テニスを続けていると、誰もが一度は「打球時のビリビリする振動で肘が痛い」「夏場の汗でラケットが手の中で暴れる」といった悩みに直面します。そんな時、多くのプレイヤーがたどり着く意外な解決策が「布」の活用です。
最新のハイテク繊維から、古き良きタオル地まで。ラケットに「布」を取り入れることで、あなたのテニスがどう変わるのか。実際に使い込んだ筆者の体験を交えて、そのディープな世界を解説します。
魔法の布「FLAX」を仕込んでみた。打感の「雑味」が消える感覚
最近、テニスショップのカスタマイズコーナーでよく目にするのが、FLAX テニスという布状のシートです。これは亜麻(リネン)を原料とした天然素材の振動減衰材で、グリップの中に仕込んで使用します。
【体験談】肘への優しさが格段に違う
私が初めてこれを愛機に装着したとき、最初に感じたのは「打球情報の整理整頓」でした。これまでのラケットが、ボールを打つたびに「ガツン!」という衝撃と一緒に細かい余韻を手に伝えていたのに対し、FLAXを入れた後は、嫌な高周波のビリビリ感だけがスッと消えたのです。
- 打感がマイルドに: まるでラケットのグレードが一段上がったような、しっとりとした高級感のある打球感に変わります。
- テニス肘対策: 振動がマイルドになる分、長時間の練習でも手首や肘の疲労が明らかに軽減されました。
ただし、欲張って何枚も重ねて巻くと、ボールがどこに当たったのかという繊細な感覚まで「布」に吸収されてしまい、打球感がぼやけてしまうので注意が必要です。まずはグリップの平面部分に1枚貼る程度から始めるのがベストでしょう。
汗かきの救世主!タオルグリップ(布製グリップ)の極意
「ラケットが滑ってまともに振れない」という夏場の絶望を救ってくれるのもまた、布です。プロ選手の中にも愛好家が多いタオルグリップは、一度ハマると抜け出せない魅力があります。
【体験談】「握る」ではなく「吸い付く」安心感
ウェットタイプのグリップテープは、汗をかくと表面に膜が張ったようになり、ヌルヌルと滑ります。しかし、ヨネックス タオルグリップのような布製は、汗を吸えば吸うほど、繊維が手に食い込むような絶妙なグリップ力を発揮してくれます。
- 操作性の向上: 汗でラケットが回ってしまう心配がないため、全力でスイングに集中できます。
- 握力の節約: 滑らないからこそ、無駄な力を入れずにラケットを保持でき、結果的にショットの精度が上がりました。
難点は、布特有の厚みが出るため、グリップサイズがわずかに太くなること。また、放置するとガチガチに固まって不衛生になるため、グリップテープ感覚でこまめに交換するコストと手間は覚悟しておく必要があります。
大切な相棒をいたわる「布」のメンテナンス
ラケットの性能を維持するためにも、布は欠かせません。私は練習後、必ずマイクロファイバー クロスでフレームを拭き上げています。
特にガット(ストリング)の表面には、ボールの毛羽(フェルト)が布のようにこびり付きます。これを放置すると、スピン性能が低下する原因に。打球後にサッとセーム革 クロスなどで汚れを拭き取るだけで、ガットの動き(スナップバック)が維持され、良い状態を長く保つことができます。
まとめ:あなたの悩みを「布」で解決しよう
テニスラケットにおける「布」は、単なる付属品ではなく、性能を自分好みにチューニングするための重要なパーツです。
- 振動や痛みに悩んでいるなら: FLAXをグリップ内に忍ばせる。
- 手汗でコントロールを乱しているなら: タオルグリップに切り替える。
- 最高の打感をキープしたいなら: 掃除用 マイクロファイバーをバッグに忍ばせる。
ラケットという硬質な道具に、布という柔らかな要素を加える。この少しの工夫が、あなたのテニスライフをより快適で、豊かなものに変えてくれるはずです。


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