「テニスラケットの大きさなんて、どれも似たようなものでしょ?」かつての私はそう高を括っていました。しかし、その無知のせいでテニス肘に悩み、試合ではあと数センチ届かないボールに歯痒い思いをすることになったのです。
テニスラケットの「大きさ」は、単なるスペックの数値ではありません。それはあなたのプレースタイルを決定づけ、時には身体を守る盾にもなります。今回は、私が数々の失敗を経て辿り着いた、後悔しないラケットサイズの選び方を、生々しい体験談と共にお伝えします。
1. フェイス面積:100平方インチが「正解」と言われる本当の理由
ショップに行くと必ず勧められるのが、フェイス面積100平方インチの、いわゆる「黄金スペック」です。
スペック別・体感の違い
- 95〜98平方インチ(小さめ): 振り抜きが驚くほど鋭くなります。私が バボラ ピュアアエロ 98 を試した時は、針の穴を通すようなコントロールに感動しました。しかし、体力が落ちる後半戦では、少しでも芯を外すと全く飛ばない「鉄の板」に変わる恐れがあります。
- 100平方インチ(標準): 攻守のバランスが完璧です。迷ったらここからスタートすべき。
- 105〜115平方インチ(大きめ): 「魔法の杖」です。 ウィルソン ウルトラ 108 のようなオーバーサイズを握った瞬間、ボレーの守備範囲が20cm広がった感覚になります。ダブルス中心の方や、楽に飛ばしたいシニア層にはこれ以上の武器はありません。
【体験談】見栄を張って小顔ラケットを選んだ代償
テニスを始めて3年目、「中級者っぽく見られたい」という下心で95インチのツアーモデルを買いました。練習ではカッコいいショットが打てるのですが、試合になると緊張で体が縮こまり、フレームショットを連発。結局、100インチに戻した途端に勝率が上がりました。「自分を助けてくれる大きさ」を選ぶことが、上達への最短距離だと痛感した出来事です。
2. グリップサイズ:たった数ミリが「怪我」の境界線
実は、面の大きさ以上に慎重になるべきなのがグリップの太さです。
失敗しない「指一本」の測り方
ラケットを握った際、薬指と手のひらの隙間に「反対側の手の人差し指がちょうど1本入る状態」が理想的です。
- サイズ1〜2: 日本人女性や手の小さい男性向け。
- サイズ2〜3: 一般的な成人男性の標準。
【体験談】細すぎるグリップで手首を壊した話
プロ選手が細めを使っていると聞き、ヨネックス VCORE のサイズ1を無理して使っていた時期があります。手首が自由自在に動くので、スピンはめちゃくちゃかかります。しかし、その分インパクトの衝撃をすべて手首で受けることになり、3ヶ月後には重度のテニス肘に。
今はサイズ2に ウィルソン プロオーバーグリップ を2枚重ねて調整していますが、安定感が段違いです。「迷ったら細めを買い、グリップテープで太くする」のが鉄則。逆(太いものを削る)は不可能ですから。
3. ラケットの長さ:27インチの壁を越えるメリットはあるか
標準的なラケットは27インチ。しかし、中には「長ラケ」と呼ばれる27.25〜27.5インチのモデルも存在します。
- 27インチ(標準): どんな状況でも扱いやすく、身体への負担が少ない。
- 長ラケ(ロング): 遠心力が使えるため、サーブの威力とストロークのリーチが劇的に向上します。
【体験談】長ラケに変えて「サーブが別物」になった瞬間
どうしてもサーブでエースが取りたくて、ヨネックス EZONE 100L のロングモデルを試したことがあります。打点が上がるだけで、これほどまでに打ち下ろせるのかと驚きました。ただし、ネット際でのクイックなボレー戦では、自分の腕が長くなりすぎたような違和感があり、慣れるまで時間がかかりました。シングルス中心でサーブを武器にしたいなら、検討の価値ありです。
4. 結論:あなたにぴったりの「大きさ」を見つけるために
ラケット選びに迷ったら、まずは以下のステップを試してください。
- 基準を知る: バボラ ピュアドライブ のような、100平方インチ・グリップ2のモデルを一度レンタルして打ち込む。
- 不満を言語化する: 「もう少し面が広ければボレーが楽なのに」「グリップが回ってしまう」など、具体的な不満を書き出す。
- 調整する: 面を大きくするか、グリップに グリップサイズ調整用熱収縮チューブ を使って太さを変えてみる。
テニスラケットの大きさは、あなたのテニス人生を支えるパートナーのサイズです。スペック表の数字だけでなく、自分の手のひらが、そして身体がどう感じるかに耳を傾けてみてください。
次にお手伝いできること:
「この記事に合わせるアイキャッチ画像や、各メーカーのサイズ比較表を作成しましょうか?」


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