「今のラケット、スペックは気に入っているけれど、あと少しだけパワーが欲しい」「打ち負けない安定感が欲しい」。そう感じたことはありませんか?新しいラケットに買い換える前に、ぜひ試してほしいのが**鉛テープ(リードテープ)**によるチューニングです。
私自身、かつてヨネックス イーゾーンを購入した際、カタログスペック上は完璧だったはずなのに、いざ試合に出ると相手の重いショットに面がブレてしまう悩みを抱えていました。しかし、わずか数グラムの鉛を貼っただけで、その悩みは嘘のように解消されたのです。
今回は、自身の試行錯誤した体験をもとに、後悔しないためのラケットチューニング術を徹底解説します。
なぜ、わずか「3g」で世界が変わるのか?
テニスラケットは、工業製品である以上、どうしても個体差が存在します。また、プレーヤーのスイングスピードや筋力、プレースタイルは千差万別です。メーカーが設定した「黄金スペック」はあくまで平均値に過ぎません。
私が最初に行ったチューニングは、3時と9時の位置に合計3gのキモニー リードテープを貼ることでした。たったそれだけで、オフセンターで捉えた時の「ガシャリ」という不快な振動が減り、ボレーの安定感が劇的に向上したのです。重さそのものよりも、「慣性モーメント(回りにくさ、ブレにくさ)」が変わることによる恩恵は計り知れません。
【実践】貼る位置で変わる!ポジション別・打感変化のリアル
鉛テープをどこに貼るかで、ラケットの性格は180度変わります。代表的なポジションと、私が実際に感じた変化を紹介します。
12時方向(トップ):破壊力重視の「ハンマー」カスタム
ヘッドの先端に重さを出すことで、遠心力を最大化します。
- 体験: サーブのスピードが明らかに上がり、ストロークも「叩き潰す」感覚が強まりました。ただし、スイングウェイトが急増するため、3セット目の後半で腕が上がらなくなるリスクも痛感。フィジカルに自信がある方向けです。
3時・9時方向:安定感重視の「鉄壁」カスタム
フェースの左右に貼ることで、面安定性を高めます。
- 体験: 私が最もおすすめする位置です。相手の強打に押されなくなり、ブロックボレーが面白いくらい深く返るようになりました。操作性を損なわずにパワーを補える、最もバランスの良い位置です。
2時・10時方向:パワーとスピンの「ハイブリッド」
トップとサイドの中間を補強します。
- 体験: 振り抜きの良さを維持しつつ、ボールの引っ掛かりが良くなる感覚があります。スピンで攻めたい現代的なプレースタイルに最適だと感じました。
グリップエンド:操作性を操る「カウンターバランサー」
あえて手元を重くすることで、ヘッドの重さを相殺します。
- 体験: バボラ カスタムウェイトをグリップ内に仕込んだところ、全体の重量は増えているのに、操作感はむしろ軽くなるという不思議な感覚を味わいました。ラケットを重くしたいけれど、振り抜きは落としたくない時の裏技です。
失敗しないためのセルフチューン・3ステップ
初心者がいきなり大量に貼ると、バランスが崩れて怪我の原因になります。
- 0.1g単位の秤を用意するタニタ デジタルクッキングスケールのような精密な秤で、必ず左右対称の重さを測ってください。感覚に頼ると、左右のバランスが崩れ、手首を痛める原因になります。
- 「2g」から始めるスモールステップまずは1gのテープを2枚用意し、左右に貼ることから始めましょう。15分程度の練習では分からなくても、1時間のゲーム練習で「意外と重いかも」と気づくことが多いからです。
- オンコートでの試打を繰り返す素振りと実打は別物です。特に「疲れてきた時に振れるか」を基準に判断してください。
鉛テープがもたらす「メンタル」への効果
チューニングの隠れたメリットは、「自分の道具を自分で支配している」という自信です。
以前の私は、ミスをするたびに「このラケット、自分に合っていないのかも」と道具のせいにしていました。しかし、自分で重さを調整し、ミリ単位でこだわったラケットを使うようになってからは、「道具は完璧。あとは自分の技術次第」と潔くプレーに集中できるようになったのです。
まとめ:ラケットは「育てる」もの
テニスラケットは買って終わりではありません。ウィルソン 鉛テープ1つで、あなたのラケットはもっとあなたに寄り添う最高の武器になります。
まずは1枚の鉛テープから、自分だけの「至高の一本」を探す旅を始めてみませんか?その試行錯誤のプロセスこそが、テニスの奥深さを知る最高の楽しみになるはずです。
次の一歩として、まずは自分のラケットの正確な重量を計測し、どの部分に不満があるかを書き出してみることから始めてみましょう。


コメント