスというスポーツは、前後左右への急停止とダッシュが絶え間なく繰り返される過酷な競技です。
本記事では、私の失敗談や長年のプレー経験を踏まえ、テニスシューズ特有の機能性や、絶対に外せない選び方の基準を詳しく紐解いていきます。
1. なぜ「テニス専用」でなければならないのか?
ランニングシューズは「前方向」への動きを前提に設計されていますが、テニスシューズは「全方位」への動き、特に横方向の切り返しに特化しています。
- サイドの剛性: 激しいサイドステップでも足が靴の中でズレないよう、外側が強固に補強されています。
- ストップ性能: 踏み込んだ瞬間にピタッと止まれるグリップ力があり、スライディングによる怪我を防ぎます。
- ソールの耐久性: ハードコートでの摩擦は想像以上に激しく、専用品でなければ数回のプレーで底に穴が開いてしまいます。
2. 失敗しないための「コート別」アウトソールの特徴
テニスシューズ選びで最も重要なのは、自分がプレーするコートの地面(サーフェス)に合わせることです。
オールコート用
主にハードコートでの使用を想定しており、適度な滑りと止まりのバランスが絶妙です。迷ったらこれ、と言われることも多いですが、砂の多いオムニコートでは滑りすぎるため注意が必要です。私はasics solution speed ffのような、軽量かつ安定感のあるモデルをハードコートでの練習用として愛用しています。
オムニ・クレーコート用
日本のレンタルコートで最も多い「砂入り人工芝(オムニ)」や、土の「クレー」に対応したモデルです。靴底に「オムニ・クレー専用」と記載がある通り、細かい突起が地面をしっかり噛んでくれます。グリップが効かないと、ボールを追いかける一歩目が遅れるだけでなく、踏ん張りが効かずにパワー不足のショットになってしまいます。
カーペットコート用
インドアスクールに多い絨毯のようなコート専用です。あえて溝を少なくすることで、引っかかりすぎによる転倒を防ぐ特殊な構造になっています。
3. 私がたどり着いた「最高のフィット感」の見極め方
カタログスペック以上に大切なのが、自分の足との相性です。
- つま先の余裕: 捨て寸として0.5cmから1cmほど余裕を持たせましょう。ぴったりすぎると、急停止した際に爪を痛めて真っ黒に変色してしまいます。
- かかとのホールド: かかとがパカパカ浮くシューズは論外です。しっかりと包み込まれる感覚があるか確認してください。
- 足幅(ワイズ): 日本人の足は幅広・甲高が多いと言われます。幅広の方はyonex power cushion wideなどのワイド設計モデルを選ぶと、長時間のプレーでも痛みが少なくなります。
4. プレースタイルで選ぶ「重量」の基準
- 機動力重視: ネット際まで素早く詰めたい方は、メッシュ素材を多用した軽量モデルがおすすめ。
- 安定性重視: 後ろで粘り強くストロークを打つ方は、少し重めでもソールが厚く、足元がどっしり安定するasics gel-resolutionのようなスタビリティタイプが適しています。
5. まとめ:道具への投資は「安全」への投資
テニスシューズは、あなたのパフォーマンスを最大限に引き出すだけでなく、足腰の負担を軽減する「盾」でもあります。
最初はデザインで選びたくなりますが、まずは「どのコートで遊ぶか」を明確にし、実際に厚手のテニス用靴下を履いて試着してみてください。自分の足に馴染む一足が見つかれば、コートを駆け回るのが驚くほど楽しくなり、上達のスピードも劇的に変わるはずです。


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